河内国喜志村覚え書き帖

大坂の東南、南河内は富田林市喜志村の歴史と文化の紹介です。
加えて、日々の思いをブログに移入しています。

ちょっといっぷく31――三名山

2022年08月17日 | よもやま話

日本の南画(文人画)家のスーパースターといえば、江戸時代後期に活躍した谷 文晁(たに ぶんちょう)。
『開運なんでも探偵団』に再三登場するが、本物はまず出てこないことで有名だ。
その代表作が、文化9年(1812年)に著した『日本名山図会』。
日本の代表的山岳89座が描かれている。
その89座の中に、なんと、南河内の三つの山が選ばれている。
まずは最高峰の金剛山(1125m)


羽曳野丘陵の麓を通る巡礼街道から見た景色だろう。右手の町は富田林寺内町。
お次は葛城山(959m)


そして二上山(517m・474m)


高い方の雄岳が左にあるので大阪側から見たもの。手前が太子町の山田、竹ノ内峠。
「三上山」とあるのは文晁の大ボケ。


文晁の鑑定品に贋作(がんさく=にせ物)が多いのは、作品に押す落款(らっかん=ハンコ)を弟子たちに自由に使えるようにしていたからだとか。

なんともおおらかな人よ。

※『日本名山図会』(国会図書館デジタルコレクションより、加工)

※古地図は『河内細見図』より(国立公文書館デジタルアーカイブ)


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