《一期一話》夏目成美 2023年02月28日 | 〈我が家のARCHIVES〉 《一期一話》夏目成美(なつめ・せいび)花鳥(はなとり)もおもへば夢の一字かな花をめで鳥に耳傾け、詩歌を愛する風雅もつきつめてみれば夢の一字にすぎない。成美は江戸後期、江戸三大家と呼ばれた俳人の一人。『成美家集』所収。
《一期一話》野沢凡兆(のざわ・ぼんちょう) 2023年02月27日 | 〈我が家のARCHIVES〉 《一期一話》野沢凡兆(のざわ・ぼんちょう)鶯(うぐひす)や下駄の歯につく小田の土早春のあぜ道をゆくと、霜の泥が下駄の歯に付いて難儀する。と不意に春を告げるうぐいすの声が何処かから響いてくる。江戸前中期の俳人で金沢の人。『猿蓑』所収。※小田(おだ)は田の意味
《一期一話》斎部路通(いんべ・路通) 2023年02月26日 | 〈我が家のARCHIVES〉 《一期一話》斎部路通(いんべ・ろつう)肌のよき石にねむらん花のやま漂泊の旅を志した折の句である。花見酒に浮かれる人々を横に眺めながら、自分は一人、貧しくとも心豊かに「肌のよき石に」眠ろうという決意を表しています。『いつを昔』所収。
《一期一話》夏目漱石 2023年02月25日 | 〈我が家のARCHIVES〉 《一期一話》夏目漱石梅の奥に誰(たれ)やら住んで幽(かす)かな灯(ひ)梅の香漂う夜の庭。よく見ると林の奥の方にかすかに灯火が洩れていて、誰かゆかしい人がひっそり住んでいるらしい。『漱石全集』所収。
《一期一話》滝野飄水 2023年02月24日 | 〈我が家のARCHIVES〉 《一期一話》滝野飄水(たきの・ひょうすい)手に取るなやはり野に置け蓮華草大阪の知人が遊女を身請けしようとしていたのを諌(いさ)めて詠んだ句と言われる。後に飄水自身の遊蕩乱費で家を没落させる皮肉な結果に…※江戸中期俳人
《一期一話》滝野飄水 2023年02月22日 | 〈我が家のARCHIVES〉 《一期一話》滝野飄水(たきの・ひょうすい)さればとて石にふとんも着せられず亡き母の墓前で親孝行出来なかったことを悔(く)いて詠んだ句。※江戸中期俳人
《偽りの反省》 2023年02月21日 | 〈我が家のARCHIVES〉 《偽りの反省》周五郎トイプー五男坊「周五郎」君はイタズラ大好きワンコ‼️しかも「反省」無しの「再犯組の親分」格。イタズラ直後はご覧の様に神妙ですが、これが三分も経たぬ内、また「イタズラ野郎」に大変身。この顔見たら、大概はまた許してしまいます(><)
《一期一話》加藤将之 2023年02月21日 | 〈我が家のARCHIVES〉 《一期一話》加藤将之(かとう・まさゆき)サラリーマンの宴会らしく演説を長く続けてやがてみだれぬ宴席で長々と演説をぶち、続いて今度は乱酔するサラリーマンの生態が巧みに捉えられています。『対象』所収。
《一期一話》松尾芭蕉 2023年02月20日 | 〈我が家のARCHIVES〉 《一期一話》松尾芭蕉山路来て何やらゆかしすみれ草山路を来つつふと目にした菫草(すみれぐさ)に何となく心が惹かれます。『野ざらし紀行』所収。
《一期一話》飯田龍太 2023年02月19日 | 〈我が家のARCHIVES〉 《一期一話》飯田龍太春の雲人に行方(ゆくへ)を聴くごとし雲が人に雲の行先を尋ねている様に見えるという。そんなのどかな雲は春の雲に違いない。軽い表現が春の雲の風情をよく言い表しています。『麓の人』所収。
《一期一話》藤原家隆 2023年02月18日 | 〈我が家のARCHIVES〉 《一期一話》藤原家隆(ふじわらのいえたか)梅が香にむかしをとへば春の月こたへぬかげぞ袖(そで)にうつれる梅の花は今も昔も変わらず香っているので、あの懐かしい頃を覚えてるかと月に問いかけても春の月は何も答えず、ただその光が袖に映るのみである。『新古今和歌集』所収。
《一期一話》正岡子規 2023年02月17日 | 〈我が家のARCHIVES〉 《一期一話》正岡子規あたたかな雨がふるなり枯葎(かれむぐら)庭先の枯葎に降りかかる雨のどこかに春めいて潤んだ感じが感じ取れます。枯葎は夏に生い茂った葎が冬に枯れ果ててしまったものをいう。枯葎は冬の季語ですが子規自身はこの句を春季に入れています。
《一期一話》服部土芳(はっとり・どほう) 2023年02月16日 | 〈我が家のARCHIVES〉 《一期一話》服部土芳(はっとり・どほう)かげろふやほろほろ落つる岸の砂うららかな春の日射しにかげろうが揺れています。そんな日射しの中で岸の砂がほろほろ落ちていく。ただそれだけのことですが、「ほろほろ」という形容に春を感じます。江戸前期の俳人。『猿蓑』所収。
《一期一話》吉川五明(きっかわ・ごめい) 2023年02月15日 | 〈我が家のARCHIVES〉 《一期一話》吉川五明(きっかわ・ごめい)流れ来て氷を砕く氷かな18世紀、秋田の俳人。春、河の岸などに氷が流れ寄って来る。氷と氷が相打ち合い、砕けて流れていく。人はいよいよ春の到来したことを知る。『手折菊』所収。