yabanjin-soulのTシャツ魂

ロック魂を手描きで表現するyabanjin-soulのたわごと・ひとりごと

「20世紀少年の謎」の考察(注:ネタバレあり!)

2008年10月01日 | たわごと、ひとりごと

え~っと・・・。

「20世紀少年」と「21世紀少年」を読み終えて、

作者(浦沢直樹氏)が

わざとか、わざとじゃないのかわからないけど

解明されない謎をほっぽりだしたまま

エンディングにしてしまってるんで

また1巻から読み直してみました。

一人ひとりの年表なんか作ったりして

そりゃあもう、大変だったんだからね!

あんまり、本筋には関係ないと思われる

・主人公ケンヂの姉キリコの足跡
・万丈目と高須の知ってる「”ともだち”の嘘」とは?
・ドンキーは理科室でスィッチを入れたのか、すでに入ってたのか?

等々は、省いております。

本筋の「謎」さえ解ければ、些細なことはどうでもよくなるんだよね。

んで、

この先は

もろにネタバレなんで

読んでない人、

もしくは3部作の映画を観終わるまで内容を知りたくないというヒトは

読むのをやめてね。

それじゃ、いくよ~。

・・・・・・

いいの?

・・・・・

ほんとだよ。

・・・・・

やめるのは今のうちだよ~。

・・・・・

いいんだね?

・・・・・

文句は言わないでよ・・・。

・・・・・

・・・・・

それじゃ、いきま~す。

―――――――――――――
*************

えーっと、このマンガは、

”ともだち”の作った子供の頃の仮想現実(以下VA)のなかに入り込んだり、実際の子供の頃が混在してるので、とてもややこしい状態になっちゃってます。

んで、VAのほうは「ともだち」のすり替えや嘘が混じっていると思われるので、この際、参考資料程度にとどめ、

他の登場人物の回想部分だけをもとにして調べてみた。

結果的に”ともだち”は最初から複数人いて、少なくとも「フクベエ」、「カツマタ」くんの二人は確実なんだろうと思われる。

ボク自身も、複数人いるって思ってて「サダキヨ」も影武者の一人だと思ってたんだけど(トヨタ2000GTで事故死した事にされていたから)、本編ではそういった記述は結果的にはみられなかった。

それじゃあ、もう一人の「カツマタ」くんはどんなヒト?っていうことなんだけど・・・。

顔や姿かたちは「フクベエ」にそっくりなんで、普通に考えると「整形」か「フクベエと双子」ってことになるんだけど・・・。

最初の頃から、「理科室」といえば「カツマタくんの幽霊話」が話題として出てたんで、怪しいなあとは思ってた。

けど、もし彼が「フクベエ」と双子だったんなら・・・

どんなに目立たない存在でも、「同じ顔の人間がいる」っていうのは、子供にとったら摩訶不思議な存在なわけで、少なくとも「ヤン坊・マー坊」ほど強烈じゃないにしても、誰かしらの記憶には残ってそうなもんである。

というわけで、「双子説」っていうのは却下した。

んで、「整形」っていうのも考えたんだけど(実際はこれが一番説明がつきやすい)、あまりにも安直過ぎて、ね。これであってほしくないというボク自身の願望もあり、却下。(笑)

じゃあ、「カツマタくん」はどんなヒト

結論から言うと

ボクの推理では

「フクベエ」が1970年に乖離性人格障害(つまり、多重人格)となり、その乖離したもう一人の人格として「カツマタくん」が生まれたんじゃないか、

と、考えた。

実際の多重人格者は、肉体そのものはひとつだけなんだけど、なぜか「フクベエ」の場合は肉体そのものも切り離されてしまった、という話だと上手く説明がつく。

1970年の「首吊り坂事件」で、ケンヂとオッチョとサダキヨが目撃した幽霊(のっぺらぼう)はフクベエから乖離した「カツマタくん」であり、1971年の「理科室事件」でお面をかぶって、いかにもサダキヨだと思われた人物も「カツマタくん」だったというわけだ。

学校のみんなが「カツマタくん」を噂でしか認識してないのも、そもそも「カツマタくん」ってのはいなかったわけだし、乖離した人間だから転校してきたっていうことにもならないわけ。いつの間にか存在してて、お面をかぶってるからみんなは「サダキヨ」だって勘違いしてた。「カツマタくんが死んだ」っていうのはフクベエやヤマネの創作で、理科室での実験等を誰にも邪魔されたくないっていう思いで流したデマである、と。

「肉体まで乖離しちゃった」っていうのは荒唐無稽だけど、そう考えなくちゃ「整形した」っていう陳腐な話になっちゃうんだもん。(笑)

少なくとも、「サダキヨ」は70年の一学期だけ在籍し二学期に転校していった後、「中学になって久しぶりにケンヂの住んでる町に電車で来た」って証言してるので、71年の理科室事件で同席してることは考えられない。

しかし・・・、

作者の方にも、この話をまとめるにあたって混乱の跡が見られる。

10巻のサダキヨの回想では、70年の一学期に”秘密基地”でフクベエと会い、フクベエと一緒に「よげんの書」を読んだことになってるんだけど、16巻では、69年になっている。ヤマネがオッチョに細菌兵器の話をしたのが69年のはずだから、フクベエは69年にはもう「よげんの書」のことを知ってるはずなんだよ、ね。

70年にサダキヨが出会った「後姿のフクベエ」が、もしかしたらフクベエから乖離した「カツマタくん」かもしれないけど・・・。

あ・・・、

そうかもしれない!69年のときの秘密基地での「フクベエ」はケンヂのことを呼び捨てにしてるけど、70年のときの「フクベエ」は”君”付けで呼んでるから、きっと、そういうことなんだな!ということは、69年の秘密基地でのお面の子供がフクベエから乖離した「カツマタくん」だということか。

う~ん、そうなると、69年には「フクベエ」はもう乖離してて「カツマタくん」は存在してたってことになるか・・・。

そうだとすると、69年の時点でヤマネがオッチョに「よげんの書」を知ってる人物として「自分以外にあと二人いる」って言ったのにも説明がつく。つまり、「フクベエ」と「カツマタくん」だよね。

ケンヂの姉のキリコが、お面をつけた二人の人物を目撃した時、一人は「サダキヨ」でもう一人は誰?という話にも説明がつく。このときはサダキヨがいるから70年の一学期だ。

う~ん・・・、作者は混乱してないってこと?

でも、70年の「万博の嘘」で、フクベエが乖離していったような描き方をしてるんだけどなあ・・・。

う~ん・・・・。

*********

まあ、以上のことは、”カツマタくんは「整形」していない”ということを前提にした推理なんで、
{カツマタくんは実在してて、「死んだ」っていう噂が否定されないくらい存在の薄いヒトだった}っていうことなら、もっとシンプルに収まる。大人になってフクベエの偽者になるために「整形」してそっくりになったって考えれば、ね。

でも、そう考えると、69年と70年の秘密基地でのお面をかぶったヒトとフクベエとの出会いの話がつじつまが合わなくなっちゃう。つまり、フクベエは「カツマタくん」と「サダキヨ」の二人と、年をまたいで、全く同じ会話をしたってこと?

う~ん・・・・。

*********

この話は、ほかにもいろんな謎が残されてる。

・ヤマネの回想では、理科室事件のときドンキーが水槽の電源を入れたことになってるのに、VAではもうすでに電源が入ってたってことになってるのは?。
・万丈目と高須が、”ともだち”の「1970年の嘘」を知ってるのはなぜ?(70年の嘘とは「万博に行った」っていう嘘)
・万丈目が71年の理科室事件のことも知ってるのはなぜ?
・万丈目が高須に殺されるとき、VAに入ってなかったのに「21世紀少年」になると、VAに入ったまま殺されたっていうことになってるのはなぜ?

等々、拾い上げだせば切りがなくなるんだけど、「カツマタくん」がなぜフクベエと同じ姿かたちをしてるのかっていう謎さえ解き明かされれば、これらは気にならなくなる謎だよね。

ホント、「整形」でも「双子」でもなんでもいいから、これだけは作品のなかで、何らかの形で説明してほしかったなあって思います。

*********

今回の考察は、あくまでボク個人の{推理}であり、{妄想}です。

でも、ここまで掘り下げて考察したくなるくらい、この作品にはものすごいパワーがあったってことなんだろうな。

こんな話を作り上げた浦沢直樹氏はやっぱり、「すごい!」。

いや~、映画ではこのあたりをどう扱うんだろうね。

ここまで、あいまいにしてるといろんな解釈が成り立つだろうからね。

というわけで、これでひとまず、区切りを打ちます。

みなさん、オツカレサマでしたあー!(笑)

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――――

多重人格者のことを「乖離性人格障害」とは言わないんじゃないかっていう指摘を受け、修正しました。

この辺の病名も良く知らないもんで・・・、スミマセン(汗)。

コメント
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