v6くるくる日記

「幸せな社会のための技術を語りたい?」日記

IPv6素朴な疑問集その3 「IPv6はなぜ進まない??」

2006-02-05 22:46:11 | IPv6

素朴な疑問に答えよう! 第三弾行きます。

(疑問)
 「ルータなどは大分前からIPv6対応になっているのに、なぜIPv6への移行がすすまないのでしょうか?」

(回答)
うーむ、痛いところを衝いた質問です(笑)。
ひとつには技術的に見てIPv6仕様がIPv4と上位互換性がないということがありますね。WindowsのOSはバージョンアップしていくとき、ハードウェアやアプリケーションなどまで入れ替えていくことはありませんよね。また、いろんなバージョンがそれぞれのPCで動いていても何の問題もありませんよね。だからバージョンアップがスムーズに進むわけですが、IPv6はそのままではIPv4ネットワークとの乗り入れはできません。これは90年代前半にIPv6の標準化がなされたときに大きな議論となったそうです。でも、結論としては上位互換性を保証して中途半端な仕様とするよりは、既存のものにひっぱられない全く新しい優れた仕様にしようということで決まったのでした。この判断がよかったのかどうかは、これから何年もして評価が下るとは思いますけれど。

 次の理由は案外IPv4のアドレスが当初の予定より長持ちしまっていること、IPv4関連の技術が進歩していることがあげられます。VoIPソフトとして有名なSkypeは何種類ものNAT越え技術を駆使しており、NAT不要というIPv6のメリットを消しているようにも思えます。

また、IPv6が誰にとってのどういうメリットになるかが、よく理解されていかなかったということもあると思います。これについてはここ2年ぐらいで急速に知見として積みあがってきたと思います。この辺についてはまた別途。