ひねって・焼いて・陶

陶芸の様々な技法、釉薬、お会いした陶芸家の方々の話等々、私が陶芸で学んだこと、発見したことなどを綴ります。

硬くなってしまった粘土の再生

2016年05月22日 | 仕事場や道具
まだ湿り気はあるけれど、指で押しても数ミリ位しか凹まないくらい硬くなっってしまった
粘土の再生法です。ちなみにこの土は3.5kgありました。

先ず、ワイヤーで5mm位の厚さにスライスします。この道具は12mmの合板に0.5mm
のステンレス針金を張ったもので、ギターの糸巻きを利用して張ってあるので針金が切れても
簡単に交換できます。


粘土を縦横に切って短冊状にしたら水を掛けます。どれくらい水を掛けたら丁度良い柔らかさ
になるかを見極めて水の量を決めます。多少は多めにした方が後で調整し易いので無難です。



粘土をポリ袋に入れて空気を抜いて1時間、急いでいたら10分くらい置いて、水が土に浸透
するのを待ちます。その間他の仕事をすれば1時間くらいはあっという間ですね。




次は、ベタベタになった粘土を練るわけですが、これが結構厄介なので工夫をしました。
先ず、12mm合板を木綿の布で包み、大型のクリップで周囲を固定します。(クリップは
32mm幅、100円ショップで8個100円。やけにカラフルですが、普通の黒いものは100円で25個
もありそんなに要らないので止めました。)
この板に粘土を置いて先ずドライヤーで表面の水気をざっと取ります。これをしないと直ぐ
手がヌルヌルになり滑って練りにくいのです。先ず、板の左半分を使って土を練り、土の中
にある小さな塊が手に感じられなくなったところで残りの半分を使って仕上げの練りをし
ます。布があることで水気の多い粘土でも板にベタ付くこと無く練ることができます。石膏
板の上で練るという方法もありますが、石膏板でも水気の多い粘土は貼り付いてしまうこと
があります。



最後に粘土を立方体にまとめて、空気が入らないように注意してポリ袋に2重に包み、識別
のラベルを付けたロープをポリ袋の口を横切る方向に掛けて縛ります。保存時はポリ袋の
口がある方を下にして粘土の重みが口にかかるようにして置きます。これをしっかりやって
いればそうそう粘土は乾かないのですけど、それでも何年も経つと乾くことはあります。

ちなみに、カチカチに固まってしまった粘土は、ハンマーで砕いてから水でドロドロにして、
石膏板で乾かす方法を使っています。