河内国喜志村覚え書き帖

大坂の東南、南河内は富田林市喜志村の歴史と文化の紹介です。
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茶話104 / 外来語

2023年12月21日 | よもやま話

先週末から雨が続き、前線が東へ通過したあとの今週は西高東低の冬型で寒い。
これが普通なのだが、猛暑があったせいなのか殊更に寒い。
畑に行くのも億劫になって、ほぼ冬休み状態。
例年なら11月中旬から冬休みに入っているので、これが我が畑のガバナンス(governance=管理体制)と思えばあきらめもつく。
それに、この時期はたいしたタスク(task=達成課題)もないし、ああしろこうすべきだというインフランス(nfluence=影響を及ぼす人)もない。
ここは素直にオンスケジュール(on schedule=予定通り)にコンプライアンス(compliance=遵守)するとしよう。

明治時代になって様々な外国語、思想が日本に入ってきた。
最初は、ご丁寧に一つ一つを日本語に訳していく(翻訳語)。
society=社会、science=科学、will=意思、environment=環境、common sense=常識、Kultur(独)=文化。
訳すというより新しい漢字の熟語を創ったという方が適切だ。
obligationを「奉公」とはせずに「義務」とし、rightを「御恩」とはせずに「権利」とした。
ところが、新しい外国語が次々と紹介されるので翻訳・創作が間に合わなくなると、発音のままにカタカナ語にしていく(外来語)。
パン、ライス、コップ、ステーション、スイッチ、マッチ、ペン。
あるいは、日本流の英語を創ってしまう(和製英語)。
シュークリーム(靴クリーム)、バイキング(海賊)、ベビーカー(小型車?)、リサイクルショップ(再生利用した店)。

英語なら寿司は「susi」とローマ字で書くしかない。
しかし、日本語は「楽天、ドコモ・au」というふうに、平仮名だけではなく漢字・カタカナ・ローマ字をつかいわけているので外来語を受け入れやすい。
あれだけ鎖国を守ったのに、いったん蓋を開けると、いともた易く文化の多様性を受容できる民族だった。
それはよいのだが、最近、テレビのニュースを視ていると、文明開化でもなかろうに、やたらと外来語が出てくる。
「コロナウイルスのパンデミック(感染爆発)でクラスター(集団感染)が起きロックダウン(都市封鎖)が増加しています」
コロナ禍に限らず、世の中がグローバルになったということなのだろう。

外来語の氾濫は世の中の流れとしてある程度は受け入れざるをえない。
「テレビのニュース」を「電気受像機の最新情報」と訳したら余計にわかりにくくなる。
しかし、一般的に理解できる日本語をわざわざ外来語で話すのは困ったものだ。
「検察庁は裏金議員のエクスキューズ(excuse=弁明)をそのままアクセプト(accept=受け入れる)するのではなく、確かなエビデンス(evidence=証拠)を示して、国民のコンセンサス(consensus=合意)を得るべきだ」
TPOにマッチした外来語がつかえるユーザーになるとするか。
※立斎広重『東京汐留鉄道舘蒸汽車待合之図』明治6. 国立国会図書館デジタルコレクション
※歌川広重(三代)『ボン浮世絵コレクション』慶應義塾大学メディアセンター(慶應義塾図書館)


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