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< 赤毛のアン 新たなる旅立ち >(テレビ視聴)

2013年03月04日 | テレビで見た映画。
ちょっとそこに座れ、ケヴィン・サリバン。違う、正座!
……アンタは一体何を考えて、こんな作品を書いた?



超~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~駄作。
わたしが史上最低と評する「千年の恋 ひかる源氏の物語」の次くらいに位置する映画だ。
説明する労さえ厭わしいからストーリーは省略するが、
「主人公が赤毛でアンという名前であること」以外に、赤毛のアンである要素はほぼない。


これに「赤毛のアン」とつける権利があるか?


幼少年の悲惨な境遇に対する嗜好があるなら、「オリバー・ツイスト」の方が良かったんじゃないのか。
あるいは「ジェイン・エア」とか。
勝手に、お父さんがお母さんを(事故で)殺して、犯罪者の娘として艱難辛苦を舐め、
何か所も何か所もたらいまわしにされ、理不尽に苛められ、
工場経営者と労働者との労働争議に巻き込まれ(しかも6、7歳で!!)
――という話にする権利がどこにあるのか。
前作の「赤毛のアン アンの結婚」も怒髪天を衝いたものだが、これはさらにヒドイ。

……この人の脚本、全部で4作あるんだよね。一応。
1作目と2作目はなかなか穏当な作りで、むしろ好きだったのに。これが脚本・監督ケヴィン・サリバン。
3作目は「これはアンじゃない!」というオリジナルストーリー。脚本ケヴィン・サリバン、
監督ステファン・スケイニ。
4作目が本作。監督不明。

なんか成立過程が謎。4作も書くのなら本人「赤毛のアン」がキライってことはなさそう。
3作目と4作目は監督の介入が大きくて、別な話にさせられてしまった?
それとも本人の愛が極まってオリジナルストーリー?
前者なら、あまりにも別な話すぎて途中改変というレベルではなく、
後者なら、まったく原作に対する愛着を感じない話になっているんだよなー……

今回wikiを見て初めて知ったが、ミーガン・フォローズ主演の3作、ダイジェスト版だったのか。
映画ではなくてそもそもはテレビ作品?映画だと思って見ていた。
今回のこれも、登場人物の説明が全然足りないところがあったりしたので、
ダイジェスト版と言われた方がしっくりくるが、どうなのか不明。


こういう、原作とは似ても似つかない作品になってしまうことを防ぐ手段は、何かないんですかねえ。
条件付けっていうのも難しいところだが。
例えばシェイクスピアなら――「ハムレット」を現代衣装で見たことがあり、
特に違和感はなかったが、台詞は多分いじってないだろうしなあ。
「ロミオとジュリエット」は現代に移してディカプリオが映画でやったが、
……うーん、違和感あったっけどうだっけ?昔たしかテレビで見たが印象は忘れているなあ。
わたしは「ロード・オブ・ザ・リング」を高く評価するけれども、
それはそこまで原作に思い入れがないのと、……正直詳細を覚えていない故かもしれない。
でもあれは誠実に作った作品だと思うけどねー。

本作は「赤毛のアン」好きのココロを踏みにじっていないか?
何を考えてああいう話にしたのか、本人に訊いてみたいよ。
もうとてもがっかりした。しかも「THE BIGINNING」というタイトルってことは、
……まさか今後も続けるつもりでいます?またあんな、どの辺が「赤毛のアン」なのか
わからない作品を?
もしそれらしい作品があったら、脚本家の名前を確認してから見ます……







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