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酒と音楽とPC

血は酒で出来ている(某声優談)。他の趣味はPC組み立てるのと音楽聴くのしかない。

TEAC HA-507 小型プリアンプ

2024-11-03 09:26:51 | オーディオ
以前TEACの小型プリアンプが欲しいと書いてしまったのでこの新製品に触れないわけにはいかない。遂にTEACの小型オーディオReferenceシリーズでプリアンプ兼ヘッドフォン・アンプHA-507が発売された。

しかし、文句はバリバリにある。なんですか?この価格設定は。ESOTERICならともかくTEACの看板で30万超えのプリアンプを買いますか?という話である。30万出すならそこそこのメーカーの製品にもうちょっとで手が届くのだ。パワー・アンプのAP-505も既に生産停止になっているそうでおそらく後継機のAP-507が準備されているのだろう。そして、価格は20万円以上であろうと予測できる。モノラル・アンプとして使わないと特別高音質ではないアンプなのだから40万円以上50万円コースである。ネットワークプレイヤー&ヘッドフォン・アンプの新製品UD-507も30万円以上にどんどん値上げ。NT-505の後継機種なのに値段が倍以上に膨れ上がっている。レギュラーサイズのUD-701と同価格帯とは恐れ入る。これでは製品がリニューアルされる度に上げ底や詐術的なパッケージでサイレント値上げしていくセブン&アイと同じではないか。ご存知のようにセブン&アイは市場のしっぺ返しを食らって大きくシェアを落とし買収の危機にさらされている。こういうやり方を客が喜ぶとでも思っているのだろうか。

DENON、Maranz、ONKYO、TEACなんてブランドはコスパ命だったはずだ。多くの人は本音ではAccuphaseやLUXMANが欲しいが値段的に手が届かない、筐体が大きすぎるからコスパの良いこれらのメーカーを選んでいたのだ。しかし、これらのメーカーは市場が縮小する中で利益を確保するためにどんどん値上げするという方針になってしまっている。コスパが最大の取り柄で無個性な製品しか作れないのに個性を競う高級市場で他のブランドと戦えるのか?現にONKYOは脱落してしまった。Panasonicも復活時から富裕層向けだしYAMAHAも高価格路線にシフト済みである。これらは大きな会社の一部門に過ぎないのだから売上が大きく伸びなくても何とかなるのだろう。

今は質が低く買ってもこんなものかとがっかりしてしまうレベルの廉価機、手が届かなくなった中堅機?というラインナップになってしまっている。中堅機の価格帯が10~20万から30万以上にシフトしてしまっているのだ。5万以下の廉価機はさすがにポータブルに及ばずお話にならないからオーディオ入門にいきなり50万円以上100万近くのコースということになる。国民民主党の玉木代表ではないが、手取りが少なくなっている若者がいきなり50万円出せるかという話である。オーディオに手を出さないか、ポータブルオーディオに特化する、コンポーネント・オーディオ市場に入門するとしてもコスパの良い海外製品や市場の情勢を敏感にキャッチし製品サイクルが早く気の利いたガレージ製品にシフトしていくのは当たり前に思える。この市場戦略を取る限り入門の敷居が高すぎて日本のコンポーネント・オーディオ市場は縮小の一途を辿るだろう。

高級機自慢ばかりして音質に拘りすぎた上の世代の責任も少なからずあるのではあるがこんなに入門の敷居が高いのではオーディオの世界は本当に小さくニッチな市場になってしまうだろう。日本の大手オーディオメーカーは自分で自分の首を締めているようにしか見えない。日本は確かに物価は輸入品の急騰でインフレしている状態だ。しかし、手取りと消費は縮小の一途を辿っているのである。その中で異常と言えるほど大幅に値上げするということは余計に売れないという市場のしっぺ返しを食らって当然だと思う。

HA-507の製品仕様にもHDMIが付かないとか細かな文句はある。ただし、HDMIを付けるなら多chに対応しなければ5.1ch、7.1chのソースで問題が生じるので敢えてHDMIを付けないという判断も見識であると思うようになった。ソースはマルチ収録であるしDACチップは8chまで対応しているのだからソースや製品を出す側は簡単に多チャンネル対応できる。しかし、ユーザー側はスペースの問題で多チャンネル対応は敷居が高すぎる。2chで使うであろう製品に5.1ch以上のソース前提のHDMIは食い合わせが悪いのは確かだ。中華や欧米の製品は取り敢えず付けているという状態なのだろう。今は過渡期であってコンポーネント・オーディオの世界も多chが標準にシフトしていくのだろう。作る側は多ch対応の準備済みなのだから。ユーザー側の受け入れを待っている状態だ。だが、そんなことはどうでも良くなるレベルで腹が立つ価格設定であった。この価格設定ではTEACのコンパクト・オーディオReferenceシリーズは入門機とは到底言えない。DENONMarantzも中堅機を30万円以上と想定しているようなのでTEACだけを責めるわけには行かないのだろう。D&Mの方はもうちょっと低価格帯の製品もある。しかし、安い機種は明らかに手抜き感を感じる力の入っていない製品に見えてしまう。D&Mも主力は最低20万超え、30万を標準的な製品と考えているのだ。しかし、内容的にはマイナーチェンジに過ぎないものが数年で2倍の価格設定になるのはどうにも納得がいかない。売れないから量産効果が落ちる、また値上げの悪循環を繰り返すのだろう。その間にポータブルやサウンドバーの世界は量産効果でどんどんコスパを上げていくのが想像できる。

*食料品の世界であるが、輸入米が大幅値上げされている。どう考えても国内米が不足して大幅値上げされた状況に乗じた便乗値上げである。もしかしてだが、日本のオーディオも円安で海外品が大幅値上げなのでこのぐらい値上げしても構わんだろう(ゲス顔)的な値上げなのではないかと勘ぐりたくなる。
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