11月1日、メドベージェフ露大統領の国後島訪問を受けて、政治的
な緊張が高まる日露関係について、同国経済紙は15日の社説で、
日露平和条約の締結と領土問題解決が急務だと述べた。
さらにこれに向けた具体的な 「ロードマップ」 の策定を提言してい
たという。
具体的には、「第1段階として、歯舞群島と色丹島を日本側に引き
渡すか、共同統治する」 という選択肢もあり得ると述べたようだ。
さらに同紙は、中国に比べて日本の方が、極東での国際バランス
を保つため、将来的に好ましいパートナーである。。 として、同国
政府に日本との関係強化を促したようだ。
ロシア経済は金融危機後、やや上向き始めているが、これは一時
的な反動に過ぎない。
何しろ中国上海株価指数の下落を上回る落ちぶれで、もはや新興
国の代表格といわれるBRICs諸国の中から、事実上除かれている
ような状況、存在だ。
そのロシアが中国より日本との友好が先決だとしている。
ロシアが北方領土を事実上支配し、日本側に譲歩しない理由はいく
つかあるが、いまだかって報道されていない大きな理由としては、
もし北方領土を渡したら、日本が軍事基地の一角として米軍を
常駐させるのではないかという不安があるからだ。
だから広い国後島や択捉島の返還は応じず、色丹や歯舞諸島
なら返還してもいいと言っているのである。
そんな政治的な色合いとは対照的に、一般のロシア国民は親日だ。
これはある意味で中国と同じなのかもしれない。
政府の役人は嫌日だが、一般国民はその逆といっていい。
ロシアでは日本文化が隅々まで行き渡っている。
ロシアでの日本食は大変な人気だし、西側と同じく、アニメといった
文化も浸透している。
日本のマスコミは政治的にも、ロシアの日本ブームを紹介しようと
しない。
理由は完全に米国資本に支配されているからだ。
今後は欧州と米国の経済的衰退で、ロシア経済もますます混迷を
深めていくだろう。
確かに中国と同様、政治的なリスクは小さくない。
ロシアは日本とは比較にならないほどの中央集権国家である。
大統領一人で地方の役人を全て動かせる。
中国はどちらかといえば地方分権だ。
今、中東諸国は有限資源である石油が掘り尽くされば、国家は成り
立たないことから、先進国からの環境対策に力を入れている。
これはロシアも同様だが、日本や西側諸国から対立しているため、
これらの国からの投資やアイデアが入ってこないのである。
80年代半ばまでは、単純な経済規模で米国に次いで2位であった
ロシアが、今では10位にも入らない。
将来に向けてのロシアの栄光は、豊富な資源を有効活用し、国民
の雇用を増やす政策が急務であろう。
まさにそのカギを握っているのが日本との協力関係構築である。
★シティアライアンス 代表兼 「ヒルザー・ドットコム」 運営者