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だったけど、もはや自分の備忘録としての映画やドラマの感想しかないです。

いろんな解釈が生まれそうな『水を抱く女』

2021年03月28日 19時07分29秒 | 映画


【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:42/57
   ストーリー:★★★☆☆
  キャラクター:★★★☆☆
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★☆☆☆

【以下の要素が気になれば観てもいいかも】
ラブストーリー
ミステリー
精霊

ヒロインの失踪

【あらすじ】
ベルリンの都市開発を研究する歴史家ウンディーネ(パウラ・ベーア)。
彼女はアレクサンダー広場に隣接する小さなアパートで暮らし、
博物館でガイドとして働いている。

恋人のヨハネス(ヤコブ・マッチェンツ)が別の女性に心移りし、
悲嘆にくれていたウンディーネの前に、
愛情深い潜水作業員のクリストフ(フランツ・ロゴフスキ)が現れる。
数奇な運命に導かれるように、
惹かれ合う2人だったが、
次第にクリストフはウンディーネが
何かから逃れようとしているような違和感を覚え始める。

そのとき、彼女は自らの宿命に直面しなければならなかった…。

【感想】
RPGで遊んだことのある人なら
一度はその名を耳にしたことであろう水の精霊ウンディーネ。
本作は、そのウンディーネをモチーフにしたラブストーリーだ。

こう書くと、ファンタジー感あふれる映画だと思われそうだけれど(僕もそうだった)、
実際はもっと謎めいた内容で、
人によって解釈が分かれそうな映画であった。

冒頭、ウンディーネとヨハネスの別れ話から始まるのだが、
彼女は「別れたら殺すから」
と言うぐらいのややヒステリックを思わせる人物。
そんな彼女が新しくクリストフという潜水作業員と出会ってからは、
元カレと今カレの間でやきもきする
オーソドックスなラブストーリーとして描かれる。

しかし、問題はそこから。
ネタバレを含んでしまうので、
映画観たい人はここで終わりにするのが吉(笑)

ある晩、電話で口論をしたウンディーネとクリストフ。
その翌日に、クリストフは事故で脳死状態に陥る。
「昨晩、ケンカしたばかりなのに」
そう思うウンディーネだけど、実は口論した時間帯は、
すでにクリストフは脳死に陥っていたのだ。

彼女は、「すべてあんたのせい」と言わんばかりに、
自宅プールで泳ぐヨハネスを溺死させ、
自分もクリストフの仕事場であった湖の奥底へと姿を消す。
と、同時にクリストフは目覚めるのだ。

これはどう捉えるのが正解なんだろう(笑)
クリストフとの口論はお別れに来た魂なのか、
それとも何か神がかった力が働いたのか。
そして、なぜ彼は目覚めたのか。

作中は現実的な世界観であり、
特に何か明言されているわけではないので、
完全に憶測になってしまうが、
やっぱりウンディーネは水の精霊そのものだったんだろう。

そして、元カレのヨハネスを殺すことで、
その命をクリストフに移し替えたんだと僕は思っている。
その力を発揮するために、
彼女は水と共に生きる必要があり、
湖の奥底に還っていったのではなかろうか。

また、ウンディーネ自身は幻でも何でもなく、
確かに存在はしている。
その証拠に、彼女が湖に消えて行った後、
彼女と関りのあった人たちはみな、
彼女がいたということは認知していた。

クリストフも怪我からの復帰後、
湖の底で再びウンディーネを目にしている。
ただ、ビデオカメラには映っていないから、
もはや彼にしか見えない人ならざる存在になったのかなーなんて。

となると、やっぱりこの映画はファンタジーってことになるね(笑)

ロマンチックかつドラマチックな展開が少なく、
世界観の割には地味な雰囲気の映画ではあるけれど、
静かに漂う"水"とは合っていたかなって感じる。

ちなみに、この映画、
精霊をモチーフにした三部作の1つになるらしく、
次は"火"が題材になるそう。

映画『水を抱く女』オフィシャルサイト

愛が終わるとき、哀しき殺意のとき 官能的なバッハの旋律にのせて「水の精」神話が幻想的に蘇るーミステリアスな愛の叙事詩。/原題:Undine

映画『水を抱く女』オフィシャルサイト

 


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