メカンダーロボ第35話:メカンダーロボよ 永遠(とわ)に
-あらすじ-
公害で汚染されたオリオン星雲のガニメデ星でヘドロン皇帝は生まれた。廃棄物の中にあったコンピューターや文献から知識を得てついにガニメデ星を支配、ガニメデ星人をサイボーグに改造しコンギスター軍団を生み出した。そして公害で汚染されたほかの星への侵略を開始する。ヘドロン皇帝は公害で汚染された”地球”を狙うのだった。そんな折、ガニメデ星の元女王メデューサは息子ジミーをコンギスターの要塞都市から特殊なカプセルによって地球に脱出させるのだった。そして15年の月日が流れ、ジミーは合身戦隊メカンダーロボの一員としてついに地球に辿りついたコンギスター軍団を迎え撃つのだった・・・。しかし、その中にはサイボーグに改造され敵となった母メデューサの姿があった。そして激しい戦いの中でジミーは母メデューサを失うことになる。コンギスターとの戦いは一層の激しさを増したが、ジミーたちの活躍によりついに地球侵略の司令官たるオズメル大将軍を打ち倒すのだった。ガニメデ星の自然が公害汚染を癒し、住処を追いやられたヘドロン皇帝は地球侵略にも失敗したためついに消滅してしまった。戦いのちジミーは遠い故郷を思いながら仲間のもとをそっと去って行くのだった・・・・。
-感想-
実質、総集編ではあるものの新作シーンでヘドロン皇帝の登場、ジミーのナレーションなどエピローグとしても申し分ない内容でした。
本編では語りきれなかった”侵略の動機と皇帝の消滅”、”ジミーの心情”を描くことは多少いい訳感がなかったワケではないのですが、それでも前回で終わっているのと、今回で終わっているのでは印象が全く違います。
番組の途中でスポンサーが倒産してしまうという前代未聞のトラブルに見舞われながら、一応お話を完結させた制作スタッフには頭が下がる思いですね。
ガニメデ星人を全員サイボーグにして宇宙に旅立たせた結果、公害を発するものがいなくなり、自然が回復して皇帝本人を滅ぼすことになってしまうという皮肉な展開と”人間が生きること=自然を壊すこと(公害を発生させる)”ということを示唆させたラストは正直見事だったと思います。
ラストの一回では収まりきれないし、実のところ言い足りないところもあったと思うのですが、上に書いたような制作事情の中でこれができたというのはやはり制作者の”執念”のなせる業でしょうね。
今回はヘドロン皇帝の最初で最後の出番でしたが、そのデザインはいかにも公害から生まれた怪物っていうデザインでよかったですね~。
それにヘドロン皇帝のモノローグで展開する演出もよかった。
モノローグにすることでいままでキャラクター性の弱かった”ヘドロン皇帝”が役者の演技もあいまって強烈に印象付けられました。
まぁ個人的には皇帝VSメカンダーロボってのが一番見たかったんですけどね・・・。
にしてもジミー、彼は報われない主人公ですね・・・。
ヘドロン皇帝を描く一方でジミー自身のナレーションで生い立ちやコンギスターとの死闘が語られます。
2歳でコンギスターに平和な生活を奪われ、母の努力でコンギスターの元を脱出し、15年かけて地球に一人辿りついたと思ったら今度は敵となった母と戦うハメに・・・・。
しかもその戦いの中で母は死に、挙句の果ては改造されているとはいえ同胞を滅ぼすことになってしまったのです。
まずはこの人生が壮絶です。ジミーの口から語られるだけに妙に重たいです。
だからせっかくコンギスターを倒したというのに全然嬉しそうじゃない・・・(これ前回も書いたね)。
同胞を滅ぼし、自分ひとりが生き残ったという罪の意識に苛まれているのでしょうね。
それからラストでそっと仲間のもとを去っていくところは「これ本当にハッピーエンド?」と思わずにはいられませんでした。
ジミーのラストについては”ロボットアニメ初のバッドエンド”と表現されたことがあるらしい(情報提供のmithukiさんありがとうございます)んですが、巧い表現だなぁと思いますね~。
ワタクシ的に見たかったのは、去っていったジミーを仲間が追いかけるとか、なんかそういうことしてジミーを救って欲しかったんですがね・・・。
だってこのままじゃね、あまりにかわいそうじゃない?
それに一緒に戦った仲間との固い絆ってのも見てみたかったのに・・・。
もしかしてあまりにベタすぎてやめたんだろうか?
ザンボットの勝平くんでも地球に救いが残っていたのに・・・。
まぁまぁ邪推はそのくらいにして、それでもスタッフの”ジミー苛め”はすごいですね~。
今回の話を見て改めて感じました。
メカンダーロボOP
今回は総集編的要素が大きかったことと最終エピソードってことで”見所・つっこみ所”は控えました。ご了承ください。
まぁ、申し訳ないけど質の高い回ではなかったんですけどね・・・。
最後に総評みたいなことを書いときます。
まず作画については決して質の高いアニメではありません。
ただロボットアクションについては主役ロボットに様々なギミックがあって楽しかったです。またメカデザインもカッコよくておもちゃが欲しくなりました。
次にストーリー、物語は戦い中心でドラマが少なかったです。
個人的には仲間や母とのドラマをもっと見たかったです。
でも一話完結式の体裁のアニメではあるもののメカンダーロボの活躍により徐々に形勢が逆転していっている背景が描かれていて、その後の連続式のロボットアニメ(リアルロボット)への影響が興味深いですね。
演出ではナレーションで話を流す場合が多くてそれをちゃんと描いてくれればドラマ性も増したのではないかと思いました。
それにユータ、ゴロベェなど脇役のキャラが回を追うごとに影が薄くなっていく。キャラの使い方が正直ヘタ。
一方、オメガミサイルによって戦闘にタイムリミットを設けた設定は見事に演出にも反映されていてバトルの緊張感を高める効果がよく出ていました。
音楽は主題歌含めてすごくよかった。さすが渡辺宙明!
最後にこの作品を一言で表現するなら”偉大なる失敗作~スーパーとリアルをつなぐもの~”ってことになります。
メカンダーロボって作品は様々な実験をした作品だったと思います。
オメガミサイルによる戦闘のタイムリミット創出。
メカンダーロボといえど防衛隊の一戦力・一兵器でしかない設定。
敵メカが量産タイプ。
などなど、特に後に現れる”リアルロボットもの”の要素を先取りしていました。
それゆえに”スーパーロボットもの”と”リアルロボットもの”をつなぐ”ミッシングリンク”だと思うのです。
ただ、作品としては終盤の事情があるにせよ、やはり成功できなかった作品ではないか?と思うのです。
でもワタクシ、好きか嫌いかと問われれば”好き”と答えるでしょうね。
つっこみしてきた部分も含めて技術を超えた妙な魅力のある作品なんですよ、コレ。
オレチャンネルを読んで興味が湧いたのならあんまり期待せず、まったり見てください。
その理由がきっとわかると思いますよ。
気がつけば長々書いてしまいましたね。
正直、この作品を取り上げたときは揚げ足をとることばかり考えてしましたが、メカンダーロボの記事にコメントを寄せてくれるmitukiさんが良き導き手となってくれたのでワタクシも作品を深く鑑賞することができたと思います。
また、mithukiさんからは様々なご意見・情報をいただき記事に反映させることができたと思います。
この場をお借りしてお礼したいと思います。mithukiさん、本当にありがとうございました。
今回で『メカンダーロボ』は終了しますが、また別の記事で取り上げることもあるかもしれませんが、それはまた別の話です。
ところで次の作品ですが、まだ思案中です。
まぁ候補はあるんですが、数作あって絞り込めないでいます。
もう少し待っててくださいね・・・。
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-あらすじ-
公害で汚染されたオリオン星雲のガニメデ星でヘドロン皇帝は生まれた。廃棄物の中にあったコンピューターや文献から知識を得てついにガニメデ星を支配、ガニメデ星人をサイボーグに改造しコンギスター軍団を生み出した。そして公害で汚染されたほかの星への侵略を開始する。ヘドロン皇帝は公害で汚染された”地球”を狙うのだった。そんな折、ガニメデ星の元女王メデューサは息子ジミーをコンギスターの要塞都市から特殊なカプセルによって地球に脱出させるのだった。そして15年の月日が流れ、ジミーは合身戦隊メカンダーロボの一員としてついに地球に辿りついたコンギスター軍団を迎え撃つのだった・・・。しかし、その中にはサイボーグに改造され敵となった母メデューサの姿があった。そして激しい戦いの中でジミーは母メデューサを失うことになる。コンギスターとの戦いは一層の激しさを増したが、ジミーたちの活躍によりついに地球侵略の司令官たるオズメル大将軍を打ち倒すのだった。ガニメデ星の自然が公害汚染を癒し、住処を追いやられたヘドロン皇帝は地球侵略にも失敗したためついに消滅してしまった。戦いのちジミーは遠い故郷を思いながら仲間のもとをそっと去って行くのだった・・・・。
-感想-
実質、総集編ではあるものの新作シーンでヘドロン皇帝の登場、ジミーのナレーションなどエピローグとしても申し分ない内容でした。
本編では語りきれなかった”侵略の動機と皇帝の消滅”、”ジミーの心情”を描くことは多少いい訳感がなかったワケではないのですが、それでも前回で終わっているのと、今回で終わっているのでは印象が全く違います。
番組の途中でスポンサーが倒産してしまうという前代未聞のトラブルに見舞われながら、一応お話を完結させた制作スタッフには頭が下がる思いですね。
ガニメデ星人を全員サイボーグにして宇宙に旅立たせた結果、公害を発するものがいなくなり、自然が回復して皇帝本人を滅ぼすことになってしまうという皮肉な展開と”人間が生きること=自然を壊すこと(公害を発生させる)”ということを示唆させたラストは正直見事だったと思います。
ラストの一回では収まりきれないし、実のところ言い足りないところもあったと思うのですが、上に書いたような制作事情の中でこれができたというのはやはり制作者の”執念”のなせる業でしょうね。
今回はヘドロン皇帝の最初で最後の出番でしたが、そのデザインはいかにも公害から生まれた怪物っていうデザインでよかったですね~。
それにヘドロン皇帝のモノローグで展開する演出もよかった。
モノローグにすることでいままでキャラクター性の弱かった”ヘドロン皇帝”が役者の演技もあいまって強烈に印象付けられました。
まぁ個人的には皇帝VSメカンダーロボってのが一番見たかったんですけどね・・・。
にしてもジミー、彼は報われない主人公ですね・・・。
ヘドロン皇帝を描く一方でジミー自身のナレーションで生い立ちやコンギスターとの死闘が語られます。
2歳でコンギスターに平和な生活を奪われ、母の努力でコンギスターの元を脱出し、15年かけて地球に一人辿りついたと思ったら今度は敵となった母と戦うハメに・・・・。
しかもその戦いの中で母は死に、挙句の果ては改造されているとはいえ同胞を滅ぼすことになってしまったのです。
まずはこの人生が壮絶です。ジミーの口から語られるだけに妙に重たいです。
だからせっかくコンギスターを倒したというのに全然嬉しそうじゃない・・・(これ前回も書いたね)。
同胞を滅ぼし、自分ひとりが生き残ったという罪の意識に苛まれているのでしょうね。
それからラストでそっと仲間のもとを去っていくところは「これ本当にハッピーエンド?」と思わずにはいられませんでした。
ジミーのラストについては”ロボットアニメ初のバッドエンド”と表現されたことがあるらしい(情報提供のmithukiさんありがとうございます)んですが、巧い表現だなぁと思いますね~。
ワタクシ的に見たかったのは、去っていったジミーを仲間が追いかけるとか、なんかそういうことしてジミーを救って欲しかったんですがね・・・。
だってこのままじゃね、あまりにかわいそうじゃない?
それに一緒に戦った仲間との固い絆ってのも見てみたかったのに・・・。
もしかしてあまりにベタすぎてやめたんだろうか?
ザンボットの勝平くんでも地球に救いが残っていたのに・・・。
まぁまぁ邪推はそのくらいにして、それでもスタッフの”ジミー苛め”はすごいですね~。
今回の話を見て改めて感じました。
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メカンダーロボOP
今回は総集編的要素が大きかったことと最終エピソードってことで”見所・つっこみ所”は控えました。ご了承ください。
まぁ、申し訳ないけど質の高い回ではなかったんですけどね・・・。
最後に総評みたいなことを書いときます。
まず作画については決して質の高いアニメではありません。
ただロボットアクションについては主役ロボットに様々なギミックがあって楽しかったです。またメカデザインもカッコよくておもちゃが欲しくなりました。
次にストーリー、物語は戦い中心でドラマが少なかったです。
個人的には仲間や母とのドラマをもっと見たかったです。
でも一話完結式の体裁のアニメではあるもののメカンダーロボの活躍により徐々に形勢が逆転していっている背景が描かれていて、その後の連続式のロボットアニメ(リアルロボット)への影響が興味深いですね。
演出ではナレーションで話を流す場合が多くてそれをちゃんと描いてくれればドラマ性も増したのではないかと思いました。
それにユータ、ゴロベェなど脇役のキャラが回を追うごとに影が薄くなっていく。キャラの使い方が正直ヘタ。
一方、オメガミサイルによって戦闘にタイムリミットを設けた設定は見事に演出にも反映されていてバトルの緊張感を高める効果がよく出ていました。
音楽は主題歌含めてすごくよかった。さすが渡辺宙明!
最後にこの作品を一言で表現するなら”偉大なる失敗作~スーパーとリアルをつなぐもの~”ってことになります。
メカンダーロボって作品は様々な実験をした作品だったと思います。
オメガミサイルによる戦闘のタイムリミット創出。
メカンダーロボといえど防衛隊の一戦力・一兵器でしかない設定。
敵メカが量産タイプ。
などなど、特に後に現れる”リアルロボットもの”の要素を先取りしていました。
それゆえに”スーパーロボットもの”と”リアルロボットもの”をつなぐ”ミッシングリンク”だと思うのです。
ただ、作品としては終盤の事情があるにせよ、やはり成功できなかった作品ではないか?と思うのです。
でもワタクシ、好きか嫌いかと問われれば”好き”と答えるでしょうね。
つっこみしてきた部分も含めて技術を超えた妙な魅力のある作品なんですよ、コレ。
オレチャンネルを読んで興味が湧いたのならあんまり期待せず、まったり見てください。
その理由がきっとわかると思いますよ。
気がつけば長々書いてしまいましたね。
正直、この作品を取り上げたときは揚げ足をとることばかり考えてしましたが、メカンダーロボの記事にコメントを寄せてくれるmitukiさんが良き導き手となってくれたのでワタクシも作品を深く鑑賞することができたと思います。
また、mithukiさんからは様々なご意見・情報をいただき記事に反映させることができたと思います。
この場をお借りしてお礼したいと思います。mithukiさん、本当にありがとうございました。
今回で『メカンダーロボ』は終了しますが、また別の記事で取り上げることもあるかもしれませんが、それはまた別の話です。
ところで次の作品ですが、まだ思案中です。
まぁ候補はあるんですが、数作あって絞り込めないでいます。
もう少し待っててくださいね・・・。
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長い間ご苦労様でした。
私のつたない文章でも、お役にたてたようで、こちらこそありがとうございました。
…最終回…何度も泣きそうになりましたね…
ラストシーンはある意味、余韻がありすぎます…
あんなに可哀想な王子キャラって、ジミーだけですね…(涙)
最後のジミーの「お母さん…」…どんな思いだったんでしょうね…
思い出すたびに、泣いてしまう…(涙)
あの後、仲間達がジミーを探し出して、ジミーが誰か(博士か小次郎)の胸に泣き崩れる…という、ある意味おもいっきりベタな想像をしてしまいましたね…
昔、アニメージュで浪花愛さんの「あいちゃんのアニメえっ!日記」のメカンダー特集にあった文章が印象的でした…
「どうして生まれてきたのか なんて何の問いにもなりはしないから 生きているのが悲しい といっても 殺される前に手が動くだろうし 結局は 漂うだけの人生 それでも 死なない限りは生きている……」
昭和58年頃発行のせいで、保存してても、変色が凄い…(汗)
メカンダーは終わりましたが、また訪問しますので、その時はよろしくお願いしますね。
返信が遅れて申し訳ないです。
最後まで挫けなかったのはmithukiさんのおかげでした。本当にありがとうございます。
さて最終回ですが、”あの後、仲間達がジミーを探し出して、ジミーが誰か(博士か小次郎)の胸に泣き崩れる…という、ある意味おもいっきりベタな想像をしてしまいましたね…”というのはワタクシも全く同じでした。
余韻があると書いておられますが、確かに余韻がありますね、でも後味の悪い余韻ですよね。
”結局は 漂うだけの人生”となってしまうんでしょうか?
そうなれば、まさに”バッドエンド”。
本当にかわいそうなキャラですね・・・。
スパロボファンのワタクシは今後のスパロボでの救済を期待したいと思います。
これからまた違う作品を取り上げる予定となっています。
今後もよろしくお願いします。
確かにメカンダーロボとガルビオンの終焉には類似性がありますね。
ガルビオンはワタクシ、未見の作品なのですが、つい最近『ニコ動』で一挙放送をやっていたみたいですね。
これはDVD発売のための宣伝も兼ねていたんでしょうかね?
それはともかくガルビオンの情報ありがとうございます。DVD買うかどうかはわかりませんが・・・。
ダイターン3はザンボット3と比べて明るい作品になりましたね。まぁラストとかそこはかとなくダークなところもあって、いかにも富野作品って感じですが・・・。
そういえばアニメでトリプルチェンジ機構ってダイターンが初ですね。そして確かにメカンダーよりはるかにカッコイイデザインですね。
まあメカンダーってデザイン的にもマイナーになるべくした作品と言えなくもないですよね~。OPのアクションはやた格好いいんですがね。
クローバーの倒産は知ってましたがダンバインのスポンサーしてたんですね。ダンバイン危なかったですね。
でも打ち切りしなくてあの最後なんですね。最初からほとんどキャラ殺すつもりだったんですね。驚きです