シニア留学風土記

リタイア後、日本を脱出して世界を散策したいと旅立つ。英語生活の勉強も兼ねている。その様子を書き綴る。

神話比較(4)

2008-10-14 11:55:04 | Weblog
 20分内外でいつも書かなければならないので、毎回舌足らずになった。
 
-アボリジニ-ドリーム時代-    -日本の古代-
(4~5万年前)           (1万3千年前)
200以上の言語、700以上の方言
即ち少なくとも200以上の部族     縄文の人々と部族がいた
他の種族はまだやって来ていない  弥生の人々と部族が来た
-たくさんの神話が生まれた-   -古事記の中で神話が説かれた-

(350年前)            (150年前)
イギリス人がやってきた     明治維新(開国の時代)
西欧化の波             西欧化の波

以上のスキーマでアボリジニと日本の神話の違いが解けると考えている。
アボジリニの場合、数万年を経て突然近代がやってきたのである。そこでの混乱は大きなものであったろう。それまでは波風がなく穏やかに同族の暮らしだけだったのである。神話が○○退治でないのはそこに起源がある。
日本では古代のうちに大陸から別の種族(弥生人)が来ていて、すでに大きな勢力争いがあったのである。古事記は、大きな争いのあと、一つの権力が樹立された後に書かれたものである。読者は誰であったか。天皇ただ一人であった。

 明治維新を興味深く思うのは、革新派だった下級武士が掲げたスローガン「尊皇攘夷」を江戸期の天皇は「攘夷」は強く主張していたが、政治は徳川幕府が続ければよいと考えていた。
 けれど時代は変わって明治になると「尊皇攘夷」を謳って権力の座についた反幕府の人々は急に「尊王」ではあるが「開国」派に変わったのである。それが「ねじれ」というものである。そして急激に西欧化した。
 「尊王」というときに持ち出されたのが「古事記」であり「日本書記」であった。「万世一系」だと。だからつなげて理解しなければと思ったのであった。

 日本の神話には時の勢力の支配を正当だとする意図が働いている。
 アボリジニの神話にはそういうものはない。

詳細の研究のためにいずれ古墳などの調査が許可されなければならないだろう。