ロシアのダリア・パネンコワ(ジュニア2年目)が優勝。
JGPデビュー戦となるパネンコワの演技が気になりつつも、優勝すると予想したのは紀平さん。しかしショート・プログラムがいかに大切かを確認した大会だった。
1位になっても浮かない表情のパネンコワと満面の笑みのエミー・マ(米国)
(Gettyimages.co.jp Sorry for not embedding the image.)
左から紀平梨花(152cm)、ダリア・パネンコワ(153cm)、エミー・マ(162cm)
ダーシャとエミーは公称値より背が伸びているのかもしれない。ダーシャが一番逞しい足? 眉毛の色も気になる。トーニャ・ハーディングに似ているの?
大会結果と動画
順位 | 名前 | 区分 | 所属 | 得点 | SP | FS | 備考 | ||
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1 | ダリア・パネンコワ | J2 | ロシア | 185.80 | 1 | 66.65 | 2 | 119.15 | JGP初出場、初優勝 |
2 | 紀平梨花 | J2 | 日本 | 180.46 | 6 | 55.05 | 1 | 125.41 | 日本のエース |
3 | エミー・マ | J4 | 米国 | 172.62 | 3 | 59.92 | 4 | 112.70 | PBを大幅に更新、馬さん |
4 | アリサ・フェジチキナ | J3 | ロシア | 171.98 | 2 | 63.48 | 5 | 108.50 | 成長期を乗り越えたか |
5 | 横井ゆは菜 | J5 | 日本 | 169.59 | 5 | 55.19 | 3 | 114.40 | ゆは菜も3Aジャンパー |
6 | アシュリー・リン | J2 | 米国 | 161.23 | 8 | 54.57 | 6 | 106.66 | PB更新、林さん |
過去にはSPでミスし、FSで逆転というケースもあったのかもしれないが、SPで10点以上差が開くとFSで逆転するのは難しい。紀平はフリーで1位となるものの、パネンコワがSPの貯金で優勝した。前回はステップがレベル4と認定された選手が4人いたが、今回は紀平さんのショート・プログラムのみだった。
大会結果の詳細
フリー・スケーティングの得点と内訳
順位 | 名前 | 所属 | 総合点 | TES | (TES内訳) | PCS | (PCS内訳) | 減点 | |||||
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BV | GOE | SS | TR | PE | CO | IN | |||||||
1 | 紀平梨花 | 日本 | 125.41 | 69.39 | 65.19 | 4.20 | 57.02 | 7.07 | 6.96 | 7.25 | 7.04 | 7.32 | 1.00 |
2 | パネンコワ | ロシア | 119.15 | 65.49 | 59.17 | 6.32 | 55.66 | 6.96 | 6.79 | 7.00 | 7.04 | 7.00 | 2.00 |
3 | 横井ゆは菜 | 日本 | 114.40 | 61.11 | 56.65 | 4.46 | 54.29 | 6.86 | 6.43 | 6.89 | 6.86 | 6.89 | 1.00 |
4 | エミー・マ | 米国 | 112.70 | 56.68 | 52.09 | 4.59 | 56.02 | 6.75 | 6.75 | 7.11 | 7.04 | 7.36 | 0.00 |
5 | フェジチキナ | ロシア | 108.50 | 55.19 | 52.29 | 2.90 | 53.31 | 6.68 | 6.46 | 6.57 | 6.82 | 6.79 | 0.00 |
6 | A・リン | 米国 | 106.66 | 55.74 | 52.16 | 3.58 | 50.92 | 6.29 | 6.21 | 6.46 | 6.36 | 6.50 | 0.00 |
参考 |
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*1 | トゥルソワ | ロシア | 132.12 | 75.62 | 68.73 | 6.89 | 56.50 | 7.07 | 6.89 | 7.18 | 7.14 | 7.04 | 0.00 |
*2 | タラカノワ | ロシア | 130.00 | 70.55 | 61.85 | 8.70 | 59.45 | 7.61 | 7.21 | 7.54 | 7.43 | 7.36 | 0.00 |
*3 | グバノワ | ロシア | 133.77 | 71.27 | 60.22 | 11.05 | 62.50 | 7.71 | 7.64 | 7.96 | 7.82 | 7.93 | 0.00 |
*4 | 本田真凜 | 日本 | 133.26 | 70.68 | 60.38 | 10.30 | 62.58 | 7.96 | 7.54 | 7.93 | 7.75 | 7.93 | 0.00 |
*4 | ザギトワ | ロシア | 138.02 | 75.81 | 64.01 | 11.70 | 62.21 | 7.75 | 7.54 | 7.82 | 7.89 | 7.89 | 0.00 |
*1 '17 JGPオーストラリア *2 '17 JGPオーストリア *3 '16 JGPファイナル *4 '17 世界ジュニア |
紀平さんTES、PCSともエースにふさわしい内容
2A(3.30点)に比べ高い基礎点の3A(8.50点)を含む紀平のBVはトゥルソワのBVに迫り、世界ジュニア選手権のザギトワのBVを超えている。紀平は昨年に比べジャンプだけでなく表現技術に磨きがかかっており、PCS各項目で高い評価を得ている。しかしIN(=Interpretation of the Music、曲の解釈)で紀平を上回ったのは「オペラ座の怪人」を舞った米国の成長株・エミー・マだった。
パネンコワ
ショート・プログラム
FSSp4 StSq3 / 3F(r)+3T(r) 3Lz(r) 2A(t) LSp4 CCoSp4
エテリの点取りロボットの登場? いいえ!悲しいはずの「夢やぶれて」を元気よく踊り(=エテリ式の曲の解釈?)、昨シーズンに比べて滑りはなめらかなようです。前回までのお子様2人に比べてお姉様のしっとりと落ち着いた滑り。
少しドスンドスンのイメージがあったが、今シーズンはジャンプの着氷もよい? 3F(r)+3T(r)はジャンプが高くてよし(GOE+1.30)!3Lz(r)もよし(GOE+1.40)、見ていて気持ちの良いジャンプ!2Aも後ろ向き(RB)のスパイラルからカウンターで前を向いて(RF)、その足(RF)ですぐジャンプ。
スピンは体が硬い子が頑張ってスピンしましたという感じもするが、シットスピンもビールマンスピンなども、よく頑張っている!3つともレベル4!
抜群の安定感で「私、失敗しないので」を演じきった。
フリー・スケーティング
CCoSp4 StSq3 / 3Lz(r)+3T(r) 3F(r)+1Lo+2S(r) 3Lo(r)fall 3Lz(r) 3F(r)+2T(r) 2A(t) 2A(t) FSSp4 FCCoSp4
ダーシャ惜しかった。ジャンプのミスがなければ、全部後半、全部リッポン(またはタノ)のジャンプに、日本のスケートファンが驚き、恐れ、3Aを跳んでもロシア・エテリチームには勝てないのかと絶望感に打ちひしがれ、ウエルバランスに反すると批判する一派が大騒ぎするほどの印象を与えたかもしれないが、そうはいかなかった。少し残念。
セリーヌ・ディオンの「Ne me quitte pas(私をおいて行かないで)」は継続。
3Lz*2回、3F*2回をきちんと組み込む構成は大好きです。ダーシャは3-1-3より3-3のほうがしっくりくる。3Lz(r)はいつ見ても気持ちいい。最後の2A*2回はいちおう「Ne me quitte pas(行かないで)」の歌詞にあわせて跳んでいるのか?
詳しいかたによるとパネンコワは約2年ぶりにジャンプで転倒したとのこと。メドベージェワはジャンプの成功率が95%らしい(?)ので、それ以上の成功率だったのか。弘法にも筆の誤り?
しかしJGPのような大きな国際大会には初出場なので、そろそろ失敗するのではと思っていた。昨年のザギトワさんのように1戦目という気楽さもなく、お子様2人と同様に1位にならなくては、というプレッシャーがあったのでは。
スピン、ステップ、スケーティングはそれほどすごいという印象はなかったが、体が硬いわりに?スピンの出来もよく、3つともレベル4だった。スケーティング(SS,TR)も高評価。
減点2!
ジャンプ転倒時にブレードが氷から離れてしまった減点に加え、時間オーバーでも減点。
こういう細々としたミスは、モスクワに帰ったらエテリにネチネチとご指導ご鞭撻を賜るのだろうか。表彰台でも冴えない顔をしている。
それほど際立ったジャンパーでもなく、卓越したスケーティングスキルを持つわけでもない平凡な(?)選手が、メソッドと情熱と練習によって、体型変化を乗り越え、ここまでできるのだ!という事を示す生きた見本のような気がする。シニアに上がる頃にはさらに体型変化してパワーアップするのだろうか?
(全部後半ジャンプに見慣れているものの、連続ジャンプ1つは前半に、ステップは後半に実施するというルールでもよいかも…)
情熱の赤、FSのラストは髪留めをほどき口紅をぬぐうポーズ
今日も髪を結っているの、気づいてくれたかしら?
碧い瞳のダーシャは「私をおいて行かないで」なんて言わないほど強いよなあ…
紀平梨花
FSは、3Aは惜しいがそれ以外はジャンプ、スピン、ステップ、スケーティングすべてで日本のエースらしい演技を披露した。パネンコワより体が軽く細い分、ステップは足も腰もよく動いている印象がある。しかしレベル3なんだ!?
昨年は3A以上に6種8回披露した3回転ジャンプの完成度に驚き、今年はスケーティングにも驚いた。唯一残念なのは調子に波がある事が変わっていないこと。昨年は全日本ジュニアで良い演技ができなかったので、世界ジュニア選手権に出場できなかった。今年は大いに期待している。
一番印象に残ったレイバックスピン(LSp)はウクライナのアナスタシア・アルヒポワ(Anastasiia ARKHIPOVA)さんのもの。FSではレベル4+GOE1.07。SPではレベル4+GOE1.43だった。またエミー・マのSPのLSpはレベル4+GOE1.29。
今大会で、(ジャンプを除く)スピンと滑りを魅せたのはこの選手。
エミー・マ(米国、ジュニア4年目、2001年1月19日生、ボストンSC)
PBは17年2月のチャレンジ杯148.73点(国内157.12点)から今回172.62点に大幅に上昇。3-3ジャンプが跳べていたら優勝していたかもしれない。
フリーは「オペラ座の怪人」。すばらしい滑りと舞い。
ジュニア4年目というのが気になるが、同じスケート年齢(2001年1月21日生)のカナダの田村紗楽も少し前に3-3ジャンプをマスターしたので、この選手も頑張ってほしい。
1枚目は満面の笑顔、2枚目は日本人選手と、3枚目はキスクラで驚く自身の動画
表彰式
デジタル国旗掲揚式ではなく今回も布の国旗を掲揚。詳しいかたによるとメダルを授与した年配の女性はラトビア・スケ連会長のマリカ・ヌグマノワさん。エリザベータ・ヌグマノワの叔母とのこと。え!? リゾンカも将来はこんな雰囲気になるのかな?
モスクワに帰ったらエテリにこってり絞られるの? 優勝したのに笑顔がない。エテリには「順位や得点ではなく、プログラムの完成度が重要よ!」と叱られるのだろうか。
モスクワ(?)から現地に応援しに来たパネンコワのママの写真→VK (VKontakte, ВКонта́кте)
ジュニア女子の競技はシニアのように完成度が高いわけではないけれど、ジャンプのレベルは高く、とても面白い。甲子園の高校野球を見ているように、ワクワクしますね。
誰かに似てると思ってました
西崎みどりかなあとか。
彼女は小さいトゥルソワやタラカノワよりもさらにさらに顔が小さいですね。一番の小顔さん。ずっしり重たい太ももと頑丈な胴体に見えますが顔が小さすぎるからこそ余計になのかもしれません。
エテリは暗い雰囲気を作らせるのが好きですよね。
わざわざ、くら~くおもいつめたよ~な顔芸をさせる。
とんでもなくしつこいです笑
キヘイさんはにかっと笑顔でスタートしてずっと笑顔の顔造り。それもそれでしんどそう。イタリア戦でステップで転んだのににかっにかっと笑顔を作っていたのは痛々しかった。よく頑張りましたね。ジュニアの選手たちは人間性が直に感じらせて胸に痛いです。
西崎みどりさんは不勉強なので検索してしまいましたが、
パネンコアは小顔で青い瞳がきれいな美人です。
11月10日からのロシア国内大会(ロシアカップ第4戦、シニア)に出場予定です。コストルナヤ、サモドゥロワも出場するようです。