お母さんと読む英語の絵本

読み聞かせにぴったりな英語絵本から、米国の子どもたちの世界をご紹介
子どもをバイリンガルに…とお考えのお母さんに

ひっこみ思案のキミに 

2011-03-29 | about 英語の絵本

Jeremy Draws a Monster

ジェレミーは3階建てのアパートの3階に住んでいます。ジェレミーはいつも自分の部屋にいます。窓から見える表通りでは、子どもたちがボールを蹴って遊んでいます。でも、彼は決して外に出ようとしませんでした。

そんなある日、ジェレミーはふと思い立ってペンをとると絵を描き始めました.最初に上から描き始め……だんだん下へ下がって……それから反対側に描き進み……そうしてジェレミーが描いたのは、なんと!怪獣(Monster)でした。

「あぐるるるぅ~!」と怪獣は言いました。
「サンドイッチを描いてよ! 腹ぺこなんだ!」
ジェレミーがサンドイッチを描いてやると、
怪獣は『ありがとう』も言わないで、むしゃむしゃ食べてしまいました。

「トースター描いてよ!トーストが好きなんだ」
怪獣はまだまだ主張します。
「レコードプレーヤーを描いて! ここは静かすぎるよ!」
「座り心地のいい椅子!それからテレビ! テレビゲームするんだもん!」
「あ、ホットドッグもね!」
怪獣の要求はまだまだ続きます。
「電話も描いて! 誰か電話してくるかもしれないからさ!」
「あ、ケーキも描いてね! デザート食べたいんだ!」

ジェレミーは休む間もなく、次々と描いてあげました。

テレビの前で座り心地のいい椅子にどっかり座った怪獣は、
ゲームをして、デザートを食べ終わると言いました。
「ねえ、君って一日中そこに座っているのかい?」
ジェレミーが黙っていると、
「帽子を描いてよ、僕は出かけるからさ!」
怪獣は、ジェレミーに描いてもらった帽子をかぶると出かけていきました。

やれやれ……。
ジェレミーはホッとしました。

でも、夜中にジェレミーが眠っていると、
誰かがドアをバンバンたたきました。
ドアを開けるとそこには怪獣が立っていて、
帰ってきた怪獣はさっさとジェレミーのベッドで眠ってしまい……。

翌日、
ジェレミーは、怪獣にスーツケースとバスの片道切符を描いてやり、
怪獣をドアから押し出して階段を下り、
スーツケースと一緒にバスに押し込みました。
バスは町の外に向けて出発しました。

ジェレミーがバスを見送っていると、
近所の子どもたちがジェレミーに言いました。
「ねぇ、ボールで遊ぶ?」
「うん、いいよ!」
ジェレミーと子どもたちは一緒にサッカーをして遊びました。

物語は以上です。サワリだけ紹介するつもりだったのに、テンポにつられてつい最後まで書いてしまいました。

小さなオタッキー少年のジェレミー。背番号3のユニフォームを着ているのは、彼が3歳だからかな? クレヨンを持つジェレミーの指の描写がいかにも幼いので、そんなことも想像してしまいます。ひょうひょうとしたジェレミーの表情や仕草が実にかわいく描かれています。一人で閉じこもって遊んでいるからこそ肥大して先鋭化したジェレミーの想像力が生み出す怪獣。でも、あたりかまわず傍若無人に振る舞う怪獣も、彼が次々に繰り出すわがままな要求までも、なんだか可愛いく見えてくる不思議な絵本です。若くして亡くなった私の親友が残していった一人息子。彼も、幼い頃、全然外に出ない「うち遊び」の子どもでした。そして、彼も、とっても絵が上手でした。この絵本を読むといつでも彼のことが、そして親友のことが思い出されます。

カルデコット賞のオーナー・ブックに1度ならず輝いているピーター・マッカーティ(Peter MacCarty)の作・画になる絵本。とにかく絵が可愛い! もしも引っ込み思案のお子さんをお持ちのお母様がいらしたら、是非おすすめ!の一冊です。




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