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「椿三十郎」劇場にて

2007年12月02日 | cinema-japan

映画の日の土曜日、朝一で『椿三十郎』を見てきました。1回目の回ということもあり、年齢層は比較的高かった気がします。この年齢層プラス織田裕二ということでの若年層を呼び込めれば大ヒットも可能だと思いました。


『井坂伊織(松山ケンイチ)』ら若侍衆はとある社殿で、藩の上部で行われている汚職に関して相談していた。そこに社殿奥をねぐらにしていた『椿三十郎(織田裕二)』が現れる。密談の内容を盗み聞きしていた『三十郎』は若侍衆の考えが甘いことを指摘する。
その指摘どおり社殿の周りは、大目付『菊井(西岡徳馬)』の配下により十重二十重に取り囲まれていた。一計を案じた『三十郎』は社殿を出て配下に向かう。彼の前に『菊井』の懐刀『室戸半兵衛(豊川悦司)』が現れる・・・ 


黒澤明版『椿三十郎』を見たことがあるかどうかで、評価は変わってしまいそうですね。リメイク元を見たことのある私としては、どうしても辛い採点になってしまいます。あえてリメイクに挑戦したことに関しての勇気に関しては評価したいと思います。

まず大きな違いのひとつとして感じたのがスピード感でした。実は黒澤版は96分しかありません。同じ脚本を使用した本作は119分に伸びています。エンディングロールの尺の違いを鑑みても明らかに間延びしていることがこれだけでも読み取ることができます。
殺陣のクライマックスとして25人切りとラストの決闘シーンがあり、注目も集まっていますが、25人切りは納得のできる仕上がりになっていたと思います。何人か切った後、血糊で切れなくなってしまう刀を取り替えたところはリアル感を追求した結果でしょう。最後の決闘シーンはまああんなもんでしょう。時代劇ならず映画史上に残る黒沢版を越えられるわけも無く森田版としては健闘したほうではないでしょうか。

主人公を演じた「織田裕二」のちょんまげも現代風になっていましたが、ちょっと違和感を感じてしまいました。殺陣においてリアル感を要求するのであればそういったとことにも気を配ってほしかったですね。三船敏郎=椿を意識してしまったのでしょうか。台詞回しが少し芝居じみていたのもマイナス点につながっています。にやけている表情が多く、素浪人という雰囲気はあまりかんじませんでした。
宿敵『室戸半兵衛』を演じた「豊川悦司」に関しては、彼の声の高さが気になってしまいました。貫禄が足りなかったかもしれません。
若侍衆の中心人物『井坂伊織』を演じたのは「松山ケンイチ」。彼のキャラは役にはまってていたと思います。ヅラも似合っていて時代劇に向いているのかもしれませんね。その彼を食うキャラを出してきたのが『保川邦衛』役の「一太郎」クンでした。(黒澤版では「田中邦衛」が演じた役です。)
音楽はあえて黒澤版を意識したものになっていましたが、まったく新しいものでもよかったのではないかと思っています。


コミカルな面を重視した演出といっていますが、シリアスな面が描けて初めてコミカルな面が生きるのであって、一部を除いて各配役、演出において黒沢版に遠く及ばなかったのは残念でしたが、元が偉大すぎるだけに仕方が無いのかもしれません。


評価 星 みっつ


P.S.
家に帰ってすぐに黒沢版を見てしまいました。まだ黒沢版を見たことの無い人は、この機会に是非リメイク元を見ていただきたいと思います。ラストのシーンはコマ送りにしないと見えないくらい速い動きです。


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椿三十郎@映画生活



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2 コメント

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こんばんは♪ (ミチ)
2007-12-02 23:04:03
TBありがとうございました!
黒澤映画の素晴らしさと三船敏郎のオーラを再確認した作品となりました。
もちろんリメイクした勇気も買いますし、あえて脚本にも手を入れずカット割まで同じようにしたのもチャレンジだったのかリスペクトだったのかわかりませんが面白かったです。
チャンバラとしての面白みはどうしてもオリジナルがよかったかなと。
尺の長さとかテンポも少々違ってましたよね。
でも、角川春樹はじめ監督、俳優さんたちの頑張りはよく伝わってきました!
「椿三十郎」 (giants-55)
2007-12-07 21:47:53
書き込み及びトラックバック有難う御座いました。

やはり黒澤版の「椿三十郎」を見てしまうと、どうしても物足りなさを感じてしまいますよね。個人的に一番物足りなかったのは、あの鮮血が迸る名シーンがカットされていた点ですが、こういう御時世ですからR指定の絡みも在るのでしょう。

こちらで触れられていた25人斬りのシーン。自分も刀を途中で取り替える所に、リアリティーの追求を感じました。そういう配慮が在るのだから、一層鮮血シーンは入れて欲しかったですね。

コミカルさとシリアスさの対比バランスが悪かった点も、確かに気になりました。特に最後の藤田まこと氏&中村玉緒さんの遣り取りって必要だったのかなあという気が(苦笑)。

今後とも何卒宜しく御願い致します。

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