やっと‘硫黄島’のDVDを見終わった。正月明け、思い切って東京駅前の八重
洲ブックセンターで買い求めておいたもの。アメリカ海軍省の従軍カメラマンの
実写フィルムによる記録映画‘硫黄島’と、昨年にNHKテレビで放映された‘硫
黄島玉砕戦’のドキュメンタリーものである、共に¥3,990.である。
何を好んでと言われそうだが、悲痛な出来事の集積もの(!)は割りと好んで
受け入れるほうだ。連続殺人とか民の差別問題とか、再審請求の裁判物とか
もそうである。
11,12月に公開された映画「父親たちの星条旗」「硫黄島からの手紙」は、ロ
ードショーにすぐに見に行った。世間の評価は「硫黄島からの手紙」が高いそう
であるがわたしはにとってSFXという特殊撮影がしらじらしくて良くない。本
国、アメリカでの「父親たちの星条旗」はあまりヒットしなかったようだが、む
しろこちらの方が良かったと思う。
余計なことだが、アカデミー賞は無理ではないか。
毎度お馴染み、マスコミは軽薄にも持ち上げ過ぎる。その背景に不勉強ではな
いのか。
数年前から、戦争物に興味がひかれている。なぜなら、これほどのノンフィク
ションノベルはないと思うからだ。この‘硫黄島’は5,6冊の本を読んだ筈だ
し、日ごろからDVDを探していた。
ところで、感想は一言では言えないのだが、映画自体はここ数年の間では出
来映えがいい。円熟の境地に至ったであろうクリント・イーストウッド監督の技
量はすぐれている。
内容については、殺し合いという惨鼻な人間の性(さが)に直視し個人として
は哀悼と祈りの心を持ち続けたいと思うばかりだ。