うざね博士のブログ

緑の仕事を営むかたわら、赤裸々、かつ言いたい放題のうざね博士の日記。ユニークなH・Pも開設。

いよいよ鰺ヶ沢町から入る--下北半島・白神山地を行く④

2008年08月16日 04時05分45秒 | 下北半島・白神山地を行く
 二日目の続き。
 青函トンネル記念館で昼食後、十三湖を遠巻きに見て、津軽鉄道の金木駅、近くの太宰治の生家‘斜陽館’に立ち寄る。ちょっと観光気分を味わってもらう。一緒のメンバーは文学になど縁がないと思っていたが、やけに熱心に見て回る。ちょっと驚く。太宰治の小説は若い時にかかるハシカみたいなもの。しかしわたしにとって、底が浅くナルシシズムのかたまりなのでつまらないのである。
 次に通ったのは五所川原だ。モバイルのメール通信の必要性の関係でDOCOMOの携帯ショップを探し、用事を済ませる。当初予想していたより、五所川原市内は道路幅もゆったりして大きい商業都市だ。降雪対策もあるだろうが、青森ねぷた祭りの設営、飾り付け場所なども考慮されているそうだ。

 鰺ヶ沢(あじがさわ)町に入る。ここは津軽藩の始まりの地として知られている。鰺ヶ沢は青森では八戸港に次ぐほどの大きな港町だ。海沿いの道路の傍らにはイカの丸干し風景が軒並みに続く。

 わたしは以前の記憶を思い起こし、とつおいつしながら道案内をしていく。
 実はわたしにとって、白神山地は4度目である。世界自然遺産などと騒がれる以前からのこと、ただただ、ブナの原生林にあこがれてだった。
 遠く正面に白神山地を見て、どうにか赤石川を左側に見ながら行くと今晩の宿にたどり着いた。ここのロケーションは、ちょうどその山のとば口にあたる。
 こじんまりとして簡素な、“熊の湯温泉旅館”
 この旅館は季節ごとに山菜とり・きのこ狩り(舞茸が有名)、アユ釣り、クマ狩り、山仕事、土木工事関係者などのベースキャンプ的な要素がある。
 旅館は家族で営み、ご主人は先祖代々のマタギである。わたしは気を利かしてこの日の夕食に、ここでしか養殖されていない珍しいイトウ料理を舟盛りで予約しておいた。肉質は赤身でサーモンに近い味だ。

 写真は、鉄柵の檻(おり)で旅館で飼っているツキノワグマの子熊である。

 この夜、夕食の席で、ちょっとひと騒動があった。わたし一人、到着前後からもやっている変わりやすい山の天気模様を気にしていたのだが、どうなるか。明日から山に入るということで、軽い浮わついた観光気分の参加者に注意を促したのだ。突然変ったように見えたわたしの態度に、皆さんはすっかりその夜のムードが白けたようだ。
 今回の白神山地行は、当時世間で盛り上がっていたユネスコの世界自然遺産にからんで参加者からの行ってみたいという、雑談から始まった。なんでも、ほかにも若い人などに、多々参加希望者があったようだ。ではあるが、わたしにとっては、最初から観光ではなく現地踏査の意識が強い。しょせん、旅行会社のパック旅行はあてにしていない。五感を頼りに自分の足で歩き、自分で車のハンドルを握り行くものでなくては旅ではない。
 わたしから見ると、職業・経歴も年齢も様々、山登りの経験もなく好奇心だけで加わった面々である。今後、それぞれの人生で何らかのエポックになればいい。
 今でも振り返ると後味は悪いが、実にやむを得ないことであったと思う。
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