ひねって・焼いて・陶

陶芸の様々な技法、釉薬、お会いした陶芸家の方々の話等々、私が陶芸で学んだこと、発見したことなどを綴ります。

施釉(釉掛け)のテクニック

2014年06月05日 | テクニック
最近、成形はうまく行きながら施釉で失敗することが少々あり、施釉に関係するいくつかの改善をしたのでそれをまとめます。

1.沈殿して固まる釉薬への対応
  この対策としては、沈殿防止剤つまり塩化マグネシウム(ニガリ)やベントナイトなどを釉薬に混ぜて沈殿を遅くする事前の対処と、
  釉薬が固まった時点で水を抜き、粗いガーデニング用のフルイで漉したり、あらかじめ沈めておいたナイロンロープを引き上げることで
  固まった釉薬を砕くなどの事後の対処が一般に言われています。
  
  私が最近やり出した方法は、事後対処の1つですが、ケーキ作りなどで使う泡だて器で固まった釉薬を混ぜるというやり方です。
  これが結構短時間に釉薬の塊を分解できるのです。泡立て器は、長さ25cmで柄がしっかりしたもの。買ったままでは先端の丸味
  がバケツの底の角の部分に当たらないので、バケツに合わせて少し尖がらせます。これを使うと5~10分ほどで塊がほぐれます。
  この段階ではまだ数ミリ位の釉薬の小さな塊が浮遊しているので、次にヒシャクで釉薬をよくかき混ぜます。混ぜたら、ヒシャクで
  60目位のフルイか目の細かな茶漉しに釉薬を通してみて、塊が残ってないかを確かめます。

  沈殿防止剤は、できれば使用を控えた方が釉薬への余計な影響の心配がなくなると思います。ガーデニング用のフルイは網の下を
  補強しないと枠が直ぐ駄目になってしまうのと、作業に結構な手間がかかります。ナイロンロープを使う方法は、浸し掛けをする
  場合に邪魔になると思い、未だやったことがありません。
  

2.施釉時のバケツの角度の調整
  大変小さなことで、既にやっている方もいるかと思いますが、浸し掛けをする場合、釉薬の液面がバケツの縁から下になればなる
  ほど作品を浸し難くなります。そこで、バケツの下にバケツの底より少し大きめの洗面器を置き、バケツを傾けます。バケツと
  洗面器のスキマには新聞紙を詰めて安定させます。これで、作品によってはずっと浸しやすくなります。



3.釉薬の入れ物の調整
  浸し掛けをしたいけれどバケツに作品が入りきらない場合、別の容器に釉薬を入れ替えて浸し掛けをします。この写真の場合はタライ
  の中にダンボールを渦巻き状に入れ、作品に最適の直径にします。必要に応じてタライとダンボールの間に木片などを入れて調整し、
  最後に上からポリ袋を掛け、釉薬を入れます。何時も作品ごとに可能な範囲で最適の状態を作るようにしています。


4.釉掛けピッチャー
  流し掛けをする場合に、ヒシャクでやると案外柄の長さが邪魔になり不安定になり勝ちです。そこでぼくはキッチンで使う計量カップ
  500ccを使ってます。500ccあればかなりの量が流せます。口の部分は0.5mm厚のアルミ板で作った流し掛け用の口を
  接着してあります。これで口から数センチ先までは幅広く釉薬が流れ出るので効率よく釉掛けすることが出来ます。





目標は1kg30cm/ろくろテクニック

2012年06月05日 | テクニック
先日、常滑の陶芸家小出さんを訪問した際、ロクロがなかなか上達しないとお話ししたところ、「1kgの土で30cmの高さを挽ければ一人前ですからそれを目標にして下さい」とのことであった。これは分かりやすい目標を頂いたと思い早速家でチャレンジしてみた。底の厚みを1cm取り、あとは手がぎりぎり入る直径で挽くと何とか21cmまでは行くがそこからどう頑張っても上がらない。最後は中ほどがよれて崩れてしまう。小出さんは、「25cmまではなんとか行ってもそこから先は工夫が要りますよ。」とおっしゃっていたが、そこまでも届かない。縦に割ってみると案の定、下は厚みが8mm位もある。

やはり今の実力はこの辺か。これから、できるだけ毎日1kg30cmを目指してロクロを挽くことにしよう。