WILDnaLIFE :「ワイルドなライフ!!」

米国アイダホ州より英語トレーニングルームがお届けします。 http://www.eigotraining-usa.com

TA再当選!

2015-05-12 | 日記
夏休み1週目。

アメリカの大学の夏休みは3ヶ月半。ファイナルの終了と同時に学生寮から追い出されてしまうので、留学生は母国へ帰るのが一般的である。

私はと言えば、今年はどこへも行かずにお家でひたすら勉強。文化人類学のセミナーで使う6冊の教科書の先読みと卒論の残り半分を完成させて、余裕の秋学期を迎えようという計画である。

奥さんもサマーコースをとるので7月初旬までひたすら勉強。ネイティブ・スピーカー達に混ざっての初の本格的な英語の授業となるだけに、緊張さながら。大事をとって1点集中できるサマーで受講することにしたというわけ。どうなることやら。期待してます(笑)。

ところで、先日、TA(大学院授業料全額免除+健康保健料全額支給+年間120万円のお小遣い)に私が2年連続で当選確実とのウラ情報をローサー教授にもらいました。なんでも、今回は当選枠ちょうどの申し込みで選抜する必要がないのだとか。去年は激戦だったのに、何てラッキー!!大学院学費ゼロで終了の見込みです。誘われるままここにこのまま就職かも??

ローサー教授はと言えば、アイルランドに語学イマージョン・プログラム(ターゲット言語のみ使用して生活する語学訓練)に2週間ほど行ってくるらしい。28ヶ国語を研究して、6ヶ国語が流暢なことにも満足せず、暇さえあれば世界中を飛び回って言葉の修行をしている57歳、カッコイイです(笑)。こういう人生を私も送りたいとしみじみ思う今日この頃です(本当か?)。

日本人と英語

2015-05-04 | 英語
15週目終了。

今学期も残す所あと1週間だ。
最後の週はFinals' Weekといって授業はナシ。期末試験のためだけに学生は登校する。

今学期は私の米国大学講師プチデビューもさることながら奥さんに関するニュースとしては、米国学生デビューを飾ったことと、なんと勢い余ってジャパニーズ・クラブの部長になってしまったこと(!)だ。英語での勉強が大変なのにそんなことやってる暇あるのか、という私の問いに対して「段取りの悪さに振り回され時間をムダにするよりも、段取り良く計画して仕切る側にまわる方がラク」とのお答え。やはり私とはかなり人種が違う(笑)。

彼女は今学期から日本語のチューター(補習教官)も始めたばかりだから来学期はかなり忙しくなるはず。私も鬼のようにチュータリングはこなしたから分かるのだが、実はこの仕事、英会話のトレーニングにはもってこいなのである。授業を受けるだけならその他大勢の中に隠れていられるが、1対1では学生の英語の質問に英語で答えるしかない。つまり逃げようがないから英会話力は自ずと向上するのである(期待してます)。

ところで、大学院での私の研究テーマは「外国語としての英語・日本語」なこともあって色々な所で論文または口頭で発表していることがある。それは「日本人は英語を勉強するのは慣れているが、いざそれを使うとなるとかなり下手」ということだ。国内で英語を使う機会がないから仕方ないことではあるが、それにしても他の言語なら笑い飛ばせるのに英語となると何かが違う。間違いを侵すのをを異常に恥ずかしがるのだ(覚えがあるでしょう?)。

ある有名英語塾の塾長も言っていることだが、日本人は英語をしゃべる際にとにかく文法を気にしすぎる。理由は3つ。①中学・高校で最低6年間も英文法を習っているので、不必要に細かいことをよく知っていること ②「英語=試験勉強」の感覚が強いので間違えると減点されるように感じてしまうこと ③日本には日本語が下手な人がほとんどいないので「言葉=下手だと恥ずかしい」と勝手に思っていること、である。

私もご多聞にもれずそうだったのだが、いざアメリカに住んでみると周りには英語の下手なひとがいっぱいいるのに驚いた。移民とか留学生たちである。特に数の多いメキシコ系移民はとにかくしゃべる。明るい。まちがえても平気。伝わるまで話し続ける。結果、彼らはどんどん英語がうまくなる。日本人がうなずきながらわかったふりをしてそそくさと逃げていくのと好対照だ。

実際の会話ではジェスチャーが使えるし、前後関係や状況(コンテクスト)というものが絶対に存在するので、必要十分な発音(特にアクセントの位置)で単語を並べるだけで対面コミュニケーションは成立する。そういう体験をしたことがないから「完璧でなければ英語は伝わらない」と思い込んで重箱の隅をつつくようなことばかりが気になってしまうのだろう。これは筆記試験オンリー、あるいはリスニングはあってもネイティブとの面接のない受験制度の完全な弊害ではなかろうか。

「英語は勉強するな」と誰かがコマーシャルで一生懸命言っているのはおそらくそういう意味だろう、と勝手に思っている今日この頃である。

PIG ROAST

2015-04-25 | 日記
14週目終了。

春学期もあとわずかということで、昨日は人類学部恒例の PIG ROAST(豚の丸焼き)パーティーがあった。

話には聞いていたが、実際に参加するのは初めて。ホントに豚がこんがりと丸焼きになっていた(合掌)。なぜ豚?おそらく人類学部としては原始人の食事に近いものを再現しようということなのだろう、と勝手に思ってる。

持ち寄りパーティーなので奥さんと一緒にフルーツを持っていくと、いたいた、ローサー教授。すでにビール片手にご機嫌である。(もっとも、この人の場合いつでもご機嫌でハイテンションなのだが…。)

近くにいた同じTA仲間の大学院生(半教職員)のレベッカとそのボーイフレンドとご対面。なんでも彼女はJ-Popのなんとかというグループのファン(超マニアック)で彼氏は姉妹都市プラグラムで日本に行ったことがあるとか。さらに驚いたことにはローサー教授も含め3人とも生魚大好きだということだった。「本当にアメリカ人なのかあんたたち?」と内心思ってしまった(笑)。

「ウニが一番好き。タコはちょっとガムみたいで苦手だけど。」と教授。銀ダラとイボダイの刺身が好きとは聞いていたが、まさかウニとは!さすがリトル・トウキョウ(教授の実家のそば)とホノルル(高校時代を過ごした)で日本文化に親しんだというだけのことはある。それでなんで今まで日本に行ったことがないのだろうか???

教授のお母さんは麻雀が得意(!)。2回日本に行っていて美智子皇太后とも会っているとか。LAの実家の周りには日本人がたくさん住んでいるんだそうだ。

「花札ならよくやったよ、高校時代ハワイで」と教授。”呂多進”という日本人名まで持っているこの人、なんでも来年初めての日本行きを計画していてそのために漢字を毎日20ずつ覚えているということだ。

珍道中になること請け合い。どうなることやら…。


将棋イベント

2015-04-18 | 日記
13週目終了。

先週は、ジャパニーズクラブのイベントで将棋をやった。

将棋はジャパニーズ・チェスともとばれるくらいで、世界中にあるチェスの一種である。インドに始まり、西はヨーロッパ・アフリカ、東は日本まで長い年月をかけて伝わり、また変化してきた(ancientchess.com というサイトで世界のチェスが比較できます。要チェック!)。

一般に知られる西洋のチェスとの大きな違いは、何と言っても相手の駒をとったら今度は自分の駒として再利用できるところだろう。言い換えれば、チェスが単なる殺し合いなのに対し、将棋は敵兵を生け捕りにして洗脳した上で自分の兵隊として使うということ(ちなみに日本の将棋しか知らなかい人には西洋のチェスのルールは新鮮です)。この日本の将棋独特の複雑なルールのせいで、人間に勝てるコンピュータ将棋の開発には相当時間がかかったとか…。

もう一つの違いは、将棋の方が後戻りできない駒が多いこと。西洋のチェスにはまず香車がなく、桂馬にあたるナイトも横にも後ろにもいける(かなり将棋プレイヤーにとってはムカつくルールです)。あとはチェスでは昇進できる駒がポーン(将棋の「歩」)のみなのに対し、将棋では王と金以外の駒は敵地に入れば「成る」ことができる。これもチェス・プレイヤーにはかなりオドロキである。

その他のルールは驚くほどチェスと似ているので、チェス好きなアメリカ人なら将棋を覚えるのはそう難しくない。ただ将棋においては好きなところに駒を貼られてしまうので王様を「囲い」ながら同時に攻めないといけない。これがまず初心者にはできないので、教える方は基本的な駒さばきさえ知っていれば、相手の駒をいくつか取ったら王手王手でまず勝てます(今回もそうでした・笑)。

学ぶ側にとっての一番の難関は駒の名前と動きを覚えることだろう。形でわかるチェスの駒と違って将棋の駒は同じ形、書いてある字を読んで識別しなければならない。漢字を読む勉強には確かになるのだが…。(ちなみに、アメリカ人に教えるにあたってはまず駒の動きがいちいち表面に書いてある公文の「スタディー将棋」という商品がオススメです。)

20年前、日本で友達になったチェス名人の同年代のアメリカ人に調子に乗って将棋を教えていたら、最終的に負けてしまったことがあった。(この時は悔しかった。将棋でアメリカ人に負けるとショックでかいですよ。あんまり悔しかったから直後に腕相撲で負かしたくらいです・笑)これもチェスと将棋がよく似ていることの証拠だろう。

最近はコンピュータ将棋が簡単にダウンロードできるご時世なので、負けても一度面白いと思ってくれれば次回対戦するときには練習して別人のように進歩していたりします。そうなってくれればこちらも差していて面白いんですが。将棋クラブを作って現存するチェス・クラブの連中に片っ端から将棋を教えたら楽しいかも…。

試験監督

2015-04-12 | 日記
12週目終了。今学期も残すところあと1ヶ月だ。

私は2回目(最後)の教育実習も無事に終わり、やれやれ一安心といったところ。ローサー教授も今回は本物の日本人(ここでは貴重な存在)による日本語についての講義を75分間も聞けてご満悦のご様子。自慢のヒゲをヒクヒク痙攣させて(ウソ)喜んでいました。

さて、今週は「古代ローマ」の2回目の試験があった。前回例の「某国の人たち」によるカンニング疑惑があったクラスである。

「試験が始まったらトイレはダメ、ケータイに触っているところを見つかったら即試験中止、監視カメラつきの個室で受けてもらうからそのつもりで。」
ローサー教授も前回の私の報告を受けて事前に厳重注意してくれた。今回は、念のため私は奥さんにも応援で試験監督を頼んだ。
「この女性も日本人で、しかも空手の黒帯だからね。悪いことをしている時、不意に首の後ろに痛みを感じたらユーコだと思ってね。」

この紹介に対するリアクションは「爆笑」かと思いきや、意外と「シーン」。みんな真に受けてビビったのだろうか(代わりに私が爆笑してました)。

試験開始。10分も経たないうちに一人目が提出。いくら選択とマルバツのみとはいえ驚異的な早さ。30分もするとほとんどの生徒が提出していく。

開始45分。70人中残り5人。やっぱり残るのは全員キレイに某国の人たち。ローサー教授が黒板に日本語で何やら書いている。「⚪︎⚪︎人おそい」。これには私も奥さんも爆笑。今度は口頭で「このひとたちは、5時15分(試験終了時刻)までいますか?」。「そう思います。このひとたちは、教授が出て行くのをまっています。」と私。⚪︎⚪︎人たちは唖然。試験管に分からないと思って母国語で堂々と情報交換しようとする彼らのお株を見事に奪った格好だ。

残り5分。試験管が3人もいてはさすがの彼らもどうすることも出来ず、一人、また一人と提出していく。最後に残った一人が面白かった。一時間以上かけているのに答案がほとんど真っ白だったので、「何か書かなくちゃ。選ぶだけんなんだから簡単だろう?特にマルバツなんか、あてずっぽでも半分正解になるんだよ。」といったら。「もう一度このテストを受けたいからあえて今回は書かない。書いてしまうと再受験できなくなる。」と彼。「それは君の勝手だけどもう一度受けられる保証はどこにもないよ。目の前のものに全力を尽くしてみたら?」という私の言葉も虚しく、彼は提出し試験は終わった。

結局その学生の点数は100点中の6点。ちなみにアメリカでは60点未満は評価Fで落第、単位になりません。学生ビザで規定単位を取得できないと即刻ビザ取り上げの上母国に強制送還になります。時にその彼の場合、試験開始時から一番後ろの席に座るなどカンニングする気満々。怪しいと思った奥さんが終始張り付いて監視したほどです(ご愁傷さまでした)。

仲間ネットワークを使って楽に単位が取れそうな授業に集まってくる⚪︎⚪︎人たち。今回は日本人TA(私)とその「空手黒帯の」奥さんの活躍で、彼らの計画は見事にくじかれた事をここに報告します。めでたしめでたし。