ひねって・焼いて・陶

陶芸の様々な技法、釉薬、お会いした陶芸家の方々の話等々、私が陶芸で学んだこと、発見したことなどを綴ります。

三原 研さんの花器

2013年02月21日 | 陶芸家
もう何年も前から一度実物を見てみたいと思っていた三原 研さんの作品を先日ついに見ることが出来ました。銀座の和光で開催された「日本陶磁器協会賞受賞作家展」での展示です。しかも和光のショーウインドーにも氏の作品が展示されていたのでシッカリと写真を撮ることもできた。彼の作品の大きな魅力は、焼締めた拓器(せっき)としての地肌の風合いです。長い間風雨にさらされた岩肌の様であり、きわめて自然な色の変化に魅力を感じます。
この風合いを出すのは相当難しそうだ。鉄分の多い土を素焼きした後に、珪石を水で溶いたものを表面に塗って密閉状態にする。それを還元で焼き、温度が下がる過程の還元で色の変化がおきる。焼成後、表面の珪石をワイヤーブラシで削り取るとこの地肌が現れる。かなりの試行錯誤の結果たどり着いたとのことだ。この地肌と自由でモダンなフォルムとの組み合わせが素晴らしい。
展示会場の方にはこの他に数点の作品があり、長さ1m近い壁掛けの花器も大変良かったがこっちの方は撮影禁止だった。

第21回テーブルウエア大賞

2013年02月05日 | 展示会

第21回テーブルウエア大賞のプロ部門に2作品が入選しました。出した作品はこの大賞のために作ったものでは無かったので入選には自分自身驚いたし、やはりうれしくもあった。今回、応募を勧めてくれた陶磁器デザイナーの栄木さんに感謝。発表会場の東京ドームで審査委員長の會田雄亮さんにほんの少しだがお会いすることも出来た。この作品を作りましたと言った所、「ああ、ほのぼのとした作品ですね。」と言ってもらえた。確かに、ほのぼのだなと思う。来年は狙って、大賞を目指したい。



展示会場では、昨年の大賞に輝いた兼行誠吾さん作品を見てビックリ。いわゆる蛍手の技法だけど、透明部分が穴ではなくて線。しかも本体の上と下が分かれている。どうやって作ったのか???これは陶芸におけるちょっとしたイノベーションだと思う。中に入れた食物の色が透けて見える利点があるとの説明があったが、それを見たかった。