この映画・本、よかったす-旅行記も!

最近上映されて良かった映画、以前見て心に残った映画、感銘をうけた本の自分流感想を。たまには旅行・山行記や愚痴も。

『声をかくす人』-アメリカ南北戦争直後に起きた『リンカーン大統領暗殺』の女性共犯者を描く

2013-02-16 23:40:41 | 最近見た映画


        【 2013年1月30日 】    京都シネマ


 いわゆる《法廷もの》で、時代はアメリカを二分して戦われた『南北戦争』の直後、奴隷解放を宣言したリンカーン大統領が暗殺された、その時である。


             



 主犯のブースと共犯の男たちは逮捕され、それぞれ《相応の》判決がくだっていて、それに異議を唱える者はいないのだが、メアリー・サラットについてはそうではなかった。

 彼女が生活のために営んでいた下宿屋にブースが出入りしていたことを根拠に、《アジトを提供していた》という罪で告発されたが、サラット自身は無実を主張する。
 
 南北戦争に勝った北軍のリーダーである『大統領』を暗殺した一味を、《一刻も早く処罰して時勢を安定させる》というのが、北軍の上層部と世間の空気の大勢を占めていたが、元司法長官のジョンソン議員だけは違っていた。
 「彼女には弁護を受ける権利がある」と主張するが、自分が弁護するのは立場上難しいとの考えで、元北軍大尉のフレデリックに弁護を押しつける。 



                                                


 フレデリック自身も他の北軍の盟友や多くの人々と同じように、犯人とその一味に対し怒りと憎しみを持っていたので、当然乗り気ではなかった。しかし、審理が進むにつれ、この裁判=【軍事法廷】のあり方に矛盾を感じ始める。
 若い弁護士は親友や恋人まで失いながら、最後の反証を試みる。


                      


 緊張感あふれる綿密なストーリーの展開は、『それでもボクはやってない』(2007年、周防正行監督)を彷彿させる。

 また、《どんな不利な状況の容疑者であっても、公正な裁判を受ける権利はある》とのメッセージと共に、《既成観念にとらわれないであらゆるもの疑ってみる》、《逆の立場から考えてみる》ことの大切さを、安田弁護士の《執念の行動》を追うことで示してくれたドキュメンタリー映画の感動作『死刑弁護人』(ドキュメンタリー、2012年、斎藤潤一監督)を思い起こさせる。


 主役のメアリー・サラットを演じているロビン・ライトの凛々しい姿が印象的な映画だ。


 それにしても、この映画タイトルの付け方【意味すること】がよく分からない。原題は【共謀者=Conspirator】なので、そちらのほうがわかりやすいと思うのだが。



     『死刑弁護人』のブログにジャンプ

     『それでもボクはやってない』のブログにジャンプ


     『声をかくす人』-公式サイト






コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 『集団的自衛権』を考える-... | トップ | 『東ベルリンから来た女』-... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

最近見た映画」カテゴリの最新記事