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河内国喜志村覚え書き帖

大坂の東南、南河内は富田林市喜志村の歴史と文化の紹介です。
加えて、日々の思いをブログに移入しています。

茶話177 / なのはな

2025年03月18日 | よもやま話

畑に出たいのだが、ここ数日、通り雨が降る。
降るなら降る、降らないなら降らないの、なんともけじめのない天候。
菜種梅雨。
ところが、ナタネは、菜っ葉の種子という意味で、特定の品種として存在しない。
 ♪菜の花畑に入日薄れ 見わたす山の端 霞ふかし♪
ならば「ナノハナ」かと思いきや、ナノハナという植物はない。
ナノハナは、黄色い花をつけるアブラナ科アブラナ属の花の俗称だ。
ハクサイ、カブ、コマツナ、ミズナ、チンゲンサイ、キャベツなどのアブラナ科の花や実が、ナタネ・ナノハナである。
みな、この時期になると一斉に花芽をつける。
そして、雨が降り続く。

スーパーで売っている食用の花の蕾がアブラナ。
正式には西洋アブラナ。
花を食べるので花菜(はなな)とよび、葉を食べると菜花(なばな)という。
昔は種から油を採って行燈の燃料にしていたので油菜・菜種という名もある。
♪菜の花畑に入日薄れ~♪の「菜の花畑」は「西洋油菜畑」ということになる
昔はあちこちに菜の花畑があったが、明治時時代になって石油のランプが登場すると姿を消した。

菜種梅雨には、「催花雨(さいかう)」という別名がある。
花が咲くのを催す(もよおす=かきたてる)雨。
菜種梅雨が終われば、川沿いの土手が花におおわれる。
野生化したナタネ、ナノハナ、アブラナ、ハナナ、ナバナが一面に咲き誇る。
もうすぐ春ですね。
重いコート脱いで、ちょっと気取ってみるとするか。

※喜斎立祥『東京小松川菜の花』. 国立国会図書館デジタルコレクション

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茶話176 / はーくしょん!

2025年03月17日 | よもやま話

朝の6時半頃が日の出なので、朝日を浴びようと外に出る。
陽は出ているが、なにやら薄いレースのカーテンに覆われてぼんやりとしている。
黄砂か花粉か……はーくしょん!
やはり花粉か……はーくしょん!
家に入って……はーくしょん!
ティッシュを探して……はーくしょん!
ティッシュをぬいて……はーくしょん!
薬を飲んでいるのに……はーくしょん!
もひとつついでに……はーくしょん!

くしゃみ1回の消費カロリーは4kcalだとか。
120歩の歩行と同じエネルギーを消費する。
今日の朝は7回くしゃみしたので、10分歩いたのと同じになる。
そう思えば気も楽か。
花粉の時期が終われば本格的な春。
そう発想の転換をすれば希望が湧いてくるか。
甚だ厄介……花鼻困った……はーくしょん!
休息万命急々如律令!

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茶話175 / ヘィークション!

2025年03月12日 | よもやま話

 身中の虫吹つ飛ばす大嚔(おおくさめ) / 山口正心
ヘィークションと一回だけの大くしゃみは、なんとも言えぬ快感だ。
『枕草子』の中に、
 はなひて誦文(ずもん)する。おほかた、人の家の男主(おとこしゅう)ならでは、高くはなひたる、いとにくし。
くしゃみをして呪文を唱えるのって下品。大体において、その家の主人ならまだしも、雇い人が大きなくしゃみをするのは、ほんとに気持ち悪いたらありゃしない!
上品な平安貴族にとっては、一目はばからぬ大くしゃみは不愉快極まりない。
コロナやインフルの感染症流行のこの時期の大くしゃみは、違う意味で人に不快感を与える。

一昔前に有った風邪薬コンタックのCМ。
狂言師の和泉元秀が出てきて……。
 大きな毛抜きにはさまれて、ねながらグッとぞ抜きにける。はあー くっさめ! くっさめ!
「くしゃみの呪文」というのが「くっさめ、くっさめ」。
「くそ(糞)っくらえ」の意味だとか、「休息万命(くそくまんみょう=ゆったりと命を永らえたまえ)」の縮こまったものだという。
昔から、くしゃみをすると早死にすると信じられていた
風邪は万病のもと。
くしゃみ三回ルル三錠」なのだ。
   ★
くしゃみの回数による占いがある。
 一誹(そし)り二笑い(嘲笑い)三惚れ四風邪(しかぜ
くしゃみは三回がよい。
イギリスで古くから伝承されてきた童謡を集めた『マザー・グース』という書がある。
「メリーさんの羊」が有名だが、こんなのがある。
 月曜日のくしゃみは 危険のしるし
 火曜日のくしゃみは 知らない人にキスをする
 水曜日のくしゃみは 手紙がくるぞ
 木曜日のくしゃみは いいことあるよ
 金曜日のくしゃみは 悲しいしるし
 土曜日のくしゃみは 明日に好きな人に会える
月曜と金曜は、くしゃみをしない方がいい。

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茶話174 / もこもこ

2025年03月07日 | よもやま話

なぜか無性に食べたくなった。
俺がこんなに強いのも、あたり前田のクラッカー
藤田まことの出世作『てなもんや三度笠』の中で使われた宣伝文句だ。
駄洒落を使って無理やり言葉を加えていくので「付け足し言葉」という。
この昭和を代表する名文句で前田製菓は一躍有名になった。
その前田のクラッカーが食べたくなった。

ところがどっこいごっつぁんどすこい。
どこにも売っていないイナイバー。
藤井寺市に前田製菓の直営店があるので行ってみたが、なぜか売っていない。
やっぱりさっぱりちんぷんかんぷん。
困った困ったこまどり姉妹。
やけのやんぱち日焼けのなすび。
どうぞかなえて暮の鐘。
インターネットで検索したら、なんと有馬の温泉饅頭。
売っているのは、水金地火木百均ダイソー。
何のこっちゃ、抹茶に紅茶。
驚き桃の木山椒の木。
願ったり叶ったり 晴れたり曇ったり。
蟻が鯛なら芋虫ゃ鯨と買いに行った。

60年前に食べた時は20円。
黄色い袋だと思っていたが、赤い袋になっていた。
調べてみたら、昔のは、黄色ではなく透明の袋で、中身が見えていただけだった。
それに、藤田まことが宣伝文句を言う時に差し出していたのは、丸い小粒のバタークラッカーではなく、四角い形をしたランチクラッカーだった。
当たり前田と思っていたのが当たりまえではなかった。
人の記憶なんぞ曖昧なものなんだと合点承知、あたりき車力よ車引き。
懐かしい味を肴にして一杯飲む、曖昧糢糊もこと虫の這いだす啓蟄に。

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茶話173 / 雨

2025年03月06日 | よもやま話

昨日に増してどんよりとした空。
降っているのか、降っていないのか、わからないような雨。
傍で我が相方が洗濯物を部屋の中に吊るしている。
てるてる坊主でも作ろうか……。
カムイ・パパイヤ・アーホーイヤ。
あーした天気になぁーれ!
アイヌのまじないでも唱えようか……。
それとも、靴でも飛ばそうか……。
あーした天気になぁーれ!
東北地方では、雨が降り続いたとき、晴れを願って、行事の前日に御天気祀りとやらをする。
大酒飲んで大騒ぎする宴会……だという。
そんなの、毎日、こっそり、独りで、やっとるわい!

雨に交じって、梅の花がしきりに散る。
去年は、花が少なく、実があまり成らなかった。
梅干し用の実が少ないのにがっかりした我が相方。
どこで教えてもらったのか、手にノコギリを持って、梅の木に向かって「成るか成らぬか。成らねば切るぞ」と脅しをかけている。
それに合わせて孫たちが、梅の木の下で「成ります。成ります」と叫ぶ。
「成り木責め」という豊作儀式で唱えられる呪文だ。
それが効いたのか、今年は、見事に花をつけてくれた。
困ったものだ。

豊作をみこんでか、最近、味付け海苔やらインスタントコーヒーをやたらと買ってくる。
梅干しを漬けるのにちょうど良いのだと言う。
しとしとと雨が続き、梅の実が落ちるころになると、せっせと瓶に梅を漬ける。
十や二十やらではない。
「そんなに漬けて、どうするのだ」と言うと、友達から予約が入っているのだという。
それはいいのだが、カビが生えないように冷蔵庫に入れるのはやめてくれ。
冷蔵庫が梅干しでぱんぱんになる。
酒の肴にしようと、昼食の残りを冷蔵庫に入れておこうものなら、いつの間にか梅干しの瓶に取り囲まれて、取り出せない。
雨にうたれて散る梅の花を見ていると、少し憂鬱になる。

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