FRPに出来ること。

FRPでバイクのカスタムを色々やって見る感じで。

V-MAXをベースにハーディ=ディトナ風カスタムを作ってみた。35

2008-06-17 | Weblog

アンダーカウルとライトカバーの生産型を脱型したので、製品に掛かります。





ケムリースで離型します。






サイドカバーと違い、リブのある型はリブにマスキングをしてゲルコートを塗装します。






マスキングを剥がして硬化させます。






割型は組み付けた常態で積層します。今回はテスト的にクランプを使って見ました。普通は穴を開けてボルトナットでとめます。






マットを乗せていきます。






樹脂を塗り脱泡しました。こんな形状の型は硬化時に発生するガスで硬化不良を起こすので、立てておいてガスが溜まらないようにします。






ライトカバーです。力が掛かる所なのであらかじめカーボンで補強します。






ファイバーを積層したあと脱泡し、見える所なのでクロスを貼りました。






ゲル化した後、ナイフカットしました。

V-MAXをベースにハーディ=ディトナ風カスタムを作ってみた。34

2008-06-17 | Weblog

サイドカバーを脱型から製品積層まで説明します。





積層が終わってから熱部屋に放置して十分硬化した常態です。
素手で触るとファイバーが手に刺さる感じです。






マスターを削らないように淵をサンダーでカットします。
カスターと型の間にスクレパーを入れて隙間を広げ、エアーガンでエアーを吹き込み生産型とマスターを剥離します。






綺麗に脱型出来ました。生産型にケムリースを塗って離型処理します。






ゲルコートを塗装しました。今回は塗装するので黒で塗りましたが、カーボンで作る場合はクリアーゲルを塗装します。ゲル化するまで放置しその後加熱します。
表面を爪で引っかいて傷が付かなければ完全に硬化している常態です。






製品を積層します。まず、普通に張って空気が入りそうな所に樹脂パテを塗ります。今回は型のついでで製品を貼ったので緑色ですが、本来は目立たないようにゲルと同じ色で作ります。






拡大するとこんな感じです。






ガラスマットを二枚重ねます。よく一枚ずつ丁寧に重ねるとかいいますが、本職でそんな事をしてる人はいないです。と云うのは今は昔と違いマットの出来も樹脂の性能も上がってるので、そんな事をする必要がないわけです。マットも樹脂も塗りながらじゃなく、マットを完全に乗せ終わってから樹脂を塗る方が失敗は少ないです。






樹脂を完全に塗ると樹脂量が多いので、これぐらいで脱泡ローラーを使って脱泡していきます。






脱泡できました。これで完全硬化すれば完成です。
ちなみに一日ぐらいでは硬化不足なので僕の場合は1日常温で放置して硬化させた後、熱部屋で加熱して完全硬化させています。加熱しない場合は一週間程放置すればいい製品になると思います。

V-MAXに Xー4用リアホイールを流用してみた。1

2008-06-14 | Weblog


V-MAXのリアタイヤが山はまだ残っているものの、二年は変えていないらしく完全に終わってました。それで交換しようと思ったのですが、変なサイズでタイヤ選択の余地がないので、リアホイールのサイズ17インチに変更をすることにしました。フロントも17インチにするといいらしいのですが、別にレースをするわけでもないのでサイズ変更はなしです。




新車取り外し状態のX-4用リアホイールです。
このまま付くはずも無く知り合いの加工会社がデーターを持ってるというので、格安で加工してくれることになりました。普通は設計料と加工工賃で結構します。
ここは色んなカスタムショップの協力会社で桁違いの情報を持っているのでいつも重宝しています。いつもは図面を書いて依頼していますが、データーがある場合は加工する現物だけ用意すればOKです。
ノーマルの常態で7ミリ右側にオフセットしてるのですが、気持ち悪いのでついでに修正します。






純正では180サイズでギリギリでそのままでは、センターに持ってこれないので、スイングアームも加工します。






スイングアームのパイプの直径は61パイ、ドライブシャフトの直径は17パイなので
センターから振り分けて10ミリの所でカットします。クリアランスは1.5ミリになります。






カットしました。サンダーだと火花が飛び散るので時間は掛かりますが、エアソーを使って切り抜きました。熱も入らないしオススメです。






カット面をベルトサンダーで仕上げました。
あとはこの面に鉄板を溶接して塞げば出来上がりです。
スイングアームの内側が黒いのはメーカーが電着塗装をしてるからです。
と云うことはここは場所的に錆び易い所と言えます。
溶接すると塗装も禿げるので内側の防錆塗装も忘れないようにします。

V-MAXをベースにハーディ=ディトナ風カスタムを作ってみた。31

2008-06-13 | Weblog


コメントありがとうございます。
作業日数について質問があったので答えます。
FRPの作業は乾燥や硬化待ち時間をどう能率よく使用するかが勝負なので、型の硬化を待っている間にウレタンを削ったり、パテを盛り付けたり、一度に三点から五点の物を平行的に作業を進めています。このブログは三日分の作業を三等分してるので1ページが大体1日くらいです。ダミーダクトは樹脂の乾燥時間を別にして約4日半使っています。
生産型は1日2工程が基本です。3面型は6日間で積層は終了しますが、その後乾燥に1週間って感じです。
もちろん、気温で乾燥の具合は変わってくるので、あくまで常温の場合ですが。


昨日の続きです。




ゲルコートを塗りました。ゲルコートは2ミリくらいの厚みで手早くハケで塗ります。素人の場合はスプレーガンで塗る方が綺麗に仕上がると思います。
ただ、ガンで塗ると後で型にペーパーを当てる事が出来ないので、当方は手塗りでやっています。(ちなみにガン吹きの型をペーパーを当てると下から気泡が出てきます。)






ゲルコートの弾きです。これは離型ミスではなくマスターに残る気泡が原因です。
完全にゲルコートが乾燥してから上から再度塗ります。






1面目の積層が終わりました。型の厚みは製品の量産予定数と型の形状で判断します。この型の形状だとは450番マットで4プライから6プライで十分たと僕は思います。







裏面は完全にマスキングしています。上面のリブからはみ出ている部分をサンダーでカットします。






カットして掃除しました。






離型処理をしてゲルコートを塗りました。今日はこれで終わりです。



V-MAXをベースにハーディ=ディトナ風カスタムを作ってみた。30

2008-06-12 | Weblog


アクセス解析を見て見ると「FRP作り方」「FRP型作り方」等で検索して来られる人が多いですね。せっかくなので少し詳しく説明しようと思います。今現在、僕の会社でしてる方法が僕の中ではベストなのですが、さすがに公開するわけにはいかないので、ここ10年ほど前から普及したケムリースを使って一例を解説してみようと思います。はっきり言ってネットで出回ってる使い方は通販で材料を売っている材料屋さんがメーカーの説明書を鵜呑みにしてコピーしただけの方法ではっきり言って説明不足です。
そのあたりも含めて説明していきたいと思います。





ペーパーで1500番まで仕上げます。よくワンオフだから400番くらいで離型に入る人もいるようですが、そうするなら別の離型方法があります。






割りを立てました。この型は上下二分割になります。底部はインナーを取り付けれるように面を大きめに取ってあります。これは最近のSSでは多く見られる方法で空気の流れをスムーズにして空気抵抗や風切り音を減らす効果があります。





ケムリースは4キロ缶なので小分けして使います。本体は冷蔵庫で保管しています。ケムリースは非常に高価なのでよく小分けして売られてますが、製造年が分からないのは使わないほうがいいです。あとケムリースは常温だと揮発成分が蒸発してしまうのですぐ変質します。沈殿物が出だしたら使わないほうが無難です。
酷い業者だと沈殿物が出た物も平気で販売してるので注意が必要です。






ウエスでケムリースを塗って乾かないうちに別のウエスでふき取ります。
その後完全に乾燥させてください。一日放置するくらいでもいい位です。
ケムリースでゲルコートの弾きが出るのはケムリースの拭き残しが原因です。
喰らい付きはケムリースの劣化や乾燥不足が原因です。
あと、ケムリースは正しく使用すればワックスと違い重ねる塗りする必要はありません。重ね塗りするのは製品型から製品を量産する場合だけです。しかも製品に使う場合は一度使用すれば数回は何もしないで製品を量産できます。
ただし、これも正しく使用すればの場合です。
抜きテーパー角度のきつい製品は脱型の時に型に擦り傷が入るので使えないし、割り型の場合は割り面の出来が悪ければそこが喰らい付きます。
なので丁寧に作った生産型じゃないとケムリースを使うメリットは殆どありません。













V-MAXをベースにハーディ=ディトナ風カスタムを作ってみた。29

2008-06-10 | Weblog


ダミーダクトの続きです。





最終サフェーサーを塗装しました。






左右でラインの感じが違ったので修正しました。







1500番のペーパーで仕上げました。この後バフを当てて割を立てていきます。






マスキングをして割りを立てました。今回はカーボンで作る予定は無いので割りも簡単にしてみました。





V-MAXをベースにハーディ=ディトナ風カスタムを作ってみた。28

2008-06-10 | Weblog


マスターモデルが出来てきているので、生産型の製作に入ります。





タンクカバーのマスターモデルですが1500番までペーパーを当てました。最後は水で濡らして細かい歪が無いかチェックします。






マスターが完成したら、傷が付かないようにマスキングをして割りを立てていきます。材質は何でもいいのですが、僕の所では再使用可能なアルミの2ミリの板材を使用しています。今回のタンクカバーは形状が複雑なので、四面割で行こうと思います。






一面目の割が完成しました。あと三回繰り返します。






離型処理をしてゲルコートを塗りました。