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藤原道長展

2007年05月30日 | 平安時代

金峯山埋経千年記念・藤原道長展

「極めた栄華・願った浄土」

 2007/5/26に宇治と京都国立博物館へいってきました。目的は藤原道長を感じるためです。 メインは京都国立博物館で開催されている「道長展」と「土曜講座」です。 実は先週の19日に「この世をば」で有名な永井路子さんの土曜講座にいきたかったのですが、応募葉書を出し忘れて(悔やみきれない失敗です)いけなかったために、大原嘉豊さん(博物館の研究員)の講座を聞きにいったのでした。 講義内容は「道長の時代の仏画」です。 かなり難解な内容であったので内容紹介は省略させていただきますが、興味深い講座であったことは確かです。 道長三昧をするには、まずはお墓に・・・ということで、午前中は宇治陵へ! 宇治陵の詳細は前回の紹介ブログを参照いただくとして、道長のものといわれている32号墳墓へいきたかったのですが、発見できず、全部で37基まであるうちの13基を巡り、当時を実感したあとに、京都国立博物館へいったのです。 博物館は三十三間堂の隣にあって、昔平清盛、滋子等が住まいとしていたあたりに位置します。 

 

 タイトルにもあるように今年は藤原道長が吉野の金峯山に詣で、諸処の経筒を埋めて約千年目にあたり、今回の特別展になったらしく出品されている数々の遺品も金峯山から出土されたものが数多くありました。 ↓奈良・吉野の金峯山寺

 

 博物館では「永井路子さんの女帝の歴史を裏返す」(思わず買ってしまいましたが・・)などの歴史本が数多くありましたが、一際目を引いたのはこれです。 道長の全てが記載された300余ページに及ぶ記念本です。

 歴史、系図、仏教絵画、金峯山での出土品など盛りだくさんですが、ここではかの有名な日記を紹介します。 まずは、道長の「御堂関白記」です。 長保二年二月二十五日彰子が立后した日のものと寛弘五年九月十一日中宮彰子が一条天皇との間に敦成親王を出産した日のものです。 因みにこの御堂関白記は国宝です。 見ての通り、細かいことは余り気にせず自由奔放に書いています。誤字・脱字が多かったと聞いていますが、ほんとうにそんな感じで後から文章の挿入も気にせず行っています。血液型はB型と思われます。(謎) 

 

 次は藤原実資の「小右記」 (重要文化財)です。 道長よりも9歳年上で才能の溢れた実資であったが、藤原氏の主流になれずに最後まで道長を意識した御方です。 道長の日記とは違って、見るからにその性格が滲み出ています。 文字の構成からして道長のような乱れは全くありません。 

 

 そして以下のは藤原行成の「権記」 (国宝)です。藤原公任・斉信・俊賢とともに寛弘の四納言といわれ道長の右腕として政治の辣腕ぶりを発揮しましたが、書の道でも傑出した才能を見せており、小野道風、藤原佐理とともに三蹟といわれた書道の達人でもあります。 実物を前にしてしばらく見とれておりました。

 これは東三条院(円融天皇・妃 藤原詮子 : 道長の姉であり、道長に最大の運気をもたらした)が石山寺に御幸した際に、中宮太夫であった道長が直衣姿でお供をする様子を描いたものです。 もちろん牛車(檳榔毛唐庇車)には詮子がのっています。 道長の拡大版と葵祭での檳榔毛唐庇車(少し違うかも)。

 

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