朽ちゆく林檎 【】
天気が良かったので、
雪山の写真でも撮りたかった。
しかし、何だかぬるい心持ちで、悲壮感の漂う山行きなど、とても無理なヘイワな気分だ。
この前、菅沼の辺りで、四駆が脱輪しているのを見た。あれより、もっと事態は緊迫している。雪も風も、そしてアイスバーンが待ち受けている。
ならば、何かないか。
とか、うろうろ走っていたならば、りんご園があった。
とにかく林檎を買って、写真を撮らせてもらおう。
上の絵のような、画像をとりたかった。
色目はまったく違うが、自分としては
かなり気に入った、できばえとなった。
何故、
このように、チョット目には綺麗な林檎が、うち捨てられている。
りんご園の若い女将さんの言うことには、
『林檎を全部とっては、寂しくなってしまうので、残してある。』
すると、ヒヨドリだとかが来て突いて、売れなくなってしまう。
メジロなどは可愛いのだが、とっても小さな穴を開けてしまう。
傍目に見れば、絵になる景色なのだが、
園の当事者にしてみれば、悔しいおもいが投げ捨ててある。