きのつらゆき(Kino_Tea)

紀貫之のごとく、気の向くままに、つらつらと、(書いて)ゆきましょう。
ブログというより備忘録。スケート関連多い。

世界ジュニア選手権2018のトゥルソワ先輩 (Trusova makes history)

2018-03-12 | Skating

歴史の扉が開く瞬間を目撃した。眠い目をこすりながら「丑三つ時」に。

wj 2018 podium
(Gettyimages.co.jp Sorry for not embedding the image.)
左からアリョーナ・コストルナヤ、アレクサンドラ・トゥルソワ、山下真瑚。
(トゥルソワはラプンツェルに憧れ、髪は一度も切っていない。)

ショートプログラムでコストルナヤをわずかに上回ったトゥルソワが、フリースケーティング(FS)で4S、4Tをクリーンに跳び優勝。4Sは2002年Jr.GPファイナルの安藤美姫以来2人目、4Tは世界初認定。

4回転の他に3回転の連続ジャンプを3種類跳び、総合得点とFS得点はザギトワの持つジュニア世界最高点を更新、FSのTESの92.35点はザギトワなどのシニア選手を10点近く上回る世界最高点を記録した。



大会結果

順位名前年齢所属得点SPFS
1 トゥルソワ 13 ロシア 225.52 1 72.03 1 153.49
2 コストルナヤ 14 ロシア 207.39 2 71.63 2 135.76
3 山下真瑚 15 日本 195.17 3 66.79 3 128.38
4 コンスタンチノワ 17 ロシア 186.35 6 62.63 5 123.72
5 イム・ウンス 15 韓国 185.12 5 62.96 6 122.16
6 横井ゆは菜 17 日本 184.78 8 59.81 4 124.97
7 ティン・クイ 15 米国 180.39 7 62.22 7 118.17
8 紀平梨花 15 日本 175.25 4 63.74 9 111.51
9 ユ・ヨン 13 韓国 171.78 9 59.79 8 111.99

大会結果サイト


フリーの演技を見る前に、ジャッジスコアを見てみる。

冒頭で2本のクワドジャンプを跳んでいる。4Sは余裕をもって、4Tはやや詰まり気味だが加点のつくジャンプだった。スピンもキャメル、コンボ2つの基礎点の高い構成。
3回転のジャンプは「+3T」に加え「+3Lo」「+1Lo+3S」という連続ジャンプを跳び、基礎点だけで他を圧倒する構成で挑んできた。

5番目のエレメンツは下記のように3Lz+3Loの連続ジャンプを予定していたが、瞬時の判断により3Lz単体ジャンプにしたのだろうか、それでも加点が1.7もつく出来だった。その後も3Lz+3Loを含め、ジャンプの規定(ザヤックルール)に違反する(=織田る)ことなくしっかりと連続ジャンプを決めていった。

#予定実行
5 3Lz+3Lo 3Lz
6 3F+1Lo+3S 3F+1Lo+3S
7 3Lz+3T 3Lz+3Lo
8 3F 3F+3T

スピンは全てレベル4、ステップもショートはレベル3だったがフリーではレベル4を取っている。トランジションもコストルナヤに対して遜色はないのではないか。

トゥルソワFS

あまり緊張感を感じさせない表情のトゥルソワ。身長が少し伸び、それに比例して筋力がついたことで4回転ジャンプを回りきれるようになったのか。
演技終了後のキスアンドクライでのグレイヘンガウス(コーチ兼振付師)との和やかな雰囲気がよい。

トゥルソワSP

活きの良い魚がぴちぴちと跳ねるような演技。音楽も明るくトゥルソワのイメージにとても合っている。3F+3Loを含め失敗する気がしない。ステップはレベル3だったが、キスアンドクライでの表情を見ると75点くらいを目指していたのだろうか。

コストルナヤSP

すこし大人の演技を。哀愁の「Adios Nonino」を。
トゥルソワより10か月年上のコストルナヤ、しかし同じジュニア1年目。美人モデルに見えるが身長はトゥルソワより数センチ低い。滑り、スピン、ジャンプの全てで力みが無く、エフォートレスでシームレスな演技。スピンの動作は(下手っぴなトゥルソワとの)違いがよくわかる。ジャンプはトランジションが豊富で「+3T」のリッポンジャンプが高く細くきれいに見え、勢いもある。

コストルナヤFS

メドベージェワの上位互換となり、コストナーを超えるスケーティング能力を持つ予感がするコストルナヤにも課題点はある。3Lzのエラーや着氷の乱れ、ステップが意外にレベル4が取れない事。「鉄が熱いうち」の15歳までに3Lzもしっかり跳べるようにしてほしいが、あまりトゥルソワの高難度ジャンプを意識する必要はないのではないか。

女子選手が高難度ジャンプを跳べるのは、体が軽い15歳くらいまで。シニアに上がってからはよほど調子が良くなければ高難度ジャンプを跳び続けることはできない。トゥルソワも例外ではない。ジャンプに苦悩する時がいずれやってくる。五輪は4年後、トゥルソワ17歳、コストルナヤ18歳で挑戦するのだからジャンプがピークアウトすることも考慮すれば、コストルナヤに勝機がある。


表彰式

国歌を歌ったラプンツェル。髪長姫のスタイルはJGP2戦目から。

トゥルソワのFSのTESは(シニア選手を含めて)世界最高点(出典Wikipedia)


トゥルソワのFS得点は歴代8位(出典Wikipedia)



トゥルソワのFS得点のPBの比較では歴代3位(出典Wikipedia)

トゥルソワの総合得点PBは歴代5位(出典Wikipedia)


トゥルソワ
Trusova WJC SP
(Gettyimages.co.jp Sorry for not embedding the image.)Trusova WJC SP2

コストルナヤ


(Gettyimages.co.jp Sorry for not embedding the image.)

トゥルソワ
Trusova WJC FSTrusova WJC FS2
Trusova WJC FS3Trusova WJC FS4
Trusova WJC Victory
Trusova WJC Victory2Trusova WJC Victory3
(Gettyimages.co.jp Sorry for not embedding the image.)

トゥルソワ先輩、それはチョコレートではないのですよ?ケガに気を付け、スケートを楽しんでください。「今度は3Aと4Lz」というのは本当ですか???




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