中目黒再開発の事実

中目黒の再開発・工事について。少しでも事実を伝えられれば…。

駅前再開発に関する誤情報

2007-11-20 03:28:16 | 中目黒再開発
以下のブログにこんな情報があった。
ご本人のページに返事を書こうとしたが「設定により記入できない」的なエラーが出たので(長すぎたか?)こちらに記しておく。

http://blog.smatch.jp/hiropon/archive/1223

ついでに言えば、中目黒の商店街は再開発で駅前ビルに入れる人、立ち退きでそのまま行き場のない人が出て、分裂状態らしい。

こんな話を地元の商店街のオジサンから聞いたんだとか。

まず、この話の流れで「駅前ビル」が何を差すか不明。その時点で情報の信憑性に疑問符がつく。

もし、駅が建て替えられて、駅ビルが出来ると思っているなら、今のところそんな情報はないので、オジサンの情報は間違い。

もし「駅前ビル」が上目黒一丁目に建つビルのことなら、先にも書いた通り、これは駅の工事とは関係がない。ガード下を追い出された人の中で「駅前ビル」に入居する権利を持つ人は一人もいない(※)。当然「入れる人と入れない人が出る」こともないし、分裂状態にもなりようが無い。よって、オジサンの情報は間違い。

オジサンが「上目黒一丁目再開発」のみに限って言っているのに、このブログ作者がガード下工事の件を混同しているとするならば(実際、区別が付いていないようなので)。
「上目黒一丁目再開発」については、地元主導で進んでおり、地権者はもちろん借家人にも再開発地区に戻る選択肢が基本的にある。もちろん、追加の費用はそれなりに必要なので、資金力の無い人には辛い部分もあり、不満を持つ人も居ないわけではない。その意味では確かに資金面で「入れる人と入れない人」が出た。しかし、そういう権利者は既に手持ちの権利を売却している人が多く、残っている人は概ね再開発には賛成の方向だ。でなきゃ工事が進められない。したがって「分裂状態」というオジサンの情報は間違い。

つまり、どのような話だと仮定するにしても、オジサンの情報は間違いにしかならないのである。あるいは、ブログ主がオジサンの話を勘違いして、オジサンの話を捻じ曲げてしまったのだろう。どちらかだ。

それにしても、このブログ作者の早とちりぶりはどうなんだろう。
私は「情報が半端でいい加減」という話をしただけ。それなのに「入れない人と入れる人がいる」の否定は「全員入れる」になっちゃってるし(「全員入れない」を全く想定していない)。


では、ガード下の今、立ち退いている人たちは
いずれ元に戻られるんですか?
大方の再開発は利害関係が入り組み、
トクする人と、損する人(と思う人かもしれませんが)が
出るものですが、
中目黒の再開発は誰も皆喜ぶ、
円満なものなんですね?
すごいことです!
認識不足でした。


上目黒一丁目の方は、かなり多くの地権者が戻ってくる。
しかし、ガード下は東急の私有地なので、東急の腹づもりしだい。今のところ、情報はないので、戻ってこられる見込みはないと考えざるを得ない。

要は、自分が情報を集め、整理することを怠って、現実を勝手に誤解しておきながら「中目黒の再開発は誰も皆喜ぶ、円満なものなんですね?」と嫌味とはねぇ…(苦笑)。あるいはコメント欄にもっと長く書けるなら、ちゃんと説明するのに。

確かにこのブログ主は認識不足なのだが、もっと根本的な部分で認識を誤っていることに気づいて欲しいものだ。

※元々、上目黒一丁目の地権者で、工事の仮店舗としてガード下に移転していた人は除く。

P.S
以前「東横線が地下鉄と繋がって暫く地下を走るので、中目黒の高架がなくなる」と、とんでもない勘違いを書いているブログがあったと思ったら、
http://blog.smatch.jp/hiropon/archive/828
同じ方であった…。

駅前と高架下の工事は別プロジェクト

2007-11-20 01:44:35 | 中目黒再開発

■二つの別なプロジェクト


今、中目黒の再開発について、一番大きな誤解は「上目黒1丁目再開発」と「中目黒駅拡張工事(高架下工事)」を混同し、同一のプロジェクトと考えてしまうことである。この誤解は、地元の人間であっても誤解している人間は少なからずいるようだ。従って、地元の人間が言っているからと言って安易に信用してはいけない。

■高架下の工事は再開発ではない


上記で、前者を「再開発」としているのに、後者を「工事」としているのは意識的である。後者「中目黒駅拡張工事」の一番の目的は再開発ではない。あくまで、中目黒の「駅・鉄道施設の」整備工事であり、その背景は
  • 高架橋の耐震工事
  • 2010年に東横線と新しい地下鉄が直通運転を始めるための準備工事(ホーム延長と拡幅)

である。事業主体は東急であり、地元は一切関係がない。
これは東急のホームページでも裏が取れる。

2007年度の鉄軌道事業設備投資計画は総額662億円
(2007年5月15日 ニュースリリース)
http://www.tokyu.co.jp/contents_index/guide/news/070515_2.html

2.混雑緩和対策と鉄道ネットワーク拡充に304億円
3.東横線渋谷~横浜間改良工事
長編成化・速達性向上工事
中目黒駅で、10両編成に対応するために高架橋を拡幅してホームを延伸します。併せて耐震補強工事を行います。


現状、公式に発表されているのはここまでである。来年度の事業計画が決まったら、進展があるかもしれないが、現状では高架下の整備に関しては一言も触れられていないし、周辺地域との連携にも一言も言及がない。

もちろん、上記の工事後も高架下を空き地にして置くわけはないのだから、工事後に高架下の再開発的なことは行われることは当然予想できる。そして、そこまでの収支も踏まえてプロジェクトが計画されている可能性はある。しかし、あくまで第一義は「駅・鉄道施設の」整備工事である。

■上目黒一丁目再開発は再開発


一方で上目黒一丁目の工事は、住民が30年かけて発起し、区やゼネコンが加わって事業組合を結成している、れっきとした再開発である(第一種市街地再開発事業)。
以下は地区整備課のページにある通り、事業範囲の図であるが駅は全く含まれていない。



■偶然、同時期になっただけ


この再開発と工事は現在、まるで歩調をあわせるかの如くに進行している。しかし、これは全くの偶然でしかない。上記のように、事業主体も目的も全く違う。情報のやり取りも無ければ、設計に影響を与えることも全然ない。むしろ一丁目側では、同時期に工事しているのに、設計が全く連携していないことを残念がっているくらいである。

したがって、ブログでよく流れている以下のような話は、全て誤りである。
  • 駅前の高層ビルは巨大な駅ビルになって、駅と直結するらしい。
  • 上目黒1丁目側にも改札ができるらしい
  • 高架下を追い出された店の一部は、再開発ビルに入るらしい。
  • そして、再開発ビルに入れる人と、入れない人との間で対立が起こっていて、再開発は分裂状態らしい。


工事は全く関連のない別プロジェクトなので、再開発ビルが駅ビルになることはもちろん、駅と繋がることもない。雨の日に再開発ビルへ行くには、おそらく今後も傘が必要である。改札については、現状では全く予定はない。ただし可能性はゼロではない。

工事は全く関連のない別プロジェクトなので、ガード下の人に、再開発ビルに入る権利を持つ人は居ない。
入れる権利を持つ人がいないのだから(それを理由に)分裂状態になりようがない。

どうやら地元民でも上記のような「駅ビルになる」的なことを言う人がいるようだが、こういうことを言った時点で「この人は中目黒の工事については何も知らない。そのクセ、いい加減な情報をベラベラ喋りたがる人間である」と判断して良いだろう。