●次元俳句072・通過(空間)02・稲葉直・2012-01-22
○「行きも戻りも粕汁の中を通つて」(稲葉直01)
○季語(粕汁・三冬)
【鑑賞】:この情景は現実として考えるならば、粕汁を作っている場所を行ったり来たりしているわけですが、実は具とともに、粕汁の中を溺れながら行ったり来たりしている方がおもしろいですね。
○稲葉直(いなばちょく)(1912~1999)
○好きな一句:「石棺の夜へたたみこむ傘の骨」02
○季語(無季)
【Profile】:奈良県出身。→西村白雲郷の弟子であり、→金子兜太の「海程」の同人。「未完現実」は、根源俳句の提唱者の一人である西村白雲郷の「未完」が、彼の死を以て1958年5月1日発行の通巻第101号で終刊し、その後継として稲葉直の手によって起ち上げられたもの。
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稲葉直掲載句
03不揃いの箸の朝飯死者を置き(無季)〈特集669・食事俳句1-3〉2024/10/11
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