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源氏物語モニュメント

2007年06月02日 | 平安時代

源氏物語 東屋の巻

 

 薫は浮舟に大君の面影を見ます。彼女は、「八の宮」の娘であり、大君・中の君(26歳)とは異母妹の関係にありますが、八の宮は、宮家の名誉を考えてか彼女を認知しませんでした。八の宮邸を追われた浮舟(21歳)は、母とともに地方暮らしをしていました。 薫(26歳)は、弁を通じて浮舟の母「中将の君」に意向を伝えますが、あまりの身分のちがいに躊躇います。中将の君は、娘の浮舟を連れて「常陸の介」と再婚していますが、娘には八の宮との不幸な自らの轍をふませたくないと、結局身分相応の左近少将を婿に選びます。 浮舟の継父常陸の介は、莫大な財産家ですが、教養の低さは、貴族的な感覚を持つ中将の君とは不釣合いでした。その財力を目当てにした求婚者も多く、その中でとくに熱心だった左近少将を身分相応と考え婿にえらんだのです。 しかし、結婚の日も迫ってから、左近少将は、浮舟が常陸の介の実子でないと知り、財力のある常陸の介の実子の婿になりたいと、浮舟の妹にあたる常陸の介の実の娘に急遽乗り換えてしまいます。中将の君は、常陸の介との間に幾人かの子をなしていましたが、浮舟を溺愛しています。浮舟のこの不運を嘆く母は、彼女を異母妹の中の君のもとに預けることにしました。 中の君(24歳)の邸で、匂宮の優雅な容姿を見た中将の君は、その立派さに感動し、さらに匂宮が出掛けたあとやってきた薫を見て、その容姿の見事さに目が釘づけにされてしまいます。中将の君が、中の君に浮舟の世話を頼んで帰ったあと、匂宮が浮舟を見出して中の君の異母妹とも知らずに強引に言い寄りますが、急に京からお呼びがかかって帰ることになり、その場は事無きをえます。しかし事情を聞いてあわてた中将の君は、浮舟を引取って三条の小家に移してしまいます。 秋も深くなり、御堂も出来上がったので、薫は宇治を訪れます。そして、浮舟への思いをかきたてられ、弁に仲立ちをたのみ、雨の夜自ら三条の隠れ家を訪れ、まだ明けきらぬ翌朝、浮舟を牛車に乗せて宇治に連れ出します。薫が浮舟を宇治に連れ出しながらも、心は、亡き大君へのやり場のない想いがたえず漂い、それを悲しくかみしめるのでした。

源氏物語 浮舟(うきふね)の巻

 匂宮は、中の君の邸での浮舟が忘れられません。再三中の君を責めますが、中の君は口を閉ざします。年が明け、中の君のもとに届いた浮舟の文から、宇治にいることを知ります。早速匂宮は、薫を装い宇治を訪れます。浮舟の女房右近は、夜更けに戸をたたく匂宮を、薫と信じ浮舟の寝所に導き入れます。人違いと気づいたときは、時すでに遅く、驚くよりほかない浮舟でしたが、薫にはないはげしい愛に、罪の意識も失って次第に匂宮に惹かれていくようになります。 正月の宮中行事を終えて、宇治を訪れた薫は、何か物思わしげな浮舟の様子に、いたわしさを感じ、いずれ京に迎えようと約束します。浮舟は、薫に寄り添いながらも、匂宮を恋う我が心に、ただ煩悶するばかりです。 二月、宮中の詩宴の夜、薫が「衣かたしき今宵もや 我を待つらむ 宇治の橋姫」と口ずさむのを聞いた匂宮は、胸を騒がせ宇治を訪れ、有明けの月の中、浮舟を対岸の小家に連れ、夢のような二日間を過ごします。 その後も浮舟のもとには、匂宮と薫の双方から文が届けられ、浮舟の心を揺らします。薫が京に浮舟を迎えようとしていることを知った匂宮も、京に浮舟を移すべく準備を始めます。そして二人は宇治に使いを送ります。薫が送った使者が、匂宮の使者に気づき、怪しんで後をつけたことから、やがて匂宮と浮舟との関係が薫の知るところとなります。薫は、配下に宇治の邸の警護をきびしくするように命じ、訪れた匂宮もむなしく帰京します。 薫からは不倫をとがめる手紙が届き、所詮許されるはずもないわが振舞いに、身の破滅を思う浮舟でした。宇治川の荒々しい流れの音を聞きながら、世の物笑いになるよりはと、ついには死を決意します。母中将の君は、不吉な夢を見て浮舟の身を案じ、使者を派遣してきました。浮舟は、そうした母の思いやりに涙しながらも、入水は今宵、と思い定めます。

源氏物語 蜻蛉の巻

 

 一夜明けて、浮舟の失踪に宇治の邸は動揺するばかりです。書き置きから、入水を知った女房の右近は、匂宮との秘事が漏れないかと、そればかり心配します。不吉な予感から、母中将の君からも、匂宮からも使いがきます。そして、かけつけて泣きまどう中将の君に右近は事実を打ち明け、今はせめて世間体だけでも取り繕うべきと、薫の配下の反対を押し切って、亡骸のないまま、あわてて葬儀を済ませてしまいます。 そのころ薫は、母女三の宮の病見舞いのため石山寺にいて、遅れて事態を知り、浮舟を放置したことを反省しながら、軽率な葬儀をたしなめる使いをよこします。 一方匂宮は、悲嘆のあまり病に臥してしまいます。匂宮を見舞った薫は、表面世間話のように浮舟の話しをしますが、互いに相手の気持ちを探りあいます。
 やがて匂宮は、宇治から侍従を呼んで悲しみを紛らわし、薫は宇治を訪れ、浮舟入水の真相を聞きます。 浮舟の四十九日。薫はこの供養を葬儀とはうってかわって盛大に行いました。母中将の君をねんごろに見舞い、弟たちの世話をします。帝も明石の中宮も、薫の秘めた恋をいとおしく思います。 蓮の花の盛りのころ、明石の中宮は、今は亡き源氏と紫の上のために、御華八講を催しますが、そこで薫は、女一の宮を垣間見て、その美しさに動かされます。女一の宮は、明石の中宮と今上帝の娘で、薫の正妻、女二の宮とは異母姉にあたります。薫の心のうちには、昔から女一の宮への憧れがひそんでいたのです。 妻の女二の宮に、女一の宮と同じ装いをさせたりもしますが、心は晴れず、しきりに中宮や女一の宮の身辺に出入りします。八の宮の姫君たちを次々と失わねばならぬ己が宿世、物思いの果ては、また大君へそしてその形代を求めて、中の君へ、浮舟へと、宇治の姫君たちのうえをさまようことになります。「 ありとみて 手にはとられず みればまた ゆくえも知れず 消えしかげろう 」 

源氏物語 手習の巻

 

 浮舟は亡くなってはいませんでした。比叡山・横川に、徳の高い僧都が住んでおり、その母が妹の尼と初瀬詣でをした帰途、宇治のあたりで病のため動けなくなり、山ごもりしていた僧都に宇治院にて助けられます。たまたまその宇治院の裏手で、正気もなく泣いている若い女を、供の法師が発見します。  狐がばけたものかも知れないと、法師たちは恐れますが、妹尼は娘を亡くした身、娘の身代わりとして長谷観音から授かったものと、手厚く看護して小野の里に連れ帰ります。この女こそ、宇治で失踪した浮舟です。 二ヶ月ほどたった夏の終わりごろ、僧都が下山し加持をしてようやく意識を取り戻します。おぼろげな記憶をたどって、自分が死にそこなったことを知った浮舟は、こうして見知らぬところに生きている悲しさ、恥ずかしさから、せめて出家をと、尼に頼みます。妹尼は、亡き娘の身代わりと思って心をつくして思い止めようとしますが、浮舟は泣くばかりで、いっさい語ろうとしません。 秋になって、尼君たちは月をめでて琴をひいたり、歌を詠みあったりしていますが、浮舟はそれに加わろうとせず、憂いさをひとり歌に託して手習いをしています。そんな浮舟の心にも、時の経過とともに少しずつ落ち着きが戻ります。 ある日、妹尼の亡娘の婿の中将が小野に立ち寄りました。浮舟を垣間見て心を動かし、熱心に求愛します。尼君たちもこの縁の実ることを願いますが、浮舟は全く耳をかそうとしません。そして、出家だけを願う気持ちから、現世的なかかわりを一切拒み続けます。その後、尼の留守中訪れた中将にも母尼の部屋に隠れ、これまでの数奇な半生に思いをめぐらします。 父八の宮の顔も知らず、母と共に地方の国をさすらい、やっと会えた妹中の君とも離れ、薫に京へ迎えられるはずになっていたのに、あさましくも匂宮と間違いを犯し、こうして定めなき身になるとは。一体どうしてこういうことになってしまったのか。浮舟の心は、出家への思いが一層強まっていきます。 翌日、女一の宮の病の祈祷に下山した僧都が、この邸に立ち寄ります。浮舟は、絶好のチャンスとばかり、僧都に懇願して自ら鋏をとって剃髪し、涙にむせびながら出家をはたします。出家してからの浮舟は、心の余裕も生じてむしろ晴れ晴れと仏道にいそしんでいます。 上京した僧都は、明石の中宮の御前で、世間話のついでに、宇治院で出家した女のことを話題にします。浮舟の一周忌も終わり、中宮の御所に参上した薫は、そこで僧都の話しを聞き、浮舟が生きていることを知ります。薫は驚きながらも、匂宮の心をはかりかねてためらいますが、ともかく、僧都にあってみようと、浮舟の弟の小君を連れて、横川へ上っていきました。

源氏物語 夢浮橋の巻

 薫は、横川に僧都を訪れます。右大将の突然の来訪に驚き、恐縮している僧都から、事のすべて聞きます。あまりの意外な話しに唖然として涙ぐむ薫の様子に、僧都は浮舟を出家させたことを後悔し、自分が過ちを犯したような気にさえなるのでした。
 薫は僧都に、一緒に山を下りて小野に行き、浮舟との仲介をしてほしいと頼みますが、今は尼となった浮舟の心を悩ますことは僧として出来ないと、後日を約して薫の供をしてきた浮舟の弟小君に、浮舟あての手紙をことずけます。薫は、人目をはばかってそのまま小野を過ぎ、京へ帰っていき、翌日小君を小野に遣わします。 僧都からの手紙には、薫の愛執の罪が消えるようにしてさしあげなさい、とあります。浮舟は、自分の過去がすべて僧都に知られてしまったことを知ります。訪れたなつかしい弟の姿に、母中将の君の姿を思い起こし、薫の文は昔のままに移り香にしみていました。 浮舟は、涙にむせびながらも、すべては人違いと、小君にも対面しようとせず、薫の手紙も受け取りません。妹尼は、懸命に小君と浮舟との間をとりなしますが、浮舟の硬い拒絶に不信を抱きながらも小君は空しく帰るよりほかありません。
 空しく帰京した小君から話しを聞いた薫は、浮舟の心をはかりかね、あらぬ疑いをもちます。もしかすると、だれかが彼女を隠し住まわせているのかも知れない・・・と。
 自ら決意した一筋の道を、孤独に堪えて一人懸命に生きていこうとする浮舟の心は、今の薫には無縁なものになってしまったのでしょうか。それとも、誰にも図ることのできない人生への、また薫への惜愛の念が浮舟の心を硬く閉ざしてしまったのでしょうか。 都の秋も暮れ、浮舟の心を写し出すかのように宇治の東宮も六条院も冬の到来を迎えるのでした。 

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