ワカキコースケのブログ(仮)

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参院選VS小川紳介

2013-07-17 02:48:04 | 日記


残り3日となってまいりました、
7月20日からの「はじめての小川紳介」、オガワシンスケが渋谷にやってまいります、よろしくお願いいたします!




……告知もドブ板選挙活動と変わらんじゃないか、と言われたら、一瞬、言葉につまるなあ。
しかし、こっちは気分は売り子ですから。似ているようで違うとご理解ください。

21日の投票日と、もろに被りますが、被るゆえの面白さがあると思います。
この日、投票に行った帰りに『三里塚』シリーズを見る。そういうコースを選んだみなさんには、それぞれにハッキリと行動の意味や感慨が生まれると思います。

といって、偏った考え方に引っ張り込もうなんてことはね、全く、無いんですよ。
三里塚の空港建設反対闘争は、なにも乱暴な、反社会的な騒乱ではありません。地元の農業の人たちが、お上に強引にものごとを決められ、立ち退けと居丈高に求められても困りますよ、と全くもっとも至極な主張をした経緯です。実は話はイメージとは逆。偏っているどころか、とても社会的に筋の通っていて、ついつい今も昔もえばりんぼで無配慮な決定をしてしまいがちなお上の意識を、正々堂々と糺す行動だったのです。根っこは、原発や米軍基地の問題とおんなじです。
若い小川紳介は、ならばオレは徹底して農家の人たち側にまわって映画にするぞ~と腰を据えて連作。フランスのヌーヴェルヴァーグや、アメリカン・ニューシネマなどと世界同時発生的な共振を見せました。

アメリカだと、選挙の日にブルース・スプリングスティーンやREMなんかがわざわざライヴをやって、「政治と生活は地続きなんだぜ」と示していますよね。おー、やっぱロックの本場は考え方の層が厚いぜ、と昔からミーハー的に思ってました。
今夏の渋谷ではその代わり、投票日に小川紳介を上映しますよ、ってことです。
フーン、なんかカッコよさそう、と思って足を運んでくださってもらったら、それが一番。初心者に入って来られるのが嫌いなシネフィルさんや専門家さんにピリッとしたイヤミを言われそうになったら。大丈夫、僕に言ってください! ……一緒に逃げましょう。


せっかくなので、ちょっとだけ、選挙そのものについて。
投票しないと、そのまま与党の有利に働く。結果的な信任になる。原発推進や憲法改正などに疑問や不安がある人はぜひ投票を。
これはどこでも言われていることなので、よくご承知でしょう。僕も基本、そう思う。
20歳になってから、一度も投票を欠かしたことはない。で、与党に入れたことは皆無。これぐらいは打ち明けておく。
(与党を支持する方はゴメンナサイ。僕はアナタ達を全面否定はしませんからね。ただ、お互い、そんなに親しくなるのは難しいだろうと思うのみです)


投票しない人の理由というか、言い訳のひとつに「入れたいと思う人がいないから……」というのがある。なかなかなリベラルなインテリ、文化人さえこういう言い方をよくする。
もっともな気もしつつ、昔からずっと、なんだかピンとこなかった。

ところが最近、『選挙2』の想田和弘監督が6月17日付けのブログで、有権者の意識が消費者のそれとゴッチャになってしまっているという意味のことを書いているのを読み、メチャメチャ、ストンと腑に落ちて大感謝だった。
http://documentary-campaign.blogspot.jp/search?updated-max=2013-06-18T02:59:00-04:00


要は、いないならば党の公約を吟味するなどして消去法で選べばいい。僕もほとんどそうしてきた。「誰かいい人」という考え自体が、ついつい人気投票の悪いポピュリズムに嵌っている。

「先生と 呼ばれるほどの 馬鹿でなし」

この、昔の川柳の切っ先の鋭さに照らせば、大体「入れたい」と思うような「先生」がそんなにいたら、むしろそっちの世の中のほうがアブナイ、とも言えるのだ。
いやまあ、高校の時に世話になった面倒見のいい先輩が出馬したので……みたいな、レアかつ身近な場合は別ですが。


ちょっとかじり読みしただけなのだが、ベルトルト・ブレヒトがナチス政権下のドイツから亡命している間に書いた戯曲『ガリレイの生涯』の、有名なやりとりが僕は好きで、なにかというとよく思い出す。

ガリレイの弟子「英雄のいない国は不幸ですよ!」
ガリレイ「いいや違う。英雄を必要とする国が不幸なのだ」

有権者が主権者だということ、1票の権利が持てていることのありがたみが、あまりに当たり前になっているよなーとは僕自身も思う。
でも、ブレヒトのセリフを考えたら、少なくとも「入れたいと思う人がいないから……」は、そんなに美しい言い訳にはならないのだ。
7月22日以降、与党に投票した人よりも僕はむしろ、したり顔でこれを言うインテリのほうに、カチンとくるだろう。


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