
うわべだけの知識量を誇り、立証をないがしろにし賢こぶって解釈や分析のみを知性と思いこむ半可通がほとんどを占める日本のインテリにとって、受け売りでない吉本隆明の意図的に日本的な情緒を捨象し徹底したロジックがお見事である。最近は、吉本隆明の著作物は外国語への翻訳も賛同者によって進められているようで、わたしはこれからの海外での反応と思想的な評価に重大な関心を持っている。吉本隆明は理系や文系の閾さえも、取っ払って思考は進む。
わたしにとって晶文社は今まで、ベンヤミン、ポールニザンなどのフランス思想や哲学、詩とか、ほかの小粋なエッセイをまとめてきたマイナーな版元である。
全38巻+別巻1ほど、函入りで予価¥6,000.であるらしい。この3月から配本を開始し3か月ごとになる。総額24万円ほどか。詳細は特設サイトを設けているのでどうぞご覧ください。
H・P 吉本隆明特設サイト
わたしは70年安保の世代、自分の考えで生きるとはどういうことか、自分の脚で生きていくこととはどういうことか、を徹底的に考えさせられた。その頃にわたしは、学生時代、自活中の身ながら、大枚をはたいて、単行本のほかに当時の勁草書房版で数冊購入したものである。この出版社は現在はどうなっているのかな。
最近の好きな本は、珍しく老人の生活や心境を語る 「老いの流儀」 である。それにわたしが最高に好んでいるのは、このブログでも何回か転載してきているが、やはり、彼の詩である。
どうぞ、彼の全体像を振り返りたいと思っている方、かつ金銭的に余裕のある方は購入してみてください。






