『モスラ(1961)』
1961年7月30日に公開された東宝の監督本多猪四郎と特技監督円谷英二の名コンビによる日本の怪獣映画です。日本初の「東宝スコープ」(ワイド・スクリーン)の怪獣映画でもあります。登場怪獣モスラ。上映時間106分。ちなみに本作で初めて登場した怪獣モスラは、その後も多くの作品で活躍し、ゴジラ、ラドンの2怪獣と並び“東宝三大怪獣”と呼ばれています。
あらすじ
ロリシカ国の水爆実験場であるインファント島にて沈没した第二玄洋丸の生き残りの船員たちが救助された。彼らの証言により”死の島”であるインファント島に原住民がいることが判明した。これをうけて両国は急遽ロリシカ国のクラーク・ネルソンを隊長に日ロ合同調査隊の派遣を決定。放射能汚染により変わり果てた姿となったインファント島で調査隊は”小美人”という双子の妖精に出会う。”小美人”で一儲けを企んだネルソンが”小美人”をさらってしまった。ネルソンは東京で「妖精ショー」を開催し大成功するが、”小美人”たちは助けを乞う願いを込めて「モスラ」と歌った。そして遠く離れたインファント島で巨大な卵から怪獣モスラが姿を現す。インファント島から一路、日本の東京に向かうはついに日本上陸を果たす。これをうけてロリシカ国に逃亡するネルソン。東京中で暴れまわったモスラはへし折った東京タワーに巨大な繭をつくり、ついに真の姿を現す。ロリシカ国に飛び立つモスラ。モスラを鎮めなければロリシカ国もただでは済まないが・・・・。
感想
モスラのデビュー作品であり”退治されない怪獣”、”人間の味方の怪獣”という偉大なジャンルを作り出した映画です。
ストーリー、特撮のバランスもよく面白かったです。でも不思議と”怪獣映画”という印象の薄い映画でした。
確かに劇中ではモスラが暴れまわる場面も多いんですが、物語の本筋が”小美人争奪戦”だったからワタクシがこれまでブログで取り上げてきた怪獣映画にその比べて人間ドラマで見どころが多かったように感じました。
それにモスラって名前からしてなんだかかわいいですし、特にモスラの成虫はフサフサしててぬいぐるみのようで、ゴジラのような荒々しさがないんですよね。
一方、登場人物では主人公の三枚目だけど正義感と行動力に溢れる新聞記者の福田、非情な守銭奴の悪役ネルソン、純真な心を持つ双子の妖精・小美人などなどキャラクター立ってる人物が多かったですね。そして、それに合わせたキャスティングも絶妙でしたね。
特に主人公・福田役のフランキー堺さんは全体的にコミカルながらアクションもこなし劇中で活躍してくれます。また小美人を演じたザ・ピーナッツのお二人は歌唱からセリフまで双子ならではのユニゾン演技はさすがでした。
ストーリーも現代劇(といっても半世紀以上前の作品ですが)でありながら、ラストにて荒ぶるモスラを鎮めるために力づくではなく鐘の音を利用するという方法はそれまでの”怪獣映画”と大きく異なり、とてもファンタジックで平和的なものでした。
また本作は悪役ネルソンの暗躍と結末を通して”悪いことをすれば必ず報いが来る”を描き、現代版の”寓話”とも受け取ることができるのではないかと思いました。
モスラ(1961)(プレビュー)
予告だけ観るとモスラが完全に悪役なんですが、実は悪役は人間だったというオチ。予告編詐欺といってもいいかもしれません。
でも、予告からも伝わるように特撮にはかなり力が入ってますね~。成虫に成長したモスラがロリシカのニューカークを破壊するシーンや繭化したモスラを架空の兵器「原子熱線砲」で焼くシーンなんかはワクワクしましたね~。
このDVDには1974年12月14日『東宝チャンピオンまつり』公開された1時間程の再編集版が収録されているので、気になるアイテムですね。
幼虫モードは完全にチョココロネ、いやいや完全に芋虫。でもキモカワイイ。
フッサフサの成虫モード。成虫になると弱体化するイメージが強いのはなぜだろう?
怪獣なのに何故かかわいいモスラは本作でデビュー後、怪獣王ゴジラに並んで高い人気を得て、多くの作品で活躍することになります。昭和時代にはゴジラとともに地球を守り、平成に入っては単独タイトルがシリーズ化されました。
猛々しい怪獣王ゴジラが怪獣界のヒーローなら、人間の味方で愛らしいモスラはさしずめ”怪獣界のアイドル”と呼んでもいいと思います。
そんな怪獣界のアイドルになったモスラの原点である本作は観て損はありませんよ。
モスラの歌 ザ・ピーナッツ 1961《映像編》
モスラといえばこの歌ですね~。まったく歌詞の意味はわかりませんが、一度聞くと頭からメロディが離れなくなりますね~。
ということで今回はここまで。次回乞うご期待!
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1961年7月30日に公開された東宝の監督本多猪四郎と特技監督円谷英二の名コンビによる日本の怪獣映画です。日本初の「東宝スコープ」(ワイド・スクリーン)の怪獣映画でもあります。登場怪獣モスラ。上映時間106分。ちなみに本作で初めて登場した怪獣モスラは、その後も多くの作品で活躍し、ゴジラ、ラドンの2怪獣と並び“東宝三大怪獣”と呼ばれています。
あらすじ
ロリシカ国の水爆実験場であるインファント島にて沈没した第二玄洋丸の生き残りの船員たちが救助された。彼らの証言により”死の島”であるインファント島に原住民がいることが判明した。これをうけて両国は急遽ロリシカ国のクラーク・ネルソンを隊長に日ロ合同調査隊の派遣を決定。放射能汚染により変わり果てた姿となったインファント島で調査隊は”小美人”という双子の妖精に出会う。”小美人”で一儲けを企んだネルソンが”小美人”をさらってしまった。ネルソンは東京で「妖精ショー」を開催し大成功するが、”小美人”たちは助けを乞う願いを込めて「モスラ」と歌った。そして遠く離れたインファント島で巨大な卵から怪獣モスラが姿を現す。インファント島から一路、日本の東京に向かうはついに日本上陸を果たす。これをうけてロリシカ国に逃亡するネルソン。東京中で暴れまわったモスラはへし折った東京タワーに巨大な繭をつくり、ついに真の姿を現す。ロリシカ国に飛び立つモスラ。モスラを鎮めなければロリシカ国もただでは済まないが・・・・。
感想
モスラのデビュー作品であり”退治されない怪獣”、”人間の味方の怪獣”という偉大なジャンルを作り出した映画です。
ストーリー、特撮のバランスもよく面白かったです。でも不思議と”怪獣映画”という印象の薄い映画でした。
確かに劇中ではモスラが暴れまわる場面も多いんですが、物語の本筋が”小美人争奪戦”だったからワタクシがこれまでブログで取り上げてきた怪獣映画にその比べて人間ドラマで見どころが多かったように感じました。
それにモスラって名前からしてなんだかかわいいですし、特にモスラの成虫はフサフサしててぬいぐるみのようで、ゴジラのような荒々しさがないんですよね。
一方、登場人物では主人公の三枚目だけど正義感と行動力に溢れる新聞記者の福田、非情な守銭奴の悪役ネルソン、純真な心を持つ双子の妖精・小美人などなどキャラクター立ってる人物が多かったですね。そして、それに合わせたキャスティングも絶妙でしたね。
特に主人公・福田役のフランキー堺さんは全体的にコミカルながらアクションもこなし劇中で活躍してくれます。また小美人を演じたザ・ピーナッツのお二人は歌唱からセリフまで双子ならではのユニゾン演技はさすがでした。
ストーリーも現代劇(といっても半世紀以上前の作品ですが)でありながら、ラストにて荒ぶるモスラを鎮めるために力づくではなく鐘の音を利用するという方法はそれまでの”怪獣映画”と大きく異なり、とてもファンタジックで平和的なものでした。
また本作は悪役ネルソンの暗躍と結末を通して”悪いことをすれば必ず報いが来る”を描き、現代版の”寓話”とも受け取ることができるのではないかと思いました。
モスラ(1961)(プレビュー)
予告だけ観るとモスラが完全に悪役なんですが、実は悪役は人間だったというオチ。予告編詐欺といってもいいかもしれません。
でも、予告からも伝わるように特撮にはかなり力が入ってますね~。成虫に成長したモスラがロリシカのニューカークを破壊するシーンや繭化したモスラを架空の兵器「原子熱線砲」で焼くシーンなんかはワクワクしましたね~。
モスラ [東宝DVD名作セレクション] | |
中村真一郎,福永武彦,堀田善衛 | |
東宝 |
このDVDには1974年12月14日『東宝チャンピオンまつり』公開された1時間程の再編集版が収録されているので、気になるアイテムですね。
ゴジラ ムービーモンスターシリーズ モスラ(幼虫) | |
バンダイ(BANDAI) | |
バンダイ(BANDAI) |
幼虫モードは完全にチョココロネ、いやいや完全に芋虫。でもキモカワイイ。
ゴジラ ムービーモンスターシリーズ モスラ(成虫) | |
バンダイ(BANDAI) | |
バンダイ(BANDAI) |
フッサフサの成虫モード。成虫になると弱体化するイメージが強いのはなぜだろう?
怪獣なのに何故かかわいいモスラは本作でデビュー後、怪獣王ゴジラに並んで高い人気を得て、多くの作品で活躍することになります。昭和時代にはゴジラとともに地球を守り、平成に入っては単独タイトルがシリーズ化されました。
猛々しい怪獣王ゴジラが怪獣界のヒーローなら、人間の味方で愛らしいモスラはさしずめ”怪獣界のアイドル”と呼んでもいいと思います。
そんな怪獣界のアイドルになったモスラの原点である本作は観て損はありませんよ。
モスラの歌 ザ・ピーナッツ 1961《映像編》
モスラといえばこの歌ですね~。まったく歌詞の意味はわかりませんが、一度聞くと頭からメロディが離れなくなりますね~。
ということで今回はここまで。次回乞うご期待!
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