うざね博士のブログ

緑の仕事を営むかたわら、赤裸々、かつ言いたい放題のうざね博士の日記。ユニークなH・Pも開設。

WBC栗山監督の饒舌

2023年05月05日 06時33分09秒 | 俳句・短歌、またはエッセイ
 わたしは世間の方々と同じように一か月前のWBCの試合には大興奮、熱中してきた。決勝戦は朝から勤務先で見た。個別にはわが郷土出身の大谷翔平、佐々木朗希になるが、ほかに大リーグのレッドソックスに今年から入ったレフトの吉田正尚(入団してすぐに4番にすわる。)や、オリックスの投手山本由伸に注目していた。
 山本の場合はこの最中に発刊された新潮新書の中島大輔著「山本由伸」を買って読んでいる。この人は打たせてアウトを取るタイプだ。その球種やコントロールが評価され、何とすべてが決め球だと解説者は言う、どういことなのか興味を持った。そこで一読したのだが、文体などと文学作品を期待してはいないが、記述方法や構成の組み立て、同じ内容の繰り返し、内容の粗密など錯綜していて全体的に文章表現力に難がある。加えてわたしの読解力不足もあって再び熟読の予定だ。
 ここで触れたいのはWBCでの優勝後のおびただしいコメントに栗山秀樹監督の饒舌ぶりだ。以前から本人の著書「栗山ノート」(光文社)があり、売れているようだ。しかしここではあくまでも従来のマスコミやインターネットのポータルサイトで報道されているニュ―スや記事をもとに感想を記していきたい。
 スポーツ関係で言われるのは良い選手ほど良い指導者になれるというのは現実的に難しいというのはやはり一面の真実だと思われる。わたしは、唯一の例外は最近は野村監督のみだと思う、かつては巨人の川上哲治がある。この世界では先天的に運動が肉体的に優れているのが才能があるとされるが、個人競技であれ団体競技であれそれは言えることだ。誰もが好きな道では頑張れるが、自らの適した出来る能力、出来ない能力を自覚してそれを物理的に時間的に継続して繰り返せることが重要で、それを積み上げられるかが結果的にはどうも才能の異名だとさえ言えるだろう。
 栗山監督は、国立大学を出ても好きなプロ野球への道へ低い指名のドラフトでヤクルトスワローズに入団するも、メニエール病の体質に気づいて数年のちに選手活動を止めざるを得なかった。しかし、何とかこの道で行きたいと念願し筑波大学大学院へスポーツ科学を学ぶことになる。そこで、すべからく物事をなす場合はその背景にあるものを探ること。また過去のプロ野球の世界を研究し始める。そして故人であるかつての西鉄ライオンズ三原脩監督の野球メモに出会うことになる。多分、多分探究心に満ちたこの期間には紆余曲折があったに相違ない。一貫しているのは文字をたどり思考を深めることで、これが栗山監督に合った才能を伸ばす方法であった。なんというものか、プロ野球の世界では異例の個性であるだろう。
 日本ハムファイターズの監督を経て、WBCの監督に就任する。そこでは優勝を目指しその目的意識は勝ち続けるにはどうするかである。試合には複雑怪奇な戦局の総合的な読みがもとめられる。選手、コーチ陣の人選と短期決戦の試合をつくること。試合中の選ばれた選手たちの体調、広い視野にもとづく試合の局面の瞬間的な判断力、そして戦術と戦略観の応用性が優れていたことによるだろう。そしてスポーツ界では稀な栗山監督の天性ともいえる気遣い出来る性格は、選手たち個人々々をのびのびとさせ持てる能力を自由に発揮させて、試合中は積極的な展開にさせることが出来た。
 その結果、つまり、栗山監督の優勝後の饒舌はその孤独な監督采配の裏側を文字化により得た表現力で皆さんに伝えたいということだった。


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