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flexaret Ⅳのレストア、シャッターユニット完成!のはずが。。。

2008年01月31日 14時48分07秒 | flexaret Ⅳ レストア
※この記事は途中経過です。flexaret Ⅳのレストアしている方や、しようとしている方で特に初心者の方は必ずflexaret Ⅳのレストア、まとめを先にご覧下さい。

はじめに追記です。後の方で、爪の問題を扱っています。この記事を書いた時点では完成だと思っていましたが、後々、この爪のために不具合が出ています。そのため、只今、思案中です。爪に関しての結論は明日以降になります。失礼いたします。

前回の続きです。目次としては、次の8項目です。

1.シャッター羽のある面の洗浄
2.シャッター羽の取り付け
3.バネの働きと取り付け
4.シャッターの開きの悪さとその対処(チャージレバー)
5.シャッターが閉じない問題とその対処(シンクロプラグまわり)
6.シャッターが最後まで閉じない問題とその対処(スローガバナー)
7.シャッターが開かない問題とその対処(セルフタイマー)
8.これから



1.シャッター羽のある面の洗浄



前回、この黒い汚れや、輪を曇らせている油が動きを悪くしているのだろうと考えここを、洗浄することにしました。ベンジンにつけてから、ピンセットで紙を挟んで溝の汚れを拭き取りました。



ちなみに、使った紙は、エツミから出ているレンズ用のクリーニングペーパーです。ティッシュでこすると細かい屑が出てきますが、この紙だとそれが出ない。輪の方も同じ仕方で拭き取りました。輝いています!しかし、後に思ったことですが、輪の拭き方に問題があったのかもしれません。その点については、この記事の「6.シャッターが最後まで閉じない問題とその対処(スローガバナー)」で。



次に組み立てていきます。注意点が一点。次の写真の赤丸で囲んだワッシャーだけ他のものより一回り小さくなっています。分解中には気付かなかったけれど、後で見たら一つだけ小さい。記録用に撮っておいた写真に助けられました。





2.シャッター羽の取り付け

シャッター羽を、分解した時の逆手順で絞り羽の方の面に組んで取り付けようとしましたが、二度やって二度とも失敗しました。並べるのが大変な上に、いざ、はめようとしてもはまらない。そこで、作戦変更。チャージレバのある面を裏返しにして、そこに載せていくようにしました。



一枚目の羽は、そのまま乗せても、他の羽を乗せていくときに重さで落下し易すそうだったので、中心に一円玉5枚を重ねて、落ちそうになっても下から羽を支えるようにしてやってみました。こういう工夫はどんどんやると作業が楽になります。



羽の順番は、このようになっています。次に、羽を乗せたら、逆さまの状態のまま絞り羽のある方の面に取り付けます。次の写真の赤丸で囲ってあるシンクロプラグと、面との間に滑り込ませるようにして、さらに、矢印で示したところのような可動する部分とチャージレバーの乗っている面の凹凸とを目印に合わせるて組み込みます。絞り羽を動かすレバーについた針が邪魔になるので、邪魔にならないところに動かすか、針だけ取り外してやるとよいでしょう。

組み合わせたら、すぐに、シャッターユニット裏の4本のネジを締めます。折角組み合わせたところが浮いて、また羽がばらばらになるのは嫌です。この4本のネジの内、セルフタイマーの切り替えをするレバーの下辺りにあるネジだけが長くなっています。なぜかと言うと、このネジが一番上の面の表まで到達し、その部分にバネを取り付けるからです。



ここまで組み立てた状態でシャッターを切ってみたら動きが軽くなった感じがしました。




3.バネの働きと取り付け

シャッターユニット裏からネジを締めた時に一本だけ長かったネジは、次の写真の矢印で示してある突起になっています。ここに、バネを取り付けます、このバネはネットでよく見かけるクチバシってやつでしょうか?



バネの円になっているところをネジで軽く締めて、真っ直ぐに伸びている部分をエイヤァと輪から出ている突起のところに引っ掛け、その後できちんとネジを締めます。次の写真の状態にします。



このバネが何をしているかというと、矢印の方向に輪を押しています。シャッターを開くときには、この輪は矢印とは逆の方向に動きます。シャッターチャージの際にも矢印とは逆の方向に輪に力がかかります。結論として、このバネがないと、シャッターチャージ時にシャッターが若干開いてしまいます。このバネはそれを防いでいる。もしかすると、開いたシャッターを閉じるときの速度にとっても重要なのかもしれませんが、それはわかりませんでした。動作を確認しつつ取り付けていくことで、バネの役目がわかり、それが結構面白いです。

余談ですが、チャージレバーのしたについているアームの下にバネが引っ掛けられています。このバネはチャージレバーを浮かせたりしていると、簡単に取れてしまいます。今回、チャージレバーをいじくっていたら外れてしまいました。絞り羽のある方の面と、チャージレバーのある面とを組み合わせる時に、元の位置に戻してからやったのですが、戻したつもりで実は戻っておらず、苦労しました。



この写真は、バネがアームに引っかかっていない状態です。円で囲ったところに引っ掛ける突起があり、バネは、その奥になければなりません。バネは矢印の方向にアームを押し出していて、このバネの力のおかげで、チャージ時にアームが、輪から出ている突起をきちんと噛み、それによって、シャッターが切れる様になっています。なので、このバネが外れていると、シャッターが切れなかったりします。




4.シャッターの開きの悪さとその対処(チャージレバー)

スローガバナーを取り付けて、シャッターを切りました。そうしたら、シャッターの動きがまたもや重くなりました。最後まで羽がちゃんと開かない状態で止まります。スローガバナーは注油済みですし、あれこれ考えました。そんな中、チャージレバーを動かしながら、指に伝わってくる感覚に注意してみると、どうもざらついた摩れを感じる。そこで、試しに、チャージレバーとそれを締めているネジとの間に注油してみました。ネジのかさの裏側に極微量の油をつけてネジを締めてみました。



すると動きがよくなりました。100発100中でシャッターが最後まで開きます。おぉっ!ちなみに、後々、また動きが悪くなったときに、今度はチャージレバーの側のネジと接する銀色の部分に極微量の注油をしました。



ところで、バルブ(シャッター速度を「B」に)しているとシャッターを押しているときはシャッターが開きっぱなしになり、外すと、勝手にしまりますよね?チャージレバーへの注油で開くのはよくなったのだけれど、その後です。どうも、たまに引っかかる。たまに開いた状態から動かない。シャッターユニットの蓋をはずしている状態だとバルブの状態になっています。まぁ、スローガバナーの方は、ほぼ1"の状態になっているので、シャッターを切って外してから1"後に閉まる変なバルブですが。チャージの際に、チャージレバーを止める金具が二段階で出てきます。シャッターレバーを右に動かすと一段目の止め具がはずれ、シャッターが開き、そこから、シャッターレバーがバネの力で左に動くと二段階目の止め具が外れてシャッターが閉じる仕組みです。しかし、バネの力で左に動く動きがどうもわるいのです。シャッターレバーのネジで抑えられている箇所は、チャージレバーと同じようなつくりになっているので、こちらにも注油してみました。よくなったような、変わらないような。。。




5.シャッターが閉じない問題とその対処(シンクロプラグまわり)

開くようになったものの、その後、閉じる動作にならなく入らなくなりました。前述のシャッタレバーが戻らないといった問題ではなくてです。どうも、シンクロ関連の部品に問題があるようでした。



写真がボケていて済みませんが、シャッターが開くときに、銀色の金具が矢印の方に動きます。そして、銅製の部品を押します。ここに問題があるようでした。回転する銀色の金具の動きが悪いのかと思い、ネジと接している軸に注油しても動きがよくなりません。ちょっとネジを緩めると動きがよくなります。しかし、どうも動きが悪く、シャッターが素早くは閉じません。ここの金具は、ストロボを使わない限り使わないので、いっそのこと外してしまいました。この銅製の部品が緩衝の役目もしているかもしれませんが、外してもあまり音を聞いた感じ違いは感じられなかったので、ちゃんと動くようになった今も、外してあります。ちなみに、一部だけ取らずに残してあります。バネがついること、それから、スローガバナーに注油しすぎた際に、この金具が、どうやら油を受けて下に油が落下せずに済んでいるようだからです。

というわけで、シンクロ関連の部品を一部残して外し、次の写真の状態になりました。






6.シャッターが最後まで閉じない問題とその対処(スローガバナー)

シャッターはちゃんと開くようになりました。スローガバナーもチャージレバーに押されて動いています。しかし、最後までシャッターが閉じません。問題になっていたのは、次の写真で下から出ている爪。



この写真では、シャッターが開いた状態です。シャッターが閉じる時、この爪の先がスローガバナーの爪をこの写真で言うと右側に押しのけながらスローガバナーの下に入り込みます。今回、問題だったのは、この爪がスロガバナーの部品にぶつかって、最後まで入り込まないことでした。スローガバナーの取り付け位置をほんのちょっとずらしても、治らなかったので、あまりやりたくはありませんでしたが、スローガバナーを外して、爪の先の曲がっている角度をペンチで微調整しました。すると、ちゃんと下に入り込むようになりました。

この爪が、拭いている時とうに若干ゆがんでしまったのかもしれません。元々歪みが出ていたのかもしれませんが(ベンジンの中でちゃんと動いていたのは、ベンジンで滑っていたからと考えれば、その可能性もあります)。スロガバナーやセルフタイマーの動きにこの爪は直結しています。狭いところにある爪で、とても重要です。




7.シャッターが開かない問題とその対処(セルフタイマー)



ここまで来て、後は、セルフタイマーのブロックをつけるだけ!ドキドキしてきます。しかし、またまた、問題が発生しました。セルフタイマーを取り付けるとシャッターが全く開かない。写真の円で囲ったネジを少し緩めるとちゃんと動いてくれます。一晩あれこれ考えて、結局、「6.シャッターが最後まで閉じない問題とその対処(スローガバナー)」で触れた爪の問題なんだと特定し、微調整に入りました。

問題をちょっと詳しく説明します。原因は、次の写真の赤矢印で示した部分です。爪とセルフタイマーの部品がぶつかっています。シャッターが開くときには、爪は青矢印のの方向にすぐ側にある半円形の部分を押しながら動いていきます。しかし、赤矢印のところでぶつかっているために動けなくなってしまっています。



セルフタイマーの仕組みは、ここの部分に関わるところだけを説明すると、チャージの際には、赤矢印とぶつかっている部品が、緑矢印とは逆の方に動きます。それによって、ちょうどこの写真と同じように爪が押さえられます。シャッターを切ると、バネの力で内部のギアが動き、それによって、爪とぶつかっている部品が緑矢印の方向に動いていき、ついには、爪と離れ、シャッターが開きます。今回の問題では、爪がゆがんでいて、緑矢印の方に動けるだけ動いても爪を押さえたままになっていたというわけです。

セルフタイマーを外して爪を微調整します。調整前はこのような次のような状態でした。



調整後は、次の写真の状態になりました。若干ですが、写真で見て爪の下側を左に寄らせています。



これでセルフタイマーもスローガバナーも動くようになりました!全て部品を取り付けてちゃんと動いているのを見たら、もう嬉しくて!

ただし若干、爪を左に寄せすぎたようで、セルフタイマーのブロックがまだ動いている最中にシャッターが切れはします。それでも、セルフタイマーのブロックが止まるところで、シャッターが切れるのが、正常だとして、それと比べて1秒変わるかどうかですし、嬉しいです!




8.これから

というわけで、シャッターユニットの分解、洗浄、注油、組み立て、全て完了です!前述の通り、シンクロ関連の部品を外したままにしていますが。シャッター速度を測定して(と言っても1~1/10くらいまでした測定できませんが)これから、一週間くらい動きを確認して、もし大丈夫だったら、レンズを取り付けようと思います!それまでの間は、ボディ等に手を出さないでおこうと思います。それというのも、シャッターユニットのことばかり毎日考えて、家にいる間、かなり時間をかけて作業をしていたので、他に当てる時間が殆どなくなっていたからです。大概、夜に作業をしていたので、熱中して午前4時くらいまであれこれ考えながら作業したりしていましたし。ちなみに、うちの父は、紙模型にはまっていて、翌日朝から仕事でも明け方まで作り続けていることが日常茶飯事になってます。今日、四ヶ月間の海外出張から帰ってきたので、また今夜から、紙模型なのかな?帰ってくるなり、すぐにカッター板や工作道具を出した形跡があります。

これから、一週間くらいにレストア関連で動作確認以外にするとすれば、今まで書いたブログの記事の加筆修正くらいにしておこうかな。加筆修正して、かつ、一週間経ってもちゃんと動いていたら、シャッターユニットのまとめを書こうと思います。