ビスケットの話を色々な人にしているときに,良く聞くのが「ああ,私も子どもの頃にビスケットに出会いたかった」という大人の方の声です.そういって頂けるのは,嬉しいですけれども,でも,僕だって子どもの頃にビスケットは無かったですからね(笑)
別の話で,ある保護者の方に「子どもにコンピュータの道に進ませたいのだけれど,小さいときには何をさせればよいでしょうか」という質問もよく頂きます.それに対して,「ビスケットは専門家を目指さない人のためのものですが,もしコンピュータの専門家を目指すなら,体や指先を使った体験を沢山させた方がいいですよ」と言ってます.ビスケットをやっていて矛盾しているようですが,その理由は.
プログラムがバリバリ書けるという能力だけではその人の将来はあまり明るくありません.何かやりたいことがあって,その上でプログラムが自由に書けて,それを自分で作れる,というのが大事なのです.何かやりたいことがある人と,プログラムが書けるだけの人.やりたいことがある人が会社の経営者になって,プログラムが書けるだけの人はその人に使われることになります.最近はプログラマーのイメージが変わって来ているのかもしれませんが,昔,プログラマーといったらコンピュータには興味があるけれど,それ以外には何も興味がない,という印象がありましたよね.そういう人だとプログラマーの地位が低いままです.
地位の低いプログラマーにならないためには,もっと周りのいろんなことに興味を持つ必要があります.せっかくプログラミングというコンピュータで世の中を変えることができる能力をもっているのに,それを活かすことができないというのは勿体ない.そうさせないためにも,子どものうちはいろんな体験が大事なんだということです.
僕は子どもの頃はもの凄い田舎で,大自然に囲まれて育ったし,家の中では粘土でばかり遊んでましたし.コンピュータを初めて触ったのは16歳ですからね.遅いというか,それより前はそもそも個人で買えるようなコンピュータは無かったからですけれど.
で,最初の話に戻すと,「子どもの頃にビスケットが無かった」といった人たちは何も遅いことは無いとおもうのです.もし後悔するなら「子どもの頃にいろんな経験をしてこなかった」ということの方です.
それと,昔はプログラマー30歳定年説,というのがあったんですよね.若いときしかプログラムは書けない,という.いっぺんにいろんなことを記憶しておかなきゃ無いとか,そういうことです.古いプログラミングの技術のままだったらそうなのかもしれません.でも,プログラミングの技術は進歩してますからね.脳が忘れっぽくなっても,人間の記憶が弱くなる部分はコンピュータの得意分野です.
それよりも重要なのは,経験の豊富さによる,全体を見渡して考える力.こういうのは年を取ると,増して行くと思いますが,これこそコンピュータが弱い分野ですよね.だから年を取った方がいいプログラムが書けるようになるのです.
もうひとつ,年齢で弱ってくるのが瞬発力です.時間に関すること.たとえば,スポーツとか音楽の演奏といった時間が関係することは,年を取ると不利になります.反応が鈍ってきますし,年を取ってからトレーニングをしても中々若い人に追いつくようにはならない.
ところが,プログラミングは時間はまったく関係ないんですよね.自分が満足できるプログラムができるまではいくら時間をかけてもよいんです.どちらかというと小説を書くことに似ていると思います.
そんなわけで,いま,いろんな分野で活躍されている大人の方々にも,ぜひプログラミングをやって欲しい.そういう人たちの発想とか,作るプログラムとか,コンピュータの専門家では思いつかないようなものを期待したいですね.
別の話で,ある保護者の方に「子どもにコンピュータの道に進ませたいのだけれど,小さいときには何をさせればよいでしょうか」という質問もよく頂きます.それに対して,「ビスケットは専門家を目指さない人のためのものですが,もしコンピュータの専門家を目指すなら,体や指先を使った体験を沢山させた方がいいですよ」と言ってます.ビスケットをやっていて矛盾しているようですが,その理由は.
プログラムがバリバリ書けるという能力だけではその人の将来はあまり明るくありません.何かやりたいことがあって,その上でプログラムが自由に書けて,それを自分で作れる,というのが大事なのです.何かやりたいことがある人と,プログラムが書けるだけの人.やりたいことがある人が会社の経営者になって,プログラムが書けるだけの人はその人に使われることになります.最近はプログラマーのイメージが変わって来ているのかもしれませんが,昔,プログラマーといったらコンピュータには興味があるけれど,それ以外には何も興味がない,という印象がありましたよね.そういう人だとプログラマーの地位が低いままです.
地位の低いプログラマーにならないためには,もっと周りのいろんなことに興味を持つ必要があります.せっかくプログラミングというコンピュータで世の中を変えることができる能力をもっているのに,それを活かすことができないというのは勿体ない.そうさせないためにも,子どものうちはいろんな体験が大事なんだということです.
僕は子どもの頃はもの凄い田舎で,大自然に囲まれて育ったし,家の中では粘土でばかり遊んでましたし.コンピュータを初めて触ったのは16歳ですからね.遅いというか,それより前はそもそも個人で買えるようなコンピュータは無かったからですけれど.
で,最初の話に戻すと,「子どもの頃にビスケットが無かった」といった人たちは何も遅いことは無いとおもうのです.もし後悔するなら「子どもの頃にいろんな経験をしてこなかった」ということの方です.
それと,昔はプログラマー30歳定年説,というのがあったんですよね.若いときしかプログラムは書けない,という.いっぺんにいろんなことを記憶しておかなきゃ無いとか,そういうことです.古いプログラミングの技術のままだったらそうなのかもしれません.でも,プログラミングの技術は進歩してますからね.脳が忘れっぽくなっても,人間の記憶が弱くなる部分はコンピュータの得意分野です.
それよりも重要なのは,経験の豊富さによる,全体を見渡して考える力.こういうのは年を取ると,増して行くと思いますが,これこそコンピュータが弱い分野ですよね.だから年を取った方がいいプログラムが書けるようになるのです.
もうひとつ,年齢で弱ってくるのが瞬発力です.時間に関すること.たとえば,スポーツとか音楽の演奏といった時間が関係することは,年を取ると不利になります.反応が鈍ってきますし,年を取ってからトレーニングをしても中々若い人に追いつくようにはならない.
ところが,プログラミングは時間はまったく関係ないんですよね.自分が満足できるプログラムができるまではいくら時間をかけてもよいんです.どちらかというと小説を書くことに似ていると思います.
そんなわけで,いま,いろんな分野で活躍されている大人の方々にも,ぜひプログラミングをやって欲しい.そういう人たちの発想とか,作るプログラムとか,コンピュータの専門家では思いつかないようなものを期待したいですね.