ひねって・焼いて・陶

陶芸の様々な技法、釉薬、お会いした陶芸家の方々の話等々、私が陶芸で学んだこと、発見したことなどを綴ります。

ティーポットの制作

2014年08月16日 | 制作現場
2作目のポット。1作目は面取りした形状でやたらと作り難かった。やはりある程度作り易さも考慮しなければいけないと反省。そこで、今度は作り易いデザインにしたのだが、当初、半円形の取っ手にしたら手が滑って持ち難かったので、持ちやすい形状に修正したのがこのデザイン。機能性とデザイン性の両立が目標。
作家が作るポットで、蓋のつまみがないデザインが結構よくあるのだが、実際に使ってみると蓋のふちを掴むのはそこそこ不安定な感じがする。それはそれで一つの方向なのだけれど、自分が納得行くデザインとしては機能を重視してシッカリとしたつまみのある形にした。さらに、そのつまみの一部をお茶を注ぐ時に親指で蓋を押さえるための形にした。これはちょっとしたアイデアなのだが、この工夫ははるか昔にバウハウスのワルター・グロピウスがデザインしたローゼンタールのポットに既にある、と以前S先輩に指摘された。やはりバウハウスは凄い。モダンデザインは1940年頃には既にピークにあったんじゃないかと思ってしまう。
このポットの成形で苦労したのは蓋の受けの部分のロクロ成形。本やネットで様々なプロのやり方を参考にしたが、とてもデリケートな作業だ。それから、注ぎ口と本体との継ぎ目の仕上げもかなり神経を使う。ここは技を磨かなければいけない。