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物神崇拝

2012-01-13 | 日記

 

 

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かくて日本にフェテシズムが発症した

 1853年(嘉永六年)、ペリー・ショックによって、外的世界を知らないナルチシズム鎖国は、強制的に破られた。環境は、一気に崩壊した。落差はひどすぎた。ペリー・ショックに日木つづく屈辱的不平等条約。「日本人だけが人間」だと信じ切っていた当時の日本人は、禽獣に等しい野蛮人に神州の地を汚されて、人格も一気に崩壊した。「人格分裂」の最悪の症因である。

 結果、重症のフェティシズムが発症した。

 フェティシズム ==  ふつう、それは「正統策(症)」と訳されているが、本来の意味はずっと広い。一般的には、「手段の目的化」のことを言う。たとえば、女性の下着(を脱がせる行為)は、本来、性行為という目的に達するための手段にすぎない。ところが、性倒錯者の中には、性行為(や女性の肉体)には全然関心が無く、ただ下着にだけ魅力を感ずるものがいる。

 このように、性倒錯においては、手段が目的化する。これをフェティシズムと言う。

 性倒錯はフェティシズムの範疇に入るが、フェティシズムは性倒錯に限らない。

 フェティシズムとして、その他、重要なものとしては、物神崇拝がある。神を崇拝する手段として、神の姿に似せて偶像を作る。偶像に神を念じて崇拝する。本来、目的は神を崇拝することにあり、人間が作った偶像は、そのための手段にすぎない。ところが、フェティシズムが作動すると、人間が作った物にすぎない偶像が、神自身のように見えてくる。そう思われてくる。物が呪物(呪神)になる。

  ( 小室直樹 : 著 『日本国民に告ぐ』 124p ~ 124p )

 

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fetishism

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