歌猫Blog跡地

漫画「鋼の錬金術師」と荒川弘について語るブログ。更新終了しました。

PASH!3月号

2009年02月21日 | ◆アニメのこと
監督インタビューが、おもしろかった!
先月はなーんか固い受け答えだったのが、あらこんなにしゃべれるんじゃないの、って感じ。キャラ語りってのも気楽でよかったのかしら。
監督業は宣伝マンも兼ねてるけど、インタビュー仕事もまだ不慣れなのかな~なんて思ったり。

個々のキャラについての語りは「うん、そーよね」って頷ける、原作派の感覚に概ね沿ってる感じでした。

私が「うん!」って思ったのは「エドは熱血と冷静の二面性を持つ」ってとこ。
そう、エドは、設定から入るありきたりな漫画やゲームでは別のキャラに割り振られてしまう、熱血リーダー役と冷静参謀役を、一人でやっているんだ!(拙ブログ記事「少年が一人だけの少年漫画」

だからアルは、エドのオマケにならない。
エドが突っ走るから後からという形になってしまうけど「アルも常人から見たらすごいスピードで成長している」
うんうん!

マスタングについても、「青臭い野心」「周りがほっておけない」「完璧さより真摯さを描きたい」
ヒューズは「目的がはっきりしていてその手段も知っている」その目的は妻と娘の幸せ。
ホークアイも「自分捜しなんかとっくに終えてる完成したキャラ」

自分捜しなんかとっくに終えてる!!
うわあ!すげえイイよ、このコメント!

自分捜しにぐるぐるして、視野が自分でいっぱいの自己肥大な、そういうのって思春期メディアの(アニメに限らず、例えば恋愛モノなんかも)特徴だけど。
鋼ってさ、もうそこを越えたとこ走ってるんだよね。少年エドでさえ、生まれ持った才能→修業で開花→奢って挫折→再出発、っていう、ふつー少年漫画で10巻くらい費やすステージを、物語が“始まる前に”済ませてしまってる。

あ、わかってるじゃん、って思った。読んでて。
うん、この、わかってる感じを、ちゃんと作品に乗せることができたなら、新アニメは原作の匂いの感じられる作品になると思う。

もちろんこれは前アニメの悪口じゃないよ?前アニメのオリジナリティは素晴らしい。たった4巻かそこらの時代に、まだまだ原作も未熟だった頃に、入江監督みたいなキャラ解釈は無理だったろうし。
それでも。
鋼といえば、前アニメなんだ。どんなに原作が売れていようと、やっぱりアニメのが公知だ。
だから、もしかしたら、新アニメによって、「水島會川版ではない鋼もある」ということを、誰かが知ってくれるかもしれない。
荒川弘の漫画を、手にとってくれるかもしれない。
私が願ってることって、結局はそこなんだろうな~。


さて。
今の段階で、どのくらいまで構想ができているんですか?という問いに、
原作がまだ終わっていないのでどう終わらせるかは決めていない、と答えた監督。続けて、
「『最後はこうなる』というのは、荒川先生から聞いてはいるんですけど、実際にマンガで読んだときのインパクトを大切にしたいと思っています」

実際にマンガを読んだときのインパクト!?

ってことは。
ってことは。

・・・・・・そうか・・・マンガは、アニメより先に、終わっちゃうんだ。
覚悟、してたけど。
改めて、ちょっとショック、っつか。
そうかー。そうかー。そうかああぁ・・・と。

ここんとこ、意味、すぐには理解できなくて。
3回くらい読み返しました・・・。
終わる終わるって、さんざん騒いでるくせにさ。
一番覚悟ができてないのが、私自身なんだよねー。(苦笑)


マンガが雑誌に載ってから、アニメで放映されるまでって、どんくらい?
来年1月掲載話で、ちょうど25巻分の原稿が溜まるのね。(今のペースなら)
12月末に原稿あがったら、3月放映の最終回に、間に合う、ね・・・?
原作最終回の悲しさを、アニメで紛らわせようね、ってコトなんだね?
どうかどうか、「それで続いてンのがコレかよ!!!」って怒り爆発恨み沸騰するよーな、そんな事態にだけは、なりませんように・・・・・・っ!

続けて入江監督
「原作が好きだから参加したい」というスタッフさんが大勢いてくれる・・・原作に助けられていますね。」
うん。
そだよ。
線の一本を、キャラのひと動作を、その手で描いているアニメーターさんひとりひとりが、鋼をちょっと好き、けっこう好き、大好き、なら、それがきっと、いい作品を生み出していく力になる、と、思うんだ。

キャラ語りの締めとして、スタッフに人気のキャラとか。
「好みが集中せず、分かれているのが楽しい。原作キャラで、女性スタッフの間で人気なのはホークアイ。男性の間で人気なのはランファンですね。」だそーです。
他にもアームストロングとか、老人系(笑)が好きな人もいるとか。
(ところで監督!アームストロングを「おじさん系」でくくるのは間違ってる!間違ってるよ!彼はけっこう若いよ?「筋肉系」でくくるべきだ!)
ホークアイはもちろん、ランファンもきっと可愛く可愛く描いてもらえるんだろな♪


と、いう訳で、今週は延々とアニメ話題でしたーv

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2 コメント

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読みました! (sengen412)
2009-02-22 21:20:45
 こんばんは。歌猫様、あらゆるアニメ誌情報、ありがとうございます! この記事を読んで、別掲示板にも紹介させていただきました(いつも事後承諾ですみません)。
 そして今日、改めて「PASH!」を立ち読み(笑)してきました。
 いいですね!入江監督のキャラ語り。
 きちんと原作を読み込んでいるのが伝わってきます。それぞれの人物像の把握がいちいち納得です。
 そして何よりエド。

>「エドは熱血と冷静の二面性を持つ」

その通りですよ! 私はもともと「頭が良くて顔がいい(笑)キャラ」が好きで、したがって少年漫画に多い「熱血で正義感があって器が大きくてリーダー性はあるけどあんまり頭がよろしくない主人公」が一番好きになることはなかったのですが、エドはもう、そういう子供っぽくて真っ直ぐな少年っぽさと、同時に冷静沈着な分析力と勉強家で知的な部分を併せ持っているところが、もう、完璧に「ツボ」でした。
 だって、こういったアクションものの少年漫画の主人公なのに、文献やら辞書やらに目が無くて、いつも必死に考えている設定なんてそうそう他にいないですよね。
 で、いつもは頬がふっくら丸い、かわいらしい子供顔なのに何かの拍子にえらくきれいっつうか、男前、というか…。今月カレンダーのエドワードなんて、君、いったいどこのモデルですか?みたいな雰囲気です。
 そして、歌猫様もおっしゃるように、物語のスタート前にすさまじい修羅場をすでに経験していて、「そこからどうする?」が主となる物語設定となっているところが、確かにこの作品がまれにみる「安定感」を醸し出している要因となっているんだろうなぁと改めて思いました。
 これは他の人物たちにも言えますね。
 ホークアイが、「自分探しなんかとっくに終わっている完成したキャラ」というのもうなずけます。だから彼女たちもぶれないんですよね。どんな局面になっても。そしてだから読んでいて実に心地いい。精神にも行動にもその人ならではの説得力と存在感、そして信頼感があるのが鋼キャラたちだと思います。
 これは、ホムンクルスのラストにも言えますね。最後の最後まで「お父様の忠実なホムンクルス」で、自分のあり方に全く疑いを抱いていませんでした。「自己の存在に揺れる情念の女」だった會川脚本アニメのラストは正反対でしたね。
 大佐も、今回は優しくてもろかった前作アニメとは違う感じになりそうですね。
 この監督さんたちの分析がどんな風に作品化されていくかが楽しみです。おもしろくて傑作なアニメになってくれるといいなぁ。
 で、最後に連載がいつ終わるのか、ということですが…
 確かに、本編は今年1年以内で終わってしまうようなコメントですね。う~ん。まさか、新アニメ「鋼」は「原作の最終場面まではいきませんよ。そのうち続きも制作するかも」というメッセージではないですよねぇ。(←そうだったらいいなぁ…単なる願望)
 荒川先生は、こうと決めたらさくさく容赦なく物語を進めてきっちり終わらせてしまう方(だからいいんだけども)のようですので、鋼のラストはいよいよ近いんですね。もう、6年近くも「鋼」に夢中になって過ごしてきたのに…と思うと終わってしまった後の空虚感が今から思いやられます。
 
 
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コメントありがとうございます (歌猫)
2009-03-04 07:02:24
sengen412様こんにちは!
ほんっとーにコメレスが遅くなって申し訳ございませんっ;;;
も、馴染みのお客様ですと、甘えてしまってダメですね~。すみませんでした・・・。
掲示板ご紹介、ありがとうございます!宣伝していただけるのってすごい嬉しい!好きにやってるブログだけど、やっぱ同好の士には少しでも多く知ってもらいたい♪
エドは決して美男子では無いんだけど、何かの拍子にぐっと来るいい顔をしますよね~。いや、ホントは美男子なんだと思うんですよ!金髪金目で鼻梁が高いし目はおっきいし!でも荒川先生は「美女」は描くけど「美男」は描かないんですよね(笑)男は中身で勝負ってか。そしてその内面が滲み出したとき、エドも、ロイもその辺のおっさんも、実に美しい顔をしますよね・・・!(ああでも、やっぱりエドが一番キレイ!!(笑))
前アニメが「誰もが弱さをもつ」の不安定感が魅力だったとすれば、荒川マンガは「誰もが強い」安定感。今度のアニメもそっちに行ってくれそう。ただ、それがアニメという媒体において魅力になるかどうかはまたわかんないんだよね~さあどうなるかなあ?
荒川先生はさくさく容赦無く終わりにしそうだし、土6日5という時間帯もかっちり終わらせるポリシーなんですよね(なんでかな)。
さくっと終わった後の空虚感。うん、今から覚悟しておかないと。その覚悟に比べたら、新アニメがグダグダかもしれない恐れへの覚悟なんて、ちっぽけなものなんだわ(と自分を誤魔化してみる(笑))
コメントありがとうございました!
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