○五感俳句011・嗅覚02・寺山修司
○「父を嗅ぐ書斎に犀を幻想し」(寺山修司01)
○季語(無季)
【鑑賞】:書斎には父の匂いがたちこめています。それが書斎で「父を嗅ぐ」ということでしょう。犀が登場するものに次のような句もあります。
「飯噴いてあなたこなたで倒れる犀」(坪内稔典03)
○寺山修司(てらやましゅうじ)(1936~1983)
○好きな一句「便所より青空見えて啄木忌」02
○季語(啄木忌・春)
【Profile】:青森県三沢市出身。劇団「天井桟敷」を中心に多彩な文化活動を実践。寺山修司が俳句に熱中したのは15歳から18歳までのわずか三年間であったが、その間に数々の代表句を残した。全国の学生に呼びかけて俳句誌「牧羊神」を発刊した。没後、「寺山修司全句集」が新書館より刊行。
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寺山修司掲載句
03目つむりていても吾を統ぶ五月の鷹(五月・仲夏)〈技法・数詞効果〉2011/5/20
04他郷にてのびし髭剃る桜桃忌(桜桃忌・仲夏)〈五体・髭〉2012/6/19
05黒髪が畳にとどく近松忌(近松忌・仲冬)〈五体・髪〉2020/11/22
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