心理テストの活用・・・その1「SCT」。
「質問紙」というと一般には、イエス・ノーで応える“閉じられた質問”パターンが大半です。これは答えやすく、また質問者側も集計がしやすいため、多く行われているものです。しかし、この質問方法は、質問者側の意向に沿った回答が作られる恐れがあり(新聞社の世論調査などは、この不信感があります)、またハイ・イイエや用意された回答に限定され、それ以上の回答者の深層は聞くことが出来ません。
そこで、自由回答法・自由記述法(回答者に質問の答えを自由に書いてもらう方法)が必要となってくるのですが、この方法では回答がまちまちとなり、質問者が欲しい回答が得にくくなってきます。そこで、これらの問題を補完する質問法「文章完成法 SCT」の質問方法が有用となってきます。たとえば「私が今欲しいものは( )。」「TVのCMは( )。」と文章を完成してもらう方法です。この方法で、こちらの聴きたい枠組み内での回答者の自由な思いが獲得され、人の深層心理まで踏み込むことが可能となります。
次回は、「購買心理は、トロイ戦争?」 をお話します。
参考文献: 佐野勝男 横田 伝共著 1991 「精研式 文章完成法
テスト解説ー成人用(新訂版)金子書房
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