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晴れ間がなくても幾分明るい空の下、刈り草のところできじが何かをついばんでいる。ちょこまかと動き回る。この造成地では、結構、無防備でいるのだ。
わたしは、人に会い、これから、次に真竹(唐竹)のタケノコを取りに行くところだ。遅いなあ、と心配したが、なんと両腕でひと抱えもあるほど採取する。孟宗竹と違って真竹は簡単だ。7、80cmぐらいのを地際で折るだけでいい。食べるにはあく抜きもいらない。わたしの小さい頃はタケノコと言えば、この真竹を指している。味噌汁の具や煮物の食材だ。
キジ目キジ科。ケーンッ、ケーンッ、と澄み切った鳴き声を発する。実は野鳥の世界では、さえずり⇒ききなしもおもしろいのだ。たまに春先にはつがいでいるのを見かけるが、これは雌で、それでもあの大きくて派手な雄はなかなか見かけない。
狩猟の解禁時期にはよく狙われる。この鳥肉は、昔々、子供のころに食べたきりだが、美味である。田舎では動物性の蛋白源はめったなことに入手できず、食味ではなく、ただただ腹いっぱいになればいいという粗末な食習慣のなかでは、記憶でなく思い出として残っている。
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