ビスケットのあれこれ

ビジュアル言語ビスケット(Viscuit)に関するあれこれを書いてゆきます.

教育をワークショップ的にデジタル化する

2011-02-03 22:19:46 | 1
教育のデジタル化を考えたとき,コンピュータは教育のどの部分を支援すべきか.はっきりいって未開の地なので,僕が理想だと思っている方向に支援すれば,世の中はそうなるんじゃないか.

先生が黒板に問題を書く.「はい,これわかる人」「はーい」「じゃあ,前に出てきて,やって」.クラスの代表がその問題をすんなりと解いて授業は先に進む.授業が終わるちょっと前に,先生は今日の授業で教えた内容のミニテストを配る.あらかじめ切り貼りして作ったものをコピーしたやつだ.もしかしたら,授業中のトラブルで,そのテストのレベルまで進んでいないかもしれないリスクがあるが,しかし事前に準備しなくちゃならない.で,テストが終わって,採点はその日の夜に行われ,翌日に返される.そこでわかるのは,クラスの大半は全然理解していなかったってことだったりする.教えられてから,相当な時間がたたないと,授業での子どもたちの理解度が先生や本人にわからないのである.....これは,僕が子どもの頃の授業の風景だが,今もこんな感じなんだろうか.子どもにタブレット端末が一人一台配られたとき,これががらっと変わる.

先生は,電子黒板に問題を書く.それを子どもたちの端末に一斉に送る.子どもたちは,それを解く.元気のいい代表だけが解くのではなく,全員が解く.解いた答えは先生にすぐに集められる.先生は,送られてきた答えから順に,正解,不正解を判別し,典型的な間違いを見つける.匿名のまま,その間違いを電子黒板で見せる.みんなで,どうしてこれが間違えなのかを考える.最初に問題が解けた子どもも,偶然にできたのかもしれない.よくある間違いをみんなで考えることで,全員がより深い,しっかりとした理解につながる.そして,みんなで,この勉強を一緒に理解しようという連帯感が生まれる.

全員の理解度が授業時間中にわかることで,先生は,自分の教え方の欠点も修正できる.あそこの説明をはしょりすぎたといった.もしかしたら,わざと半数くらい間違えるような教え方をしたほうが面白いのかもしれない.

この授業で重要なのは,よくある間違えをみんなで考えるという部分なのである.ということは一番最初の教え方はへたくそでもいい.教え方が上手いか下手かということよりも,子どもたちと対話ができるスキルが重要なのだ.

これが,デジタル化により教室はワークショップ化するということなのである.

ちなみに,いわゆるデジタル教材を子どもたちが個別に操作して,そこになんのコミュニケーションも引き出せなければ,昔ながらの教育のデジタル化ってことなので,僕はまったく興味ないです.

必要なのは,教科書の単元にそった便利なデジタル教材なのではなくて,先生と児童が円滑にコミュニケーションできるデジタルツールなんだ,ってこと.

そんで,私はビスケットを作ったときと同じくらいの情熱でもって,それに取り掛かっている.

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