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最近上映されて良かった映画、以前見て心に残った映画、感銘をうけた本の自分流感想を。たまには旅行・山行記や愚痴も。

「オリヲン座からの招待状」-京都を舞台とした映画好きの話

2007-11-11 21:24:45 | 最近見た映画
[2007年11月11日] MOVIX京都

 映画館、映画好きにまつわる話と言えば、すぐ思い出すのが「ニューシネマ・パラダイス」と日本では「虹をつかむ男」だ。最近では「玲々の電影日記」も良かった。

 この映画の舞台は京都。賀茂川の散歩道や西陣界隈の町並みが出てくるのは親しみが持てていいのだが、つい知見が鑑賞の妨げをする。
 植物園あたりを背景にした賀茂川の堤を、フィルム缶を積んだ自転車が何度か行き来するのだが、「それどう見ても方向が違うぞ!」とか、いきなり京都から何十キロも離れた木津川の「沈下橋」が出てきたりとか。

 映画に限りない愛着を持つ仙波留吉(加瀬亮)が、大きな荷物を抱えてオリヲン座の前に着く。仕事を探して大津から出てきたのだが、館主の豊田松蔵(宇崎竜堂)に頼み込みそのまま住み込みで働くことになる。

 松蔵は体をこわし、その後を留吉が継ぐことになるが、テレビの普及と留吉と松蔵の美しい妻(豊田トヨ:宮沢りえ、[晩年:中原ひとみ])との間柄をとやかく言う風評で、映画館への客足は遠のく。

 幼い頃、そんな映画館を毎日の生活の場として、留吉(晩年:原田芳雄)とトヨを実の親以上に慕っていたのが最初に登場した破局間近な夫婦(樋口可南子、田口トモロヲ)だ。

          


 劇中映画として出てくる「無法松の一生」(稲垣浩監督、阪東妻三郎版)はぼくもすごく好きな映画だ。「幕末太陽伝」(川島雄三監督、フランキー堺)はフランキー堺が一瞬しか出てこなかったが、またみたい映画だ。「にあんちゃん」(今村昌平監督、長門祐之)は看板しか出てこなかったが(その看板の掛け替えの時、トヨが足を踏み外し怪我をする。)、忘れもしない、小5の時、学校の講堂ではじめて見て、衝撃を覚えたのを記憶している。「二十四の瞳」は言わずもがな。

 留め吉とトヨはいつしか寄り添う仲になっていたが、二人の関係は、あたかも阪妻の「無法松」と園井恵子が演じた「吉岡夫人」の関係と同様、清らかなものだったようだ。

 最後に、はじめの二人がこれを機会に「復縁するんでは」とハラハラしたが、そこまで描かれなくて、ホッとした。
 そうなったら完全な二流映画になってしまうところだった。

 それにしても、宮沢りえはやせすぎだ。ちょっと気になる。




 「オリヲン座からの招待状」-公式サイト

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