ワニさんの『パワフルおっさん連Ⅲ』

『おっさん』が思うまま、感じるままのんびり行きます!!

世界遺産【原爆ドーム】周辺では・・・。

2006-04-30 23:19:17 | Weblog
原爆ドーム周辺 高さ制限打ち出す時だ 。
何度も訪れている、平和記念公園の世界遺産【原爆ドーム】の周辺の建物については、先日もお伝えしましたが、こちらの地方の新聞に、また取り上げられていました、やはり市民がそう感じているんだと思いましたね。

 来るたびに平和記念公園が縮んでいるような気がする―。二十五年前から広島に通う、日系三世の映像作家スティーブン・オカザキさんはアカデミー賞候補作「マッシュルーム・クラブ」で語る。

 周囲に高い建物が増えたのだ「縮む公園」に、オカザキさんはヒロシマの風化を重ねる。平和の発信力が弱まっているとみる。一方で高度成長、バブル経済崩壊を経て、景観や環境への市民意識は高まっている。広島市は高さの規制を設けてはどうか。

原爆ドームを含む公園の周りの道路から約五十メートルの区域をバッファゾーン(緩衝地帯)と呼ぶ。ドームが世界遺産になる前年の一九九五年に市が定めた。

区域内で新築、改築する際は事前の届け出が要る。これまでに約百五十件受けて、看板を公園から見えない位置に変えたり、色を周囲と調和させたりしている。

ただ根拠は強制力のない要綱である。市は「配慮をお願いする」にすぎない。そのうえ建物の高さは協議の対象ではない。

 一帯は都心で、土地の需要は多い。そのため市は当時、文化庁と協議して条例でなく要綱とし、高さも外したという。だから遺産登録後も公園西側などに四十メートル以上のビルが四棟建った。今はドーム南東百メートルに、四十四メートル、十四階建てマンションの建設が進む。

 ほかの自治体では最近、建物の高さを制限する動きが盛んだ。

 京都市は都心の高さ制限を四十五メートルから三十一メートルに、町家地区は十五メートルに引き下げる。「京都の景観を世界共有の財産として引き継ぐのが責務」と市長はうたう。東京都中央区は銀座のビル建て替え時のルールを見直し、高さ制限の例外をやめる。尾道市も中心市街地で最高二十七メートルを打ち出した。

 国も昨年、景観法を全面施行した。景観団体になれば基準を設けることができ、罰則規定もある。従来の条例より規制力が強い。

 京都や銀座、尾道は、国の方針を背に「私たちのまちは景観を大事にする」と宣言した。一時的に痛みを受けるけれど、まち並みを個性と認め、住民や業者に説明し、説得する道を選んだわけだ。

 広島市は永遠に、原爆の被害を次代に伝える宿命を負う。ドームに近接する市民球場跡地の行方も課題だ。人口減時代を迎え、経済の右肩上がりはもう望めないだろう。そろそろビルの高さを抑え、景観をつくり直すスタート地点に立とうではないか。