くさぶえの道

身辺雑記 思い出の記

縮む

2013-05-31 23:57:47 | 参加する
夫がいつになく何となく元気が無いように見えた。何かあったのかと訊いてみると、ちょっとがっかりした事があったと答えた。此処では年一度の誕生月検診と言うのがあって、レントゲン、心電図、血液検査、体重や身長まで測ってくれる。5月生まれの夫は初めてそれを受けて帰ったところだった。それで何か更なる身体の不具合でも見付かったのかと思ったら、身長が7センチも縮んでいたのでがっかりしたと言う。
若い頃の身長がそのまま現在まで変わらないとは思わないまでも、長年身長など測る事もなかったので、その数字の大きさは相当応えたらしい。夫は80歳になった頃地域の体力測定と言うのを受けた時、握力も骨密度も40歳台の人並みの値が出て、検査担当の人達を驚かせたということがあったので、かなり自信があったのだろう。ここに来てからも周りの人達に大柄で体格のいい人とよく言われるのは、いつも見ている私からすればむしろ不思議なくらいだから、多分そんな印象があるだけで、実際は全く平均的な体格なのだ。

落ち込みの原因がそれだと知って、笑ってしまったが、一応同情の意も表明しておいた。自慢ではないが私だって若い頃から見れば数センチは縮んでいる。但し夫と違ってそんなことは年々わかって現在に至っているのだ。人間年取ればいずれ縮んで当たり前、でも体重は必ずしも比例しない、残念ながら。

身長だけでなく、最近殊更に嘆いているのは体力の衰えは当然として、やらねばならないことを先延ばしにするいわゆる気力の衰えだ。永らく我家の「すぐやる課」を自認していた夫は「そのうちやる課」を通り越して、今や「いつやる課?」に成り果てている。これも世の常で悩む事でもないし、今までは本当にご苦労様でしたと言いたいぐらいなもの。そう言う私も似たような有様だ。特に家事が随分と億劫になっている。唯その他の面白そうなことは何でもやってみたい物好き根性は全然衰えていないが、今までのように直ぐ飛びつくようなことは大分減ってきている。これも当然の成り行きだろうし、これに限って言えば、私の場合むしろ好いことかもしれない。

米寿の祝い

2013-05-07 22:07:55 | 参加する
夫が米寿を迎えた。自称才子多病で、この齢まで生きるとは自分でも思わなかったと言っている。実際,昔から身体のあちこちの故障で何度か入院を繰り返したし、現在も齢相応の不具合がありながらも、先ずは元気で自分流に生活を楽しんでいる。週一度往復30分くらい歩いて決まったPCショップへ行く以外、運動らしい運動は一切しないが、いまだに食欲旺盛でいつも機嫌好くしているのが何よりだ。

誕生日の当日は普段から時々食事をご一緒する二組のご夫妻にゲストダイニングルームにお集まり願って、持参のシャンペンを開け、此処の夕食普通メニューのみのささやかなお祝いをした。例年は家で大好物のステーキで祝う習慣だったのだが、今年は息子と娘が別々にそれぞれビーフ料理店に招待してくれるということになった。

3日は息子家族が近くの牛しゃぶ店でのお祝い会を用意してくれた。総勢9人。食べ盛りの男の子が四人もいるところへ、昔から牛肉好きで齢に似合わず健啖を維持しているお祖父さんにとってもこのようなお店はまさに打って付けだった。孫たちから真紅の薔薇の花束、皆のお祝いメッセージの寄せ書きの色紙、クッションマッサージ器の贈呈まであり、賑やかな祝賀第二夜だった。

そして5日は第三夜、娘一家のご招待であざみ野うかい亭へ。まるで庭園美術館のようなおしゃれな洋風料理店だ。庭は今盛りの薔薇が美しく咲き乱れ、建物も内部の設えもすべてセンス好く素晴らしい。五人テーブルの個室でシャンペンとワインで乾杯、目の前の鉄板でコックさんが野菜やステーキを焼いてくれる。デザートは又変わった趣の別室でという凝りようで、お店から主客に紅いバラと記念写真が贈られた。

それぞれに楽しいお祝いをしてもらい、しかも近場だったので疲れもなく、これも88歳には有難い事だったに違いない。

子供両家への内祝いは米寿に因み、お米を一袋ずつ。