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Swallowtail

着物のこと。歌舞伎のこと。
私のもとにやってきた小さな命のこと。
新米ママが綴る日々の徒然☆

「初代中村吉右衛門展」

2011年07月01日 | 歌舞伎
プロフィールにある通り、歌舞伎&きものが好き。

もともとこのBlogも歌舞伎の観劇記録や、きもののお稽古の記録をしておきたくて始めたんだけど、

私のBlog=そのときどきの私の興味のあることで埋まっていくというわけで、

たまにする更新も最近は育児のことばっかりです。


出産後は、当たり前だけど歌舞伎も見に行ってないし、
きものにいたっては引っ越しの際にダンボールにつめたままになっている。
(半年後にまた引っ越しを予定しているからあえて空けてないのだけど、
そろそろ「風通しさせよう」といいつつ引っ張り出してきそうな予感)


最近は育児にどっぷり。
どっぷり、というか、もう夢中です。
これほどママ業にハマるとは、我ながら。
ちょっと想定外、というくらい、夢中です。

いまプロフィールを書くとするなら
「趣味=娘、特技=授乳」
って書くだろう、私。確実に。


6月の新橋の夜の部も、吉右衛門さんの団七九郎兵衛だったのを知ったのも、
初日を大分過ぎてから。
公演の二ヶ月前に発表される公演情報のチェックを欠かさなかったのだけど、
すっかりそのスケジュールさえも忘れてました  

そんな感じだけど、心はいつでも歌舞伎ファン。
公演どころか、TVの出演すら見ない(見ようと思えば見れるけど見てないので)けど、
役者さんたちの情報を見るだけで結構楽しいものです。

特に震災のチャリティー公演は玉三郎さん、菊之助さん主催のものや、
幹部陣が出演する公演もあり(詳細が明らかになっていないらしい)
内容も併せて、どんな内容になるんだろう~?と考えるだけでわくわく。

歌舞伎のDVDもいろいろ家にあるんだけど、なかなかまとまった時間がとれなくて見てないので、
いまはそのくらいの楽しみ方しかできませんが、
毎日寝る前は、いつかは帰るから待っててね!と歌舞伎の神様にご挨拶
...っていうのはウソですが、ほんと、いつかまた見に行こ!って思ってます。

前置きが長くなりましたが....久々に歌舞伎のこと。

明日から早稲田大学演劇博物館で「初代中村吉右衛門展」が開催されます。

歌舞伎美人でのお知らせはこちら→ 

でね、なんと会期中に、吉右衛門さんが講師の講座があるんですって↓

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◆関連演劇講座2◆
初代吉右衛門映画祭II-初代吉右衛門と秀山祭 上映会「盛綱陣屋」(昭和28年)

日時:2011年8月2日(火)14:00~17:00(開場30分前)
会場:早稲田大学大隈記念大講堂
講師:中村吉右衛門(歌舞伎俳優・芸術院会員)
聞き手:児玉竜一(早稲田大学教授)

<歌舞伎美人より引用>

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早稲田大学、ものすごく近所なんですよね.....

大好きな吉右衛門様の講座とあれば。
コレはさすがに。

あああ~ッ!行きた~い~っ!


子連れ、無理だよ。分かっているよ。
でもエルゴで娘を前抱きして大隈講堂でちんまり座っている自分を想像してしまった。

いやいや、冗談、冗談
.....といいつつ、講演帰りの播磨屋さんと道で出くわすなんていう自分もおまけに想像してしまった。


諦めの悪い私。

想像の中くらい、いいのだ。
ものすごく好きなものがあるお母さん、素敵じゃないか!
夢見る頃を過ぎても?いやいや、一生夢見て暮らせばいいのだ!


で、現実のほうは。

演劇博物館での企画展示、お散歩ついでに行けますように

このぐらいの慎ましいお願いであれば、歌舞伎の神様のみならず
ママの神様(って一体?)も許してくれるに違いない。

顔見世といえば。

2010年12月09日 | 歌舞伎
テレビでは、海老蔵暴行事件関連の報道が過熱の一途。
寝ても醒めても海老真央の話題ばかりです。


座頭公演が中止になるなんて、無責任以外のなにものでもない。
私は、特に海老蔵贔屓というわけではないけれど、
今回の出来事は、一歌舞伎ファンとしては寂しいかぎりです。



このニュースを始めて聞いたときに思い出したのは、
今年8月にNHKで放映された「プロフェッショナル仕事の流儀」の内容。

番組では、ロンドン公演に向けてストイックに芝居に打ち込む姿が紹介されてました。
キレの良い芝居をするために体のコンディションを整えることを目的として、
タバコもお酒もやめたり、食事も毎日決まったメニューを摂っていたり、
ものすごい情熱を傾ける姿が映し出されていました。


「客が入るのが良い役者」とはよく言うけれど、
姿が良いことも歌舞伎役者にとっては大事な素質の1つで、
彼は生まれ持った「華」に恵まれています。

だけど、こんな情熱を注ぎ続けて芸を磨いていけば、
「姿が良い」だけじゃなくてすごい芝居のできる役者になるんじゃないか?

と、番組を見ていてワクワクしたのだけど....

予定されていた記者会見(しかも自身の座頭公演の!)をキャンセルしたうえで
飲みに行き、酩酊するほど酒を浴びるというのは本当に浅はか。
番組でかっこいいこと言っちゃった分、謝罪会見の姿は哀れでした。


口先だけ、ポーズだけじゃなくて、ここでびしっと本当に生き方変えて、
役者として出直す覚悟にしないと、かっこ悪すぎですよ...
「人生修行」「人生修行」って、便利な魔法のコトバとして使うんじゃなくて、
これを機にビシッと筋の通る役者になって帰ってきてほしいものです。

初春の座頭公演が中止になり、どうなるかな?と思っていたら、
代わりに玉三郎丈の特別公演となったことが発表されました。
歌舞伎美人「1月ルテアトル銀座公演情報」
演目は阿古夜(ん~!見たい!)
相手役はやっぱり....?
ん?最近一緒のご出演、多くないですか?

玉三郎丈が一肌脱いでくれて、騒動のご当人はまさかありがたいとか思ってるんじゃないだろうか...
迷惑かけて心底恥ずかしいことだと反省してほしいです。


ところで、この事件が起こったとき、
歌舞伎好きの父にメールで「海老蔵にはがっかりしたね~」とメールしたら
「海老蔵はもうどうでもいい。」という返信が...

父も前述の「プロフェッショナル」を見て、これから期待したい、
って言ってただけに呆れてしまったらしい。
(長年の歌舞伎好きにこんなこと言わせちゃ駄目だよね~)


で、南座の顔見世で、海老蔵代役が仁左衛門丈&愛之助丈と決まり
ますます見に行きたくなったよ~、と言う私に、

「南座の顔見世もいいけど、赤ん坊の顔見世には叶わない。
どんなカンバセで現れるかが楽しみ」

ですって!

(カンバセ、っていうのは「面構え」のことですよ)

今から親バカ(祖父バカか...)してくれて、
産後が楽しみでございます。





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プラズマクラスターのCM♪

2010年11月13日 | 歌舞伎
中村吉右衛門さまがプラズマクラスターのCMにご出演

SHARPのCMライブラリー

役者さんって、楽屋着というのでしょうか?浴衣の上に着物をお召しになりますよね。
かっこいいです...

しかし、このCM15秒たらず。ほんの一瞬!
ロングバージョン作ってほしいです。
とはいえ....ファンとしては思わず。
買います...っ!プラズマクラスター




そういえば、明後日から京都南座のチケットの一般発売ですね!
「そういえば」というほど、すっかり歌舞伎から離れている最近は15日もフツウの日と同様に過ごしてます。
一時期は、チケット一般発売日の15日は朝から臨戦態勢だったのに!

南座の顔見世は毎年人気だそうですが、
歌舞伎座建替中、東西人気の役者さんが顔をそろえる今年は
さらにさらに盛り上がりそうですね。

なんたって、吉・玉・ニザさま
若手の花形、西の愛之助丈、東の海老蔵丈....


播磨屋ファンの私的には
昼の部・吉@寺子屋の松王
夜の部・仮名手本忠臣蔵の七段目、吉@大星由良之助&玉@遊女おかる
は垂涎。


あ~、芝居観たいです~。
着物でおめかしして。
年末の気分満喫したい・

臨月妊婦は、もちろん自粛しますけどね....

でもでも!せめて盛り上がりを感じたい!
ってことで。
松竹のサイトでチケットの売れ行きをチェックはしちゃいます。



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雨の日本橋。雨の木挽町。

2010年10月28日 | 歌舞伎
今日参加したマタニティイベント、会場が三越劇場だったんですよね。


場所柄、ついつい歌舞伎ファン目線になってしまう私。

この劇場、座席数514席ですよ。
一階席のいちばん後ろでも17列目!
このくらいの規模のハコでお芝居見たらすごい迫力だろうな~。
ここ何年かは三越歌舞伎、やってないみたいですね。
さすがに歌舞伎座さよなら公演中は他の座館での公演も少なかっただろうし。


海老蔵さんご出演の1月初春花形歌舞伎の、ルテアトル銀座は750席....28列かあ。
一階席しかないから後方列は厳しいとしても、それでも舞台が近く感じるだろうな。
でも時の人だし、お正月だし、チケット争奪戦熾烈になりそうですね。

ちなみに、歌舞伎美人のサイトを見てみると、仮花道作るみたいですね。
オペラ座公演のときみたいに、斜めに板を渡してその上を飛び六法で引っ込むのはやっぱりツラいのかしら。


などなど芝居小屋にいる気分で周りを見渡してしまいました。


イベント終了後、ちょっとのぼせちゃったのか暑かったので
クールダウンするために外を散歩。

そしたらいきなりこんなものが目に付いた。(小さくて見づらいですけど)



本日オープンのコレド室町に「歌舞く日本橋」というコピーとともに幸四郎さん演ずる勧進帳の弁慶が。

帰ってきてから調べてみたら、コレド室町のオープニングイベントも幸四郎さんプロデュースなんですね。

私はTVで見たことなかったけど、こんなCMもあるんだ~。



そういえば三井不動産のCMも幸四郎さん出演してますもんね。



そして今日、真冬のような雨の中、木挽町では五代目歌舞伎座の起工式が行われていたそうです。
毎日jpの記事へのリンク
見事に更地になってます。やっぱりこの光景見るのは寂しい。

この記事書いてる小玉祥子さんって、確か『二代目 聞き書き中村吉右衛門』を書いた方....。


そんなことばっかり考えて、今日は久々に歌舞伎モード。久々に芝居が見たい....



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松井今朝子 『仲蔵狂乱』を読んで

2010年10月20日 | 歌舞伎
仲蔵狂乱
仲蔵狂乱
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松井 今朝子 講談社 売り上げランキング: 539002
おすすめ度の平均: 5.0
5 生き生きと描かれている登場人物5 歌舞伎に馴染みがなくても5 繰り返す天国と地獄5 感動!!


江戸時代中期の役者、中村仲蔵。
歌舞伎好きならその名を聞いたことがない人はいないだろう。
稲荷町から名題へと登りつめた名優として名高い役者がこんな波乱の人生を送ったということに驚いた。


孤児だった仲蔵が、長唄の唄うたいである養父と踊りの師匠の養母の夫婦に引き取られたことから、
中村勘三郎の門下となり、芝居の世界に入ることになる。
無償の愛に育まれる実子のような自由な幼少期ではなく、
芸を磨くことによって親へ報いるという気持ちがあったようで、
このことが仲蔵の性格形成におおいに影響したのではないか。
青年期に運命に流され、その流れに木の葉のように翻弄されるのもその出自がゆえ、と思わされた。


一時期、贔屓の客である大店の旦那の養子となり芝居から遠ざかるが、
養家の人々とのしがらみから出戻ることになる。


出戻ったあと、家族を抱え、食うものも食えぬつらさから、再度歌舞伎の世界へ。

後ろ盾もなくした戻り新造となり、給金七両の稲荷町(最下級)の役者として辛酸をなめ尽くし、
自分の命を絶つことさえも考えたが、時の老中田沼意次の用人、三浦に命を救われ
もう一度役者として生きることを決意する。


流れに翻弄される木の葉であった仲蔵が、歌舞伎の世界に根を張ると決意した後は、強い。
水面では波だっていても流れにしなやかに身をまかすのは葉先のみ。
底ではしっかりと根をはっているのだ。


「仮名手本忠臣蔵」の五段目、斧定九郎の拵えを現在のように設定したの中村仲蔵、というのは有名だ。
黒羽二重の単衣を尻からげにし、五分月代、白塗りで登場したときの芝居小屋の中の熱狂が小説の中にも描かれている。

しかし、人気役者となった後も同じ写実路線で大星由良乃助などを演じたときには
観客にはウケなかったというエピソードには驚いた。
その後も順風満帆というわけにはいかず、芝居小屋(正しくは座頭役者の、というべきか)の栄華の変遷など
さまざまな波に翻弄されながら、役者として浮き沈みしつつも、光を浴びる場所へと前進する。


特に印象深かったのは、仲蔵晩年のエピソードだ。
旅回りで道成寺を演じた際の、桜の老木の枝を刈って舞台に設えたときの場面。
老木に鉈を入れてみると、古い木肌のその見かけに違って瑞々しい刈り口が現れた、というくだり。

老いるごとに、役者としての円熟味を増していくのに正比例するように体がつらくなってくる役者のメタファーだ。

ざらついた木肌に覆われた老木同様、人間の体もいつか朽ちる。
しかし役者としての魂はその木肌の下でもまだなお瑞々しい香りを放つのだ。
思わず「古い皮袋の中の新しいワイン」のたとえ話を思い出した。

つまり...ついに魂が体を離れる時がきたということ。

役者同士の人間関係、しがらみや忠義立て、観客の目、
そして、歌舞伎に関わる一個人として護っていきたいもの....そんなものに縛られていたが、
仲蔵の魂はついに自由な魂となり、思うが侭に演じる時がきたのかもしれない。

もしくは、新しい歌舞伎の時代の役者として生まれ変わって謳歌しているのかもしれない。
もしかしたら、平成の世、今存分にやりたいことをやっているのかもしれない。


中村仲蔵は人生をかけて精一杯演じ、そして生きた。
その一生を丁寧な筆致で情熱的に描いている一冊。
清清しい気持ちで、読み終えた。



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