ロシアの隣国ベラルーシの首都ミンスクで開催されたJGPベラルーシ大会。
優勝はアレクサンドラ・トゥルソワ、JGPファイナル進出一番乗りを決めた。第1戦と同様に高いスコアを獲得した。
(Gettyimages.co.jp Sorry for not embedding the image.)
左から荒木菜那(151cm)、アレクサンドラ・トゥルソワ(148cm)、スタニスラワ・コンスタンチノワ(166cm)
サーシャの髪の長さとスターシャの背の高さに注目! 日本の新ヒロインの菜那にも注目!
大会結果
順位 | 名前 | 区分 | 所属 | 得点 | SP | FS | 備考 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | A.トゥルソワ | J1 | ロシア | 196.32 | 1 | 69.72 | 1 | 126.60 | JGP2連勝、ラプンツェル |
2 | 荒木菜那 | J3 | 日本 | 183.00 | 2 | 62.98 | 3 | 120.02 | 愛知・「門ティ」の愛弟子 |
3 | S.コンスタンチノワ | J4 | ロシア | 181.98 | 3 | 59.85 | 2 | 122.13 | 心はシニアのスターシャ |
4 | キム・イエリム | J2 | 韓国 | 163.49 | 5 | 56.79 | 5 | 106.70 | 後半7ジャンプに挑戦 |
5 | 滝野莉子 | J3 | 日本 | 162.86 | 6 | 54.96 | 4 | 107.90 | 浪速のかっとび娘 |
6 | テッサ・ホン | J3 | 米国 | 149.14 | 4 | 59.61 | 7 | 89.53 | 後半6ジャンプに挑戦 |
大会結果サイト
出場選手ランキングサイト
表彰式に現れたラプンツェル(髪長姫、Tangled)
表彰台に乗るラプンツェル、国歌は歌うの?
ラプンツェルと王子の抱擁
(ジュニア男子で優勝した同じエテリ門下のアレクセイ・エロホフ選手18歳)
エキシビションでは空を飛んでいた
FCSpのフライングの瞬間
サーシャ(=アレクサンドラ・トゥルソワ)のエキシビション
プログラムは昨季のSPの「Your Heart Is As Black As Night」で、3Lz+3Tを跳んでいる。さすがに昨季のプロのように2A着氷後に右足だけでの連続ターンはやらなかったが、それでもエキシビションでも筋肉少女の本領を発揮した。背中ばっくりで腹や脇がシースルーの衣装も注目。
サーシャのショート・プログラム
FSSp4 CCoSp4 StSq4 / 3F(r)+3Lo Klimkin-Eagle 3Lz(r) 2A LSp4
演技開始位置へ向かう際の視線の向きが少し気になるトゥルソワだが、今回はリラックスできたのか前回より滑りがなめらかなようだ。ザギトワと違ってドキドキしないサーシャの3Fリッポン+3Lo。2Aはディレイしているのか。昨季のような2A着氷後の右足ターンの連続はないが、スケートしながら体操するような、ターンだの、キックだの、スパイラルだのを繰り出す身体能力には恐れ入りました。シニアに上がって体型変化して以降も続けてほしい。
エテリ組の選手を見ていると、つなぎの濃いスケートが好きになっていくのか? (今季中にターンをすべて見分ける目を持たなくては・・・)
「エースのシェルバコワに負けないように頑張れ」と昨季に応援を始めたが、急成長に驚いた。滅多に笑わない選手かと思っていたが、笑顔に心を撃ち抜かれた。時々見かける変な表情もいい。髪の編み込みは、自分で結ったのか、同僚のスターシャが結ったのか、それともデュダコフが結ったのか、誰が結ったのだろうか?
サーシャのショート・プログラムのTESの比較
No. | 要素 | 2017/9 JGPベラルーシ | 2017/8 JGPオーストラリア | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
Lv | BV | GOE | Lv | BV | GOE | ||
1 | FSSp | 4 | 3.00 | 0.64 | 4 | 3.00 | 0.64 |
2 | CCoSp | 4 | 3.50 | 0.71 | 4 | 3.50 | 0.43 |
3 | StSq | 4 | 3.90 | 1.10 | 3 | 3.30 | 0.64 |
4 | 3F+3Lo | 11.44 | 1.30 | 11.44 | 0.80 | ||
5 | 3Lz | 6.60 | 1.40 | 6.60 | 1.20 | ||
6 | 2A | 3.63 | 0.86 | 3.63 | 0.79 | ||
7 | LSp | 4 | 2.70 | 1.00 | 4 | 2.70 | 0.79 |
小計 | 34.77 | 7.01 | 34.17 | 5.29 | |||
TES | 41.78 | 39.46 | |||||
黄色は後半。 GOE: 2Aは+1.5点から-1.5点、 3回転ジャンプは+2.1点から-2.1点で評価する。 スピンは+1.5点から-0.9点、 ステップおよびコレオはレベルによるが+2.1点から-2.1点で評価する。 詳細はISU資料を参照。 |
JGP2戦目はステップもレベル4となり、GOEも上がっている。3F+3Loなど後半のジャンプとLSpで稼いでいる。
主な選手のショート・プログラムのPCSの比較
名前 | 大会 | PCS | (PCS素点の内訳) | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
SS | TR | PE | CO | IN | |||
コンスタンチノワ | '17/09 JGPベラルーシ | 28.40 | 7.00 | 6.96 | 7.14 | 7.11 | 7.29 |
タラカノワ | '17/09 JGPオーストリア | 27.94 | 6.93 | 6.75 | 7.21 | 7.00 | 7.04 |
トゥルソワ | '17/09 JGPベラルーシ | 27.94 | 6.89 | 6.93 | 7.07 | 7.00 | 7.04 |
テッサ・ホン | '17/09 JGPベラルーシ | 27.86 | 6.79 | 6.61 | 7.14 | 7.07 | 7.21 |
イム・ウンス | '17/09 JGPオーストリア | 27.69 | 7.04 | 6.64 | 7.11 | 6.86 | 6.96 |
山下真瑚 | '17/09 JGPオーストリア | 27.35 | 7.07 | 6.50 | 6.86 | 6.86 | 6.89 |
エミー・マ | '17/09 JGPラトビア | 27.32 | 6.64 | 6.68 | 6.86 | 6.86 | 7.11 |
紀平梨花 | '17/09 JGPラトビア | 27.28 | 6.93 | 6.75 | 6.68 | 6.89 | 6.86 |
パネンコワ | '17/09 JGPラトビア | 26.95 | 6.86 | 6.68 | 6.75 | 6.79 | 6.61 |
グリャコワ | '17/08 JGPオーストラリア | 26.57 | 6.79 | 6.46 | 6.82 | 6.50 | 6.64 |
荒木菜那 | '17/09 JGPベラルーシ | 26.31 | 6.79 | 6.21 | 6.71 | 6.54 | 6.64 |
トゥルソワ | '17/08 JGPオーストラリア | 26.11 | 6.50 | 6.39 | 6.71 | 6.54 | 6.50 |
SPのPCSはPCS素点を0.8倍した数値の合計。満点は40点。 FSのPCSはPCS素点を1.6倍した数値の合計。満点は80点。 |
トゥルソワのJGP2戦目は、わずか1か月で1.8点上昇。しかし、コンディションの違いによるものか、ジャッジの甘辛判定の違いか、順位点なのか? 本来シニアの試合に出場すべきコンスタンチノワがトップ。
サーシャのフリー・プログラム
4S(DG,fall) FCCoSp StSq / 3Lz(r)+3Lo 3F(r)+2T+2T 3Lz(r)+3T(r) 3F(r) 3S 2A FCSp CCoSp
JGP開始以降笑顔の絶えないサーシャが唯一クールビューティ―、捕食動物に戻る時間。
今回は4SはDGかつ転倒。かなり痛そう。しかし、エテリ組の真骨頂は1つミスしても崩れない事。残り6つのジャンプは全て成功した。
ケガから復帰したシェルバコワのほうがはやく4回転ジャンプ(4T)を跳んでしまうのか。日本の紀平、岩野、韓国のユ・ヨンも4回転ジャンパーではあるが、タラカノワ、紀平、パネンコワ、イム・ウンスなどの強敵の出場が予想されるJGPファイナルでも回避せず挑戦するのだろうか? 安藤美姫の4S認定は2002年のJGPファイナルの大舞台だった。JGPF出場者はロシア選手権(シニア)への出場も確定しているはずなので10月~11月に国際B級大会(ジュニアorシニア)に出場して挑戦するのか?
No. | 要素 | 2017/9 JGPベラルーシ | 2017/8 JGPオーストラリア | ||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Lv | BV | GOE | Lv | BV | GOE | ||||||||
1 | 4S | < | 4.40 | -2.10 | < | 8.10 | -1.37 | ||||||
2 | FCCoSp | 4 | 3.50 | 0.93 | 4 | 3.50 | 0.64 | ||||||
3 | StSq | 4 | 3.90 | 1.10 | 4 | 3.90 | 1.20 | ||||||
4 | 3Lz+3Lo | 12.21 | 0.80 | 12.21 | 0.80 | ||||||||
5 | 3F+2T+2T | 8.69 | 0.50 | 8.69 | 0.90 | ||||||||
6 | 3Lz+3T | 11.33 | 1.20 | 11.33 | 1.30 | ||||||||
7 | 3F | 5.83 | 1.20 | 5.83 | 1.00 | ||||||||
8 | 3S | 4.84 | 0.90 | 4.84 | 0.70 | ||||||||
9 | 2A | 3.63 | 0.86 | 3.63 | 0.80 | ||||||||
10 | FCSp | 4 | 3.20 | 0.93 | 4 | 3.20 | 0.50 | ||||||
11 | CCoSp | 4 | 3.50 | 0.43 | 4 | 3.50 | 0.36 | ||||||
小計 | 65.03 | 6.75 | 68.73 | 6.89 | |||||||||
TES | 71.78 | 75.62 | |||||||||||
黄色は後半。 GOE: 2Aは+1.5点から-1.5点、 3回転ジャンプは+2.1点から-2.1点で評価する。 スピンは+1.5点から-0.9点、 ステップおよびコレオはレベルによるが+2.1点から-2.1点で評価する。 詳細はISU資料を参照。 |
4SがDGとなった事に伴う減点を除けばGOEは僅かに上昇している。DGだと3回転と同じ基礎点になり少し痛い。失敗しても紀平さんの3Aより点を確保したいところ。
主な選手のフリー・スケーティングのPCSの比較
名前 | 大会 | PCS | (PCS素点の内訳) | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
SS | TR | PE | CO | IN | |||
タラカノワ | '17/09 JGPオーストリア | 59.45 | 7.61 | 7.21 | 7.54 | 7.43 | 7.36 |
コンスタンチノワ | '17/09 JGPベラルーシ | 58.46 | 7.39 | 7.14 | 7.36 | 7.29 | 7.36 |
山下真瑚 | '17/09 JGPオーストリア | 58.11 | 7.39 | 7.00 | 7.25 | 7.36 | 7.32 |
イム・ウンス | '17/09 JGPオーストリア | 57.23 | 7.36 | 6.93 | 7.18 | 7.11 | 7.18 |
紀平梨花 | '17/09 JGPラトビア | 57.02 | 7.07 | 6.96 | 7.25 | 7.04 | 7.32 |
トゥルソワ | '17/08 JGPオーストラリア | 56.50 | 7.07 | 6.89 | 7.18 | 7.14 | 7.04 |
エミー・マ | '17/08 JGPラトビア | 56.02 | 6.75 | 6.75 | 7.11 | 7.04 | 7.36 |
グリャコワ | '17/08 JGPオーストラリア | 55.91 | 6.96 | 6.57 | 7.14 | 7.14 | 7.14 |
トゥルソワ | '17/09 JGPベラルーシ | 55.82 | 6.89 | 6.89 | 7.00 | 7.00 | 7.11 |
パネンコワ | '17/09 JGPラトビア | 55.66 | 6.96 | 6.79 | 7.00 | 7.04 | 7.00 |
荒木菜那 | '17/09 JGPベラルーシ | 53.20 | 6.82 | 6.57 | 6.54 | 6.71 | 6.61 |
SPのPCSはPCS素点を0.8倍した数値の合計。満点は40点。 FSのPCSはPCS素点を1.6倍した数値の合計。満点は80点。 |
4回転のミスが影響しているから(?)か1戦目より低い。タラカノワとはかなりの開きがある。野生馬のようなタラカノワはTRも高得点で緻密な滑りが評価されている。後半3項目も高く、「荒ぶる神が憑依した踊り」も評価されている。
(シェルバコワはJGP第7戦までにエントリーがなく、JGPシリーズへの出場予定はないが、もし出場していたらどのような評価を受けただろうか。PCSモンスターと騒がれただろうか。足のケガの早期回復を願っている。学校には通学しているのかもしれない。)
ジュニア女子選手の総合得点の世界ランキング(Wiki)
ランク | 名前 | 所属 | 得点 | 大会名 |
---|---|---|---|---|
1 | アリーナ・ザギトワ | ロシア | 208.60 | 2017 世界ジュニア選手権 |
2 | アリーナ・ザギトワ | ロシア | 207.43 | 2016 JGP ファイナル |
3 | 本田真凜 | 日本 | 201.61 | 2017 世界ジュニア選手権 |
4 | アレクサンドラ・トゥルソワ | ロシア | 197.69 | 2017 JGP オーストラリア |
5 | アナスタシア・タラカノワ | ロシア | 196.68 | 2017 JGP オーストリア |
6 | アレクサンドラ・トゥルソワ | ロシア | 196.32 | 2017 JGP ベラルーシ |
7 | 坂本花織 | 日本 | 195.54 | 2017 世界ジュニア選手権 |
8 | ポリーナ・ツルスカヤ | ロシア | 195.28 | 2015 JGP ファイナル |
9 | アナスタシア・グバノワ | ロシア | 194.57 | 2016 JGP ドイツ |
10 | アリーナ・ザギトワ | ロシア | 194.37 | 2016 JGP フランス |
11 | エレーナ・ラジオノワ | ロシア | 194.29 | 2014 世界ジュニア選手権 |
12 | 紀平梨花 | 日本 | 194.24 | 2016 JGP スロベニア |
13 | アナスタシア・グバノワ | ロシア | 194.07 | 2016 JGP ファイナル |
ジュニア女子も190~200点が並ぶ凄い時代になってきた。サーシャもタラカノワ、紀平などと同様にJGPファイナルでは200点越えの可能性がある。ザギトワのJGP2戦よりも高いので、もしかしたら・・・
ナースチャ・グバノワはすごい記録を持っているのに、今季はJGP5戦目以降の補欠エントリーからもはずされ、JGPファイナル出場の可能性はなくなってしまった。orz Orz OTZ
書類選考だけなら確実に出場機会のなかった荒木菜那を選考会で見出し、JGPに出場させたスケ連はさすがだ。何かと批判を浴びる(?)スケ連のようだが、ジュニア女子については'15年JGPへの白岩優奈、'16年世界ジュニア選手権への本田真凜の派遣など良い人選をしている。
荒木菜那のコーチは「門ティ」こと門奈裕子コーチ(名東FSC)。ISUバイオのコーチ欄に記載はないが美姫も手伝っているらしい。
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トゥルソワ先輩、JGPファイナルも頑張れ!
名古屋はええよ、やっとかめ!みそカツとひつまぶしがおいしいよ。