歌猫Blog跡地

漫画「鋼の錬金術師」と荒川弘について語るブログ。更新終了しました。

壊すこと。雑誌ネタバレ含みます

2008年05月10日 | ◆小ネタとか突っ込みとかつぶやきとか
マルコーは、賢者の石を破壊した。
人体破壊の技を持つスカーは、マルコーから石破壊の技を学んだかもしれない。それは最強の武器だから。

では、アルは?

アルは、エドに匹敵する力をもつ、錬金術師だ。
私は、アルも、その技を会得できると思う。
けれど、使わないと思う。

それは、エドが、殺さずの道を貫くのと同じに。
目の前に賢者の石があっても、それを使わないように。

賢者の石の材料は、人の魂。
「人間の定義が広すぎる」エドとアルにとっては、賢者の石でさえ、人間なのだ。
たとえそれが400年前の、肉体は朽ち果て、元に戻るすべも無い哀れな魂であろうと。

賢者の石は、人体錬成と同義だ。禁忌の産物だ。
賢者の石は、あってはならないもの。
だから石を消滅させ、その魂を全に還すのは、正しいことかもしれない。

けれど。
たとえそれが、善なる行いであったとしても。
賢者の石たる魂が、消滅を望むのだととしても。
「ありがとう」と言って消えるとしても。

私は、エドとアルが賢者の石を破壊するのは、いや。

他の誰がやってもいい。
けれど、エドとアルにはやってほしくない。
なぜなら、彼らの父、ホーエンハイムが、賢者の石だから。

賢者の石は、もう、人とは呼べないのだろう。
亡霊は、消えて全に還るべきなのだろう。
けれど、エドとアルがそう納得した時、それは父の否定になってしまう。ひいては自分の生命の。
彼らは、400年前の亡霊から生まれた、禁忌を犯した子供。
だから何?
エドとアルは、こんなにも真っ直ぐで健やかだ。
彼らは当たり前の子供だ。
そしてホーエンハイムは、不器用な、ただの父なのだ。
賢者の石は、人間だ。それは、エドとアルにとっては、文字どおりに。

だから、エドとアルには、賢者の石を破壊しないでほしい。
そんな悲しいことを、させないで。

そんな、悲しいことを。
させないのが大人の責任ってものだろう!

だからホーエンハイム。貴方は貴方の手で、自身の過ちの決着をつけなきゃいけない。
自分のケツは自分で拭けよ!親父!


「使うこと」

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ホーエンハイムはきっと大丈夫だと思います。 (1819)
2008-05-10 23:31:41
エンヴィーがマルコーの石破壊をくらった時は、材料にされた魂だけが消えて、エンヴィー本体は無事でしたよね。
ホーエンハイム自体、普通の体で生きることを欲して活動してきたことだし、石破壊が起こっても死なないと思いますが。
エド達の賢者の石破壊については、荒川先生はやらせない気がしますが、大怪我した時、エドは自分の甘さを反省してたので、何か変化があるのでしょうか?
ホーエンハイムはきっと石破壊の方法をとうに知っているはず。
それなのに普通の体に戻ってないのは、自分に技はかけれないとか、技が効かないとか裏があるのでは?
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コメントありがとうございます (歌猫)
2008-05-11 15:40:37
1819様こんにちは!
あのエンビの正体も謎ですよね。彼(?)もまた、賢者の石を核にしたホムンクルスではなかった、つまりラストやグリードとは異なる存在だったというのも、興味深いです。ホムンクルスは意外に多様性がある。ならプライドもまた何か違いがあるのかも?
とと、話題が逸れました。
ホーエンハイムも石破壊ができる。うん、その可能性は非常に高いと思います。でも、できない、ではなく、やらない、んじゃないかなと思います。存在を奪い、しかし共に400年を生きてしまった友の命を、故無く消滅させることはできないだろうと。お人よしでちょっとヌケてる、優しい男だから。
エド。彼は自分の甘さから怪我をしたけれど、「反省」はしないんじゃないかなー。それを糧にして、さらに一歩、己の道を進むと思う。読者の予想を超えて。…へへへ、エド贔屓なもので。
コメントありがとうございました!
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