
【 2018年12月17日 】 MOVIX京都
1992年、米ロサンジェルスで起こった「ロス暴動」に題材を得た映画だが、観た感想からいうと、よくわからない--内容がちっとも伝わってこない映画だった。
ハル・ベリーの『チョコレート』も、トルコの女性監督の第一作『裸足の季節』も感動的で素晴らしい映画だったから、新聞に載っていた映画評にも押されて夫婦で見に行ったが、感想は共に「話の筋がよくわからない。ただ暴動が起こっていたというだけ?」。(ダニエル・グレイグの「007シリーズ」はともに見ていない! が、いい男には違いない!)

そもそも、《どういう境遇の、どんな関係の子供が、どうして集まっているのか》、またハル・ベリーの演じる《ミリーはどんな立場の人なのか》全く分からない。

隣に住むという《いい男の》おじさんの性格もよくわからない。(途中からどうして性格が豹変したように見えるのか!?)

大体、暴動とこの家族?の距離感が不明だし、それぞれの子供の描写もわかりにくい。

同じような「貧困世帯」を扱った映画なら、『万引き家族』の方が社会背景もそれぞれの人物描写もどんなにわかりやすいことだろうか。

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家に戻って、「ロス暴動」のサイトを改めて見てどんなだったかを確認する。そこで、初めて「ラターシャ・ハーリンズ事件」や「ロドニーキング事件」の事を知った。この2つに事件の約1年後に、出た判決のあまりの不当さに怒った住民が「ロス暴動」を引き起こしたのだった。映画の中では、そうしたことがすっきりと描かれておらず、非常にわかりずらい。



黒人に対する差別・暴行事件を扱ったものでは『フルートベール駅で』が良く出来た映画だった。

観るのだったら、こちらの方をお勧めする。
『フルートベール駅で』ーマイブログへジャンプ
『ロス暴動』に関する知見を得るページ(ウィキペディア)
『マイ・サンシャイン』-公式サイト