娘とともにソドムから逃げるロト
アルブレヒト・デューラー 1498年
Lot Fleeing with his Daughters from Sodom by Albrecht Durer, 1498
ロト
( ヘブライ語: לוֹט, Lot ) は 『 旧約聖書 』 の登場人物です。
『 創世記 』 11章後半から14章、それと19章に登場します。父はテラの息子ハラン。また、ロト はアブラハムの甥にあたる。
また、『新約聖書』では義人として紹介されている ( 『ペトロの手紙二』 2:7-8 )
アブラハムに伴って古代エジプトへ、そしてカナンへと旅をするが、アブラハムの牧夫とロトの牧夫との間に争いが起きたため、ロトは肥沃な土地である東方のヨルダン地域へと移動し後にソドムへと移住しました。エラムの王ケドルラオメルによってソドムが略奪されると、ロトの家族は家財もろとも捕虜として連れて行かれるが、そのことを伝え聞いたアブラハムによって救出される。
後に、天使がソドムに派遣され、ヤハヴェがソドムとゴモラを滅ぼすことを決定したことをロトに伝える。そこでロトは夜が明ける前にロトの妻(ヘブライ語: אשת לוט エシェット・ロット) と2人の娘を伴ってソドムを脱出し、近隣の都市ツォアル(ベラ)へと向かう。逃げる際に「後ろを振り返ってはいけない」と指示されていたが、ロトの妻は後ろを振り返ってしまい、「塩の柱」(ヘブライ語: נציב מלח ネツィヴ・メラー)となる。
その後、彼らは山中の洞窟に移住したが、ここで娘たちは父を酔わせ近親相姦し父によって男子を1人ずつ生んだ。長女の息子は「モアブ(父親より)」と名付けられ モアブ人 の祖となり、また、次女の息子は 「ベン・アミ(私の肉親の子)」 と名付けられ後にアンモンの人々の祖となった。
聖書に於けるアモン人
アモン人は聖書ではモアブ人の兄弟民族であり、先祖がロトであることからアブラハムの子孫であるイスラエルとは従兄弟に当たる民族とされている。ヨルダン川東岸のギレアデ地方に国家を築いており、イスラエルとは敵対的関係にあった。後にダビデ王に依り征服されイスラエルの属国となり、ユダヤ人に吸収される。その首都はラバ(Rabbah)と呼ばれた。後にヘブライ語でラバト・アンモーン(Rabbath Ammon)と呼ばれ、現在はヨルダンの首都アンマンとなっている。
ロトがいた洞窟とされる場所はビザンチン時代はキリスト教徒の巡礼地となり、教会が建造された。この教会の遺跡(アラビア語: دير عين 'أباطة UNGEGN式: Deir 'Ain 'Abata デイル・アイン・アバタ) が死海東南岸に残されている。教会横には 「ロトの洞窟」 が存在する。教会は現代のヨルダン王国カラク県に位置するが、カラク地域は歴史的には「モアブ」と呼ばれていた。洞窟で生まれたというモアブ人は鉄器時代には同地域に王国を築いていた。
『創世記』 ではロトの妻と娘たちの名は明かされていない。「エシェット・ロット」 は 「ロトの妻」 という、文字通りの意味。英語表記は Eshet Lot で、英訳するとLot's wifeとなる。
( Wikipedia より抄出し編集・加筆した。 )
GOLTZIUS, Hendrick
(b. 1558, M・lbrecht, d. 1617, Haarlem)
Lot and his Daughters, 1616
Rijksmuseum, Amsterdam
画家 フランチェスコ・アイエツ
制作 1833年 制作
カンバスに油彩
イタリア 新古典主義の作家